複数人の人生・物語が重なっていく構成が巧みで感心した。
マセガキって感じの男の子の話で、ヴァイオレットが「駆け付けられない→仲間に頼む」という考えに至れたことに、彼女の成長を感じてぐっときた。また、ギルベルトに会う前に自分の服装を心配したり不安で取り乱しているところや、再会の際になかなか言葉が出てこないところが、心を持ったゆえの行動だと思った。この再会のシーンの、今まで暗かった画面が色を取り戻して明るくなるところが、京アニの幅広い色や光の表現が生み出す効果の集大成のように感じられた。本当に美しい。
ヴァイオレットだけでなく、ギルベルトや兄もそれぞれ思うところがあり、特に兄の変わり様は良い。不器用なんだな。
映画館で初めてちゃんと泣いた。
(2020.9.19)