草摩家が舞台となる今回。草摩家の在り方のように内と外という見方が強調されているように思えた
はとりは透に対し、紫呉の家を出ていくように勧め草摩家に関わるなと釘を刺す。その態度はちょっと冷たく見える。しかし、後の展開を見れば判るようにそれは外向けのものであり、はとりの内面を知ればそれは自身の経験から透を心配しての注意だったと判る。
はとりの恋人であった佳菜は草摩の人間であっても外側の草摩。当初は十二支の事情を知らないから、内に居るはとりにどんなに近づいても一定の壁を作られてしまうが、事情を知ってからの佳菜の行動ははとりの心に巣食った冷たいものを溶かすようになっていく。はとりの心に寄り添うようになっていく
でもはとりの内側に近づきすぎた佳菜は草摩の内の内にも近づいてしまう。慊人の逆鱗に触れ片目を失ったはとり。その状況に心を病んでしまった佳菜。内側に近づいたから傷ついてしまったなら、その傷を治すためには一旦内側から締め出すしか無い。けれど、その行動は内に残るはとりとの別れでもあって…
それ以来はとりはずっと苦しみや後悔を抱えていたのだろうね。その痛みが佳菜の結婚を聞いたことで救われ、透が佳菜と同じように雪が溶けたら春になると答えたことで、改めて後悔の雪解けを知ったのかもしれないね
雪が溶ければ春になり温かいものが顔を出す。ただ、時には雪によって隠されていた内側も外側に出てくる
今回の草摩家訪問を通して十二支の呪い、そして草摩慊人の存在を垣間見た透。今の自分が居るのは由希達のお陰だという透だからこそ由希達に纏わりつく呪いを何とかしたいと思う
けれど、特別に何かをするよりも、紫呉が言うように透が透らしく居ることが本当に大切なんだろうね