サービス開始日: 2016-03-14 (3876日目)
霧島透子の正体は桜島麻衣だ――。何度否定しても世間へ蔓延する誤った認識、その状況は咲太が向き合わければならない相手が空気などより強大な世界なのだと思わせるもの。特に麻衣が霧島透子へと呑み込まれた展開のみならず、咲太の世界まで改変されるシーンは強烈。小説では一人称視点だったから気付き難かった咲太が受けた衝撃が三人称視点となった事でより実感しやすくなっていたね
これまでも咲太の周囲では理不尽で不可解な現象が何度も起きてきた。彼の世界は思春期症候群に侵食されている。だから原因の見えない現象には慣れつつあった。
しかし彼の周囲で新たに起きる現実改変は解決するのが正しいのかと、以前の状態へ戻すのが正しいのかと問い掛けてくるもの
特にかえでがひょっこり現れたシーンなんて呻き声を上げそうに成ったからね…。原作既読済だから、かえでが現れるのは知っていた筈なのにそれでも驚きのあまり恐怖とも感動とも区別出来ない想いに襲われてしまった
また、双葉が国見と付き合っている景色も何とも言えない気分に。『ロジカルウィッチ』の話を見た私達ならば、それがどれだけ尊い光景であり双葉の願いが叶った関係かを知っている
これらの異変は解決しなければならない問題と解決して良いか迷わせられる問題が並行的に発生しているわけだ
見ている世界が壊れた咲太にはどう行動すべきか判らない、頼れる相手も居ない。そんなタイミングで現れた翔子は本当にもう……!
本作のメインヒロインが麻衣であるのは絶対的に動かない事実だけど、真ヒロインは翔子かも…なんて思わせられたよ。そのくらい彼女の登場は咲太を救うもの
『霧島透子』異変の中心たる美織は解決方法を知っているわけではない。むしろ自分は逃げ続けているとの自己認識を抱えている。でも、これは今までの思春期症候群に悩まされてきた少女達に共通する要素
しかし美織特有の要素として彼女は自身の異変を認識しながら平然と受け止めている、これまでの少女達のように困っていない
だからか彼女と咲太の会話も特有のものに。二人の会話は打てば響くようにテンポ良くオチもツッコミも豊か。でも二人の会話はとても空虚なんだよね。咲太は大事な話をしようとしているのに、美織は空っぽな返しをする。仲良く見えて、美織は咲太に一切心を許していない。とても異質な会話
他方で咲太はそんな彼女に対して「友達になりたい」と訴え続けるわけだ
原作を読んでいた時はイマイチ理解しきれていなかったこの発言、思えば咲太の友達基準って結構重いんだよね。いや、意味が籠められているというか
初期は双葉と国見だけを指して「友達なんて2人もいれば充分」と咲太は言った。それが思春期症候群を通して、朋絵や育実、福山など何人も友達が増えた。かつての彼とは違い、今の咲太は交流を広げている
友達の意味をしっかり持つ咲太は友達候補の美織が困っているなら解決したいと思う。最初は麻衣を元に戻す為に行動していた彼は美織の困り事を解決する為にも行動を深めるのは彼の世界が広がった結果であるように思えたな
幼い頃からいつも一緒にカレーまん分け合ってきた美織と透子は一心同体に世界を共有していた。だから仲直りのタイミングで透子が去った事は美織にとって世界の喪失であり、彼女が全ての世界から透子を探し出したい理由となったのだろうな
なら、咲太がすべきは彼女に霧島透子の居ない世界を受け入れさせつつ、美織をあの世界の霧島透子にして麻衣を取り戻す事で
美織が歌い上げるシーンが良いのは勿論なのだけど、直前の麻衣の信頼がとても良いんだよね。麻衣の認識では自分こそが霧島透子であるのだから咲太の発言は可怪しい。それでも彼女は咲太や翔子を信じた。そこには桜島麻衣という人間の強さを見てしまったよ
逆にその後から描かれるのは咲太の弱さか
美織の問題は一段落ついたのに現実改変は終わらない。それどころか咲太自身が改変の中心と突き付けられる。『ランドセルガール』でも咲太が問題の中心となったけど、あの時は母親と向き合う事で彼は思春期症候群を乗り越えられた。しかし、今回は正真正銘咲太だけの問題だ
咲太って思えば思春期症候群に惑わされる半生を送ってきた人物で。劇中で彼が叫ぶように思春期症候群は彼の人生を滅茶苦茶にした。彼の半生を語る上で思春期症候群は外せない、無かった事になんて出来やしない
これは本作に対しても言えるね。本作の特徴を語る上で思春期症候群なる特殊現象は外せない。思春期症候群は在るのが当たり前。無かった事にするなんて容易じゃない
難題に向き合えない咲太はいつにない弱さを見せた
弱りきった咲太に見せた麻衣の強さが再び光る。美織のライブシーンでは咲太が見えるものに合わせ自身の認識を棚上げした彼女だけど、今度は自分と同じものを見て欲しいと咲太が認識を棚上げするのを待った。この柔軟性と最適な判断力はそこらの人間では真似できないもの
そこからの流れも良かったな。本シリーズは図書館にバニーガールなんて有り得ない光景から始まった。思春期症候群が在るなら理解できる光景、でも認識を変えれば図書館にバニーガールなんて居るわけ無いよなと思い直せる
また、咲太に最後の決断をさせるのがかえでの言葉であるのも良いね。彼女は咲太が絶対に守りたい大切な女の子。かえでが怖さを抱えつつ「帰りたい」というならお兄ちゃんは叶えてやりたくなるわけだ
咲太は不思議な現象を思春期症候群だとは信じなくなった。でも、そこに不思議な現象を見ていた事は覚えているし、何処か遠くに行ってしまった美織の事も覚えている。それは一つの成長で在り、彼が明確な意味で大人になった瞬間であるように思えたし、シリーズ総決算としてこのような展開を持ってくるラストには美しさばかり感じてしまう
咲太がそのような成長を見せたから、エピローグ部分で描かれるのは終わりではなく、新たに始まる日常。思春期症候群に悩んでいた少女達はおらず咲太も普通にSNSのトレンドを話すようになった
けど、思春期症候群の思い出は残っているから、不思議な体験に直面する思春期少女と向き合える。それこそが咲太の新たな人生の意味となるわけだ
いや、本当にもう美しいラストですよ…
欲を言えば、本シリーズには終わってほしくないという望みや、咲太達の新たな日常をもっと覗いていたいという願望はある
しかし、劇中で咲太が思春期症候群という掛け替えのない日々を思い出としたように、私達も本作を思い出とするのを許されたと見るべきなんだろうなとも思えてしまう
原作1巻が発表されたのが2014年、随分長いこと付き合ってきたものだと思いつつ、尊い思い出をくれた本シリーズに、そして多くの関係者に感謝を送りたくなる。ラスト、“保証”という始まりの言葉を交わし合う咲太と麻衣の姿を見ながら、そう思えてくるような素晴らしい作品でしたよ……
どうやらハリージュが惚れ薬を欲す背景には事情がありそうで。ビッラウラの為であるならば、あんまり時間を掛けるのも良くないんじゃないかと思えるが、ロゼが製薬をスムーズに進めない点をハリージュはどう受け止めているのだろうね?
ただ、そうした彼の事情をロゼは見通せない。何故なら彼女は湖の家から外へは滅多に行かないから。彼女に見える物は限られる。逆に外から湖の家へとやって来たハリージュはロゼには見えない物を見てくれる。それが彼の美点として活き、更にロゼが彼に魅せられる土台となっているようで
ロゼが平然と不満なく暮らす家にハリージュは不足を見る。安全性も欠けているし、栄養素なんて酷いものだし、客用に出せる茶葉もない
ロゼはそうした点を可怪しいとは思ってこなかったが、ハリージュの視点を通す事で宜しく無いのだと気付かされる。あと、ハリージュから女性扱いされてない点も若干見えてしまう…
他方でハリージュがあの家に見つけてくれる”好き”を彼女も同じように好きである点はロゼの中に芽吹く”好き”の気持ちを彼女自身が余計に気付いてしまう瞬間でもあるのかな
そしてハリージュの気付きが最も活きたのはレタス畑や紅茶の歌か
ロゼは祖母の言い付けだからと深い意味を考えず繰り返していた。でも、ハリージュはそこに祖母の優しさと思い遣りを見付けてくれる
ロゼは染み付いた歌を何の気なしに口ずさんでいた。でも、ハリージュはそこにロゼが覚えていないつもりだった母の痕跡を見付けてくれる
また、彼女の顔が見えるようになったからこそ、しかめっ面という魔女ではないロゼの姿を見てくれる。そうしてロゼが見付けてしまったのはハリージュと過ごす時間の幸せか…
視聴者はハリージュが己の為に惚れ薬を求めている訳ではないと知っているけど、早い内にこの誤解は解かないとロゼは苦しい想いに囚われてしまいそうだ
夢佳の件、大喜が「このままじゃ駄目だ」と思い始めたものだから、彼が積極的に介入して仲を取り持つかと思いきや、そこまではしないか
夢佳が懸念するのは千夏の練習量。同じ部活人である大喜はそこが大事であると判っているから、大会近くでピリピリしている千夏に余計な話は持ち込まない。けど、応援はしたいからお弁当に想いは詰め込むし、入り切らなかった分はプラスαで伝える
それは千夏が今頑張っている事を判っていると伝えると同時に、もっと頑張りたいと努力している千夏を応援するものであるね
けど、こうした頑張りの応援って同じくらい頑張っている者同志だから伝え合えるものでもあって
裕奈の苛つきは象徴的。彼女からすれば千夏は人一倍努力している人。そんな人から「こうすれば良かった」なんて言われたら心がキツい。受け止めきれない
残酷なのはここで千夏がキレ返さない点か…。夢佳を知る千夏は自身を特別と思わない。だから自分に説教する相手は特別なのだと苛つく裕奈にも自分を落とした上で寄り添おうとする
すると、頑張りたい千夏に寄り添ってくれる人は居ない。褒めてくれた夢佳は居ない…
だからこそ、千夏は猪股家で暮らす中で元気を貰えているのだろうな
辛い早朝、同じ時間に起きる大喜、活き活きとしたサボテン、ご飯を作ってくれる猪股母。そこには等量の頑張りがあるね。誰かだけが頑張っているのではなく、皆が同じように頑張っている
特に大喜の言葉は素晴らしいね。「真面目だな」という千夏の言葉は大喜の頑張り力への憧れが籠められている。しかし、大喜とてしんどい時はあるし、千夏のお陰で頑張れている
恐らく、千夏は大喜が語らなかった辛さは少し感じ取っているんだろうなと想像してしまう。だからこそ、語らず千夏の参考となるよう言ってくれた大喜に「真面目だな」なんて返したのだろうし
二人は互いの存在に支えられ頑張れていると判る
千夏と夢佳のピリピリした会話、ここでも千夏は相手に寄り添おうとするね。踏み込むなとアピールする相手に仕方ないと割り切り謝る。それはウザい程に正しい姿勢だから、夢佳は千夏の否定に走ってしまうのか…
夢佳が語るのは千夏の存在が負担だったという告白。千夏は夢佳と頑張りを支え合っていたつもりだったのにね…
夢佳にすれば千夏は努力の人、脇目も振らない筈だから男子といちゃつくなんて許せない。ここで千夏が大喜の存在と自身の頑張りは同じ、紐付いていると返したのは良かったな。今の千夏にとって大喜は無くてはならない人物
なら、千夏の預かり知らぬ場所でも絶えない努力を続ける大喜の走りが報われて欲しいと願ってしまうが……
何というか、正直にお色気要素を前面に押し出した水着回って逆に珍しい気がする…。それでいて生徒会活動としてはギリギリありな次元の活動しているのがギャップを感じられて面白い
それで居ながら水之江自身はそうしたお色気アピールに過剰反応しない、せいぜいが奥手思春期青年にありがちなリアクション程度で済ませるものだから、学園コメディっぽいお色気コメディというよく判らん状況になっている気がしないでもない
ただ、そうした視点で捉えると、水之江とたんの薔薇薔薇しいお見舞いは何なんだと突っ込みたくなるが
生徒会において水之江は新人。おまけに他メンバーの学力が理系中心に高い為、彼は他役員に学ぶ立場。いわば彼は後輩属性が自然と染み出している
だからか水之江の面倒を個人的に見たかった古都吹がいじけるし、だからか姉・松の心配模様は何か変な癖が混ざり込む
勉強で水之江はまだ自分を誇る事は出来ない。しかし、水之江に高校で友達が出来ていると知れる事で松は安心を感じられるわけだ。…ただ、弟の現状に対する安心と引き換えにヘンタイ行為で安心を得ようとするのはかなり問題がある気がするよ(笑)
今回、表面上は謎解きが描かれていないように見えるけど、それは猫猫自身が明確な謎に直面していないからだね。幼い妹が罹患した症状は一見しただけでは判らないが、真っ当に診療を行えば病巣も原因も解明できる。猫猫にとってこれは謎にならない
だから今回において謎に直面したのはあの姉妹だったと言えるのだろうね
羅門に代わっての診療体験。しかし猫猫は未熟な人間ではないから、突然の依頼にも迷う事は無い。むしろ菓子を配る女や蝗害対策の謎に思考リソースを費やせるほど
だから謎を解かねばならないのはあの姉の役割。彼女にとって母の死も妹の窮状も原因不明の謎。しかし、猫猫という助けを得て彼女は菓子が原因と知る。与えられた物を考え無しに妹へ分けた為に妹を命を落とし掛け、またその際に父親は全く役に立たなかったと知る
底無し沼のような生活から抜け出す謎への答えはどのようなものか?姉の出した答えが最良かは判らない。けど、彼女は自分の決断で答えを出した。ここで猫猫は彼女らに地獄を見せる為ではなく、まるで沼から助け起こすかのように姉妹を妓楼に預けたのは印象的
結局、謎に対して何も考えていなかった父は底無し沼に取り残され
底無し沼よりか泥沼なら多少マシな足場にはなる。自らそのように生きると選んだ姉妹は果たしてどうなるのだろうね?そして記憶という足場を持たない趙迂も己の人生という謎をどうするのかな?
この作品、カオスなだけじゃなくてしっかりシリアス要素もあるのね
レインを始めとしてそこかしこにカオス要素がちりばめられた第1話だったものだから、破滅的ギャグ作品かと思っていたけど、どうやら深みがあるようで
今回はリリィの苦悩や『王者の牙』関係の話が展開された事でそれぞれの想いや人間性を深掘りする内容に。こうなるとレインが居ない方が話が纏まった形で展開するんじゃないかと思えてしまうが、リリィとの会話やコーネリアスへの反抗を見れば判るように、本作はレインが居なければ成立しない
しかし彼が居るとシリアス展開もカオスになるという。まあ、彼の無茶苦茶な言動が最も面白いので暴れてくれて構わないのだが(笑)
才能を恣に発揮していたリリィは一度の敗北によって戦えなくなり、部屋からも出られなくなったようで
戦えない外出できない彼女がレインの旅に同行したとなれば、理由はポジティブなものである筈が無く。考えれば当たり前だけど、考えなければ判らない点を独り言の体でリリィに示したレインは偉いな。部屋に籠っていた彼女の考えなんて誰も判ってやれなかった。けど、レインは判ってやれたし、リリィは『青の水晶』は判ってやれていなかった
2人は考え方を一致させた事で改めて同じギルドメンバーと成れたわけだ
レインが本格的に『青の水晶』所属となれば、元所属の『王者の牙』は因縁あるギルド。おまけに人命や人の尊厳を軽々しく扱う様子はショッキング
コーネリアス達がこちらの心情を考えないのなら、こちらだって相手がどうなろうと知った事じゃない。だからレインが真っ先に考えるのは自分達の安全でありリリィを守る事であり
他方でコーネリアスを殺すような事はせず、脅しに留めたのはレインの性格が表れた結果なのかな?まあ、そこまで考えてなさそうな気もしてしまうのは彼のカオス具合が酷すぎるせいもあるのだけど(笑)
ティエンは細目だから怪しい…なんて勝手に思っていたのを反省させられる程、彼はロゼの保護者代わりをしているね
確かに今のロゼって人里離れた湖の中で他者を拒絶するような暮らしをしている。また服飾や食べ物に関心を持たない様子は自分が他人からどう見られているか、どう見られたいかを考えてもいないのだと察せられる
なら、新しいローブを欲したのはそれこそ誰かの視線を意識したからであり、彼女が少しだけ外に開いたからであり
そりゃ親代わりのティエンにとって嬉しい変化だよなぁ
けど、ロゼ自身は自分に訪れた変化を肯定的に捉えきれない。そもそもの理由が叶わない片想いに拠るものだし、ハリージュはロゼに会いに来ているわけじゃない。あくまでも仕事の関係
だからといって割り切れもしないからロゼの内心は慣れぬ他者との交流に適切な距離を保てないと。まあ、この点は依頼関係なのにロゼに突然触れたりするハリージュの距離感のおかしさも一役買っているんだけどさ
ロゼはハリージュとの適切な距離を見出せない。だから…あんな開けっ広げになってしまったわけだ(笑)
ロゼにとっての不幸ははしたない姿を見られた罪に留まらないね
ハリージュの名を知っていたのに隠していた罪、魔女の秘密を明かした罪。更には他に想い人が要るだろうハリージュに片想いする罪まで知られたら…
逆に幸福と言えるのはハリージュが真摯な騎士であった点か。彼はロゼの罪を不問にするどころか、魔女の命すら当然のように尊重した。彼の性格がよく表れている
それどころか彼女に美味しいパンを運んでくれるなんてね
ロゼとハリージュの間には埋め難い距離がある筈だった。けど、ロゼが彼の優しさに触れる度、二人の距離は近付いていくかのようですよ!
本作って部活を追うか恋を追うか両取りするか、なんてのをテーマ性に掲げている気がするんだけど、主要人物が部活人なものだから恋を望んだとしても部活を捨てるなんて選択肢を採る者は居ないんだよね
それだけに何らかの理由により部活を辞めた夢佳なる人物は本作において異質、部活人である大喜には理解し難い人物と言えるから彼女への印象も悪くなる
それだけに、現状では恋や他の諸々より部活への比重が強そうな千夏が夢佳への憧れを変わらず抱いているのは興味深い
どう見ても夢佳は変わってしまったのに、千夏は夢佳の何を変わらずに見詰めているのだろうか?
大喜達は恋心に揺れる事はあれど、現状は部活最優先。だからクリスマスも練習漬け。才能という言葉は使用されても基本的に練習こそが身を助くという考え方が通底している
これは夢佳と千夏の過去も同様だね。小学生時代から夢佳は才能ある少女と紹介されるが、千夏は彼女に練習時間の多さを見た。また夢佳も千夏が認められた理由に練習量を見た
互いに練習の大切さ、時間を懸ける必要性を共有する千夏と夢佳は同じ時間を過ごしていたと言える
夢佳に憧れた千夏は練習重視の日々を送っているけど、全ての時間を練習に費やしているわけじゃない。前回からのデート時間がそうだし、夜中の散歩時間も同じ。彼女は部活に青春を懸けつつ息抜きの時間も設けてる
なら、部活を辞めた夢佳が息抜き時間にバスケをしていたのはどういう理由だろうね?そこで彼女が語るのは部活に青春を懸けた事で失われる時間だけれど、そんな事は部活人なら誰でも判った上で遣っているわけで
”客観的”な”正論”を拒絶した彼女は部活に費やす時間の何に絶望して、代わりに何を得ようとしたのだろうね?
活動そのものは一般的な生徒会活動っぽいのに、隙あらばお色気ネタをぶち込んでくるたんって凄いな…
そんな彼が嫌われポジションとならないのは、そうした悪戯をしたら間を置かず有栖による制裁が起きるからか。逆に言えば、あれだけの折檻を受けながら悪戯を続ける彼のメンタルは強いなと思わせられるが
他方でめっちゃ怖い先輩というポジションを獲得しながら、時折自分も可愛いと思って欲しいと些細なアピールする有栖はそれはそれで可愛いのだけどやはり怖さが勝ってしまうね…(笑)
衝撃的事故シーンが挨拶代わりだったこまろは既に生徒会役員だったのか。てか水之江のクラスメイトだったのも衝撃的だが
彼女も生徒会活動には熱心なようで。しかし、インパクトが有り過ぎる体型や流血が熱心な印象を打ち消し、仕舞いには他者への無警戒感が役員というより、マスコット的なポジションだと認識させる
その為、同学年だから水之江とこまろが仲良くなるのではなく、こまろがマスコットだから仲良くなる不思議な関係が構築され、マスコットに成れない寿子の感情を揺さぶるというのはそれぞれの関係性が面白く構築されているように思えますよ
こうした展開は1クール目の構成を思い起こさせるね。一つ一つは小さな謎解きで1話完結だけれど、その裏では大きな陰謀や問題が芽吹き始めている
天女の話、表面上は御伽噺めいていて舞台も古着屋である為に胡散臭い。そんなもの全て嘘だと跳ね除けてしまいそう。でも、猫猫はそこに謎解きを、本当を見出すわけだ。彼女の推理と手際は鮮やかだね
他方で表面の謎が解けるからこそ、奥底の解けない謎に気付いてしまう。それが作品に深みを生み出しているわけだ
天女は解けない謎だが、解く気が無い謎は壬氏の気持ちか…
宮廷で蝗害に悩まされているだろう壬氏の援けとすべく図説を届ける推理力はあるし、彼の表情から眠りを無理にでも取らせる必要性も判る。けど、彼が独り寝を嫌がる気持ちも、眠りに何を欲しているかも推理を働かせない。または働かせた上で見当違いを意図的にしている
かといって完全に拒絶するでもなく、結局は彼の求めにある程度応じてしまうのは猫猫の人の好さ、若しくは壬氏への感情をちらつかせているかのようでしたよ…
なんか高い技術でしょーもない事してる!すっごい軽い理由で追放されてる!あと、タイトルとサブタイトルが有り得ないくらい長い!!
…と驚かされる要素ばかりの序盤だったが、きちんと見れば絵の動かし方が素晴らしいし、キャラは気の抜けた感じがありつつも魅力的というよく判らんバランスの上に成り立っている印象
導入部の要素を摘まんで表現してしまえば雑な追放からの俺TUEEEながら、レインには”強い”より”怖い”を感じてしまうのは面白いところ。無論、強さが怖いとの意味ではなく、人間性がぶっ壊れてて怖いという意味なのだけど
面白いか?と聞かれたら「よく判らない」と答えたくなるが、一方でなんか最後まで夢中になって見続けたくなる中毒的な面白さを感じられる初回でしたよ
てっきり、好きな人が惚れ薬を渡したい相手は自分でした!…みたいな勘違いラブコメかとタイトル時点で予想していたけど、普通に別人宛てなのか。それどころか現状のロゼはハリージュから惚れ薬作ってくれる魔女と認識されていると
これは恋のハードルが高すぎる。というより届く余地が無い。でも、少しでもハリージュが別人に向ける恋心に抗いたいから、足掻くように彼と出会う機会を増やしていると
自分の想いに正直なロゼと誠実に人と向き合うハリージュの物語に早くも心掴まれる1話でしたよ
湖の家で秘薬を作るロゼは外界から閉じ籠った存在。それは性格的な部分もあれば、そもそも外界が魔女を拒絶している面もある。その意味でも彼女は別の生き物
けど、ハリージュは「魔女も人」と定義するね。彼にとってロゼは同じ生き物。だからロゼが彼に恋する余地が生まれる
なのにハリージュは全く別の人向けに惚れ薬を欲していると。ハリージュがロゼを人扱いしてくれても、人なんて湖の外に大勢いるのだからハリージュがロゼに恋する余地は少ない
現状は湖でハリージュの訪れを待つしかできないロゼ。鐘の音に胸高ぶらせ、つい身嗜みを整えて。いじらしい彼女の姿に恋が叶う未来を願ってしまうのでした
大喜と千夏、二人のデート模様は瑞々しいね
言う程にはちゃんとしたデートではないし、名目は部活用品の買い物。それでも大喜にとっては貴重な時間。でも、世の時間は大喜と千夏の二人だけで流れているわけじゃない。余計なちょっかいが入りもするし、他の女子の香りが漂ったりもする
だからか、折角訪れたカフェでもデート時間を邪魔する存在が現れる。大喜の幸せ時間は簡単には訪れない。手にする為には時間と労力を掛ける事が必要
ただ、そうして恋愛にかまけているのは正しいのかと問い掛けてくるのは本作ならではの展開
大喜のデート時間を奪う松岡はまさに天敵。言葉を軽妙に繰り出す彼に大喜は言葉を差し込めない
なのにアップルパイが来ると夢中になって食べてしまうのは可愛いね。でも、大喜にパイを食べて欲しいと考えていた千夏にとっては嬉しい光景、報われる時間
だとしても松岡の指摘は鋭いもの。部活も恋愛も軽妙にこなせない大喜は時間をどう使うかは重大な問題。突かれてしまえば、千夏の部活時間を自分の恋愛時間で邪魔する判断なんて出来ない。送り出すしか無い
それでも大喜がスムーズに過ごせなかった僅かな時間が千夏が追いつく猶予となるなんてね。あれはぶわっと喜びが湧き出すような瞬間でしたよ
本来のデートは出来なかった。でも、そうして時間を別に使ったからこそ、別のデート時間も生まれ出て
また、こうした回り道のような時間の使い方が千夏に大喜を認識させるものとなっていたのも事実で。朝練以外では話せず時間を無為に過ごしていたかに思われた初期の大喜だけど、そうした真面目な時間が有ったから千夏は大喜を真っ直ぐな人と感じられた、好印象に繋がった
時間の使い方は様々にあり、予想もつかない未来に繋がる事もある
だとしたら、バスケをしていたのにあっさり辞めてしまい、急に現れて千夏を煽る夢佳とは部活動に向ける時間を諦めた人間だったり…するのだろうか?