サービス開始日: 2016-03-14 (3836日目)
ソルコクタニの一手はボラクチンの計略はほんの少しだけ外しつつ、モンゴルの発展という根底は維持したものに
これはいわば価値観のずらしか。ボラクチンはトルイから奪う事を狙っていたが、ソルコクタニがしたのは譲り。物の移動としては同じでも心情は全く異なる
悔いるボラクチンに対して、オゴタイが言ったのは一種のも価値観のずらし。ボラクチンを直接に止めるのではなく、彼女の貢献により自分の大望は近付いたのだからドレゲネは利用するなと釘を刺している
今回は、そしてそもそも本作は物事の価値観をどう提示するかという点にこだわっていたのだと改めて思えたよ
シタラとドレゲネの再会は少し会わない間に生じた価値観の擦れ違いを正し合うものに
ドレゲネはシタラを裏切ったと悔いるが、シタラは守ってくれたと感謝する。また、シタラの方も自身の裏切りを告白するね。そのように対話すれば、互いにすれ違いがあった、つまりは互いの約束を誠実に守ろうとしたという揺るがぬ価値観が見えてくる
あと、息子を前にしたドレゲネの姿は何とも意外性に満ちて…というか子供を溺愛するタイプだったんだ~ってギャップを感じてしまったよ(笑)
シタラとオゴタイの対話は価値観の対立を見るものに
どちらの知識・思想が正しいかというより、異なる知識・思想を前にした際の姿勢が興味深い
シタラは異なる正しさを提示され激高した。オゴタイは異なるを受け容れないシタラにドレゲネの視線を見た。両者の価値観は相容れないからオゴタイの勝負もシタラに何かするのを求めない。何故ならオゴタイが何もかもを出来る立場で在るのと比べて、シタラは何もできない一つ星だから
彼女の周囲を運命的な価値観を持つ天体は過ぎ去っていくだけ
それだけにドレゲネの選択には驚かされたな
彼女に提示された選択は悪いものではない。でもそれを彼女の価値観と相容れないと感じた。復讐を誓った彼女は誰かの言いなりになる事を良しとしない。それはシタラも同じ
同一の価値観を持つ二人は一つ星ではなく、嵐の種になり得る存在。今は天球を仰ぎ見る小さな価値だろうと、全てを支配する価値と異なる価値観で抗い続ければ天をも隠す災厄の魔女となるかもしれない
改めて、そう感じ取れただけに、続く物語を見て見たいと思ってしまうけど、流石にこのクオリティだとそう易々とは願いは叶わない…という事なんだろうね
果たしてアキオの母や西ノ村陣営はアキオを助けようとしたのか、殺そうとしたのか。また、本来であれば主を守るツガイにその役を任せている点含め相手の狙いがどちらとも取れるだけに、アキオが死んでも良かったと思わせる手段に残虐性を感じさせる
人というものは惨い状況は本来的には許容しないもの。ハヤトが死んだ現場は何も無かったように偽装されるし、ツガイ使いはどの陣営にも掃除屋が居る
ならユルが罹った熱症状も下界の惨さに心と体が悲鳴を上げた結果と受け取れるかもね
ユルと同じく下界の惨さにやられていたのはアザミ。ツガイの集会所となったハナ邸も彼女にとって刺激が強い…かと思いきや、人(ツガイ)の温もりが彼女の癒しとなったのかな
そして、今はそれで良いとしても今後も惨さから匿い温もりを与えるなら、居所が必要なわけで。ハナの家はどうしてこうも子供が集まるんだろうね(笑)
あと、元々は子供が暮らす事を想定してなかった為に、アザミとケンにとって温もりある恐怖を与える結果になってるのもちょっと笑ってしまった
なんか驚きの生態を見せたユル。彼の現状は下界の惨さにやられたようなものだけど、だからこそハナの家で在っても油断せず安全圏を求める…のかな?
それでも握り飯を頂き、デラの鎮痛剤を飲み下す辺り、両者の事は信頼しているのか。そう出来るのも厳しい態度のハナが基本的には庇護者であるから。ユルに死を望む者達に憤りを向ける姿は大人の鑑
さておき、遂に明らかになった敵方の姿に、子供を平然と利用する惨い者達の真実を見た気になったよ
そうか、佐々木道誉の娘・魅摩と繋がる事は危険では?と思ってしまっていたけど、逆に言えば尊氏暗殺への道も開けるのか
しかし、時行が京へ来たのは学びのため。欲張れば手痛いしっぺ返しを喰らうかも知れない。また、ここで魅摩とは友達でありそれ以外とはしないという点には時行の真面目な人徳が現れているね
そんな時行の姿が描かれただけに、有能故に親政に不満持たれる後醍醐帝、出世の為に大逆へ進む西園寺公宗の人柄が悪しざまに映り、そして敵かも知れない相手に教授する正成の大きな器が見て取れた印象
泰家と公宗が後醍醐暗殺を企てた際は「とんでもない展開に成ったな…」なんてドン引きしたものだが、頼重が既に予知していた展開だったか
ここでもやはり、時行達は殺しの為に京へ来たわけではないという点が際立つね。時行は欲張って殺しを目指して行動するのではなく、逃げの為にこそ全力を傾けるべきという方針が堅持させる。視聴者的にもこちらの展開の方が好ましいね
そうした展開の先で時行よりも逃げに秀でた者が登場するとは。しかも、それがあの楠木正成だなんて
時行の逃げのルーツは泰家だった。なら、正成は逃げの先駆者か
彼が時行に指南した点も興味深いが、彼の逃げの仕方が逃げの一手に費やしていない点か。彼は逃げの為なら子供ですら立体的に観察するタイプ。反面、真剣勝負にお握りを持ち込む柔軟性を持つ
魅摩との関係を利用しない時行の真面目さは美点だが、真面目な物の見方に囚われて選択肢を狭めてしまえば時には逃げの幅さえも狭めてしまうかも知れない。正成の教えはそういうものか
だとしたら、突如齎された尊氏暗殺絶好の機会、これを逃がすのか己が逃げるのか。時行はどのような逃げを選択するのかな?
セイランの喪失を全て納得し受け容れていなかろうと、日々は流れていく、毎日の生活は紡がれていく。そうして現れた新たな日常はこれまでと少し異なる顔を見せるね
シーナは戦場に出ないままに皆の役に立とうとし、戦力でも学力でも引け目があるハルが話に参加する
そうした流れの中で以前と日常に変化が無い筈のミミにも新たな表情が見えてくるのは面白い。生きる事での変化がない彼女は周囲の変化により成長していくのか
シーナは本格的にフランの手伝いをするように。ミミが戦場へ行っていた時はシーナが帰りを待つ側として感情を揺らしていたのに、シーナが役割を果たそうとする事でミミが感情を揺らす側へと転じるのか
考えてみれば、人とあまり関わらず戦ってきたミミは待たせられる経験に不慣れ。シーナの頑張りを自らと同じように頑張っていると応援できず、一緒に居られる時間が減ってしまうとゴネてしまうのか
他方でミミの他者評価はとても素直だから、彼女がシーナはもうたくさん頑張っているというのなら、それは真実なのだろうね
ハルはこれまでの戦場を目指すような話の中では登場できないタイプか
体調は芳しく無く成績も宜しく無い。ハルから見ればシーナもミミも羨む対象
そんな自己を否定しそうな境遇で彼女が纏うは異性装か…。けど、それはそれで自己否定に繋がりかねないだけに、無邪気に問うたミミがハルを肯定するように「似合っている」と言ってくれたのは良かったな
ミミは思った事を何でも素直に口にしてしまうから、時には宜しくない発言もしてしまうけど、彼女が相手の良い点を挙げて褒める時は嘘偽りなく褒めていると判るね
そうして他者の良さが判るミミをシーナは格好良いと思うが、シーナの場合は戦場へ行けるミミを見て頑張ろうと思った面があるから、ミミの良さを見ればもっと自分も…と考えてしまい、それが余計にミミに不満足を覚えさせると
でも、ミミが惚れ込んだシーナの在り方は帰って来た時に美味しいお握りを作ってくれて、ミミを受け入れてくれる人柄。ミミにすればシーナは既に充分頑張ってる。ミミだけが凄いなんて言われたら、ミミは不満に思ってしまうわけで
正直に想いを伝えてくれるミミの言葉やキスによって彼女の想いを正しく受け止められたのはやはりミミの素直さによるものか。また、出会ったばかりの頃とは少し印象が異なるキスは二人の関係が変わり始めている象徴に思えましたよ
ララはあと少しでルカとの間に”本当の愛”を見つけられる筈だった。しかし追い詰められ急いた心はルカに愛を向ける事が出来ず、むしろ苛立ちをぶつけてしまった
そうして感情がひっくり返った後に始まるのは見えていた物がひっくり返るようなお話か
ララを誘導していたグレイスは哀れな姿で死に絶え、”本当の愛”を掴む道筋は絶たれ、人魚が人間を蔑むのは美醜以外の理由があった。極めつけは光の正体か…
もはやララの物語はラブロマンスを期待できるとは思えぬ地に至り、大切な人の命と自らの一族の命を引き換えにする悲痛な物語となってしまったね…
元は人魚とはいえ、滋賀に住まうララの見た目は普通の人間。茉里がサポートすれば、彼女は何だかんだ滋賀で暮らせる。人魚・ララが持つ特異性や奇妙なオブジェが表沙汰になる事はなかった。ルカに正体を知られた時さえ問題とならなかった
けれど、誰にでも見える真っ白の花は事態の異様さを、真相を己は知らないとそぞれに突き付けるもの。ルカは改めてララの正体が気になるし、茉里の家族もララの実情について問い質さねばならなくなる
でも、ララと離れ離れになりグレイスも消えた茉里に言える事なんてない。判る事なんて、無い…。むしろ見て見ぬフリをしていた己の寂しさや弱さに気付いてしまうと
一変した状況に判らなくなっているのもララも同じ。判らないからリサやローワンの言葉が強く叩きつけられる
「本当に愛する者」を問われ、咄嗟に思い浮かべたのはルカではなく茉里か…。それが恋愛的な意味かはさておき、茉里はララが滋賀に迷い込んだ際、真っ先に受け容れてくれた人物。ララにとって掛け替えない相手、大切な人
同様に茉里もララを掛け替えない相手と思っているから、無理をしてでも島へ渡ろうとする。なのに、今度は茉里が…
もはや”本当の愛”を呑気に求められる局面でもなくなった中でララと茉里の親愛は琵琶湖にどのような奇跡を起こすのだろうね?先の展開が全く予想できませんよ
ナナホシ救済の手段を探すクエストは魔王との戦いを含む命懸けの冒険に。皆が無事に生還できたのは偏にペルギウスのお陰であり、それだけの危機を潜らせた自覚があるからこそ、ナナホシも余計に殊勝になってしまったのかな
同様にルディも皆が全滅しかねない経験は異世界の危険性を改めて感じるものに。だからナナホシには日本に帰還させようと思うし、ペルギウスからの褒美に新たな力を求める
何度も失ってきて、そして今は失いたくないものを多く抱えているからこそルディが至った境地か
失った先で失いたくないものという面ではルイジェルドの在り方も挙げられるか
ルイジェルドは多くの命を奪い失わせた為に誰からも嫌われ恐れられる立場となった。それでも彼が幼いルディやエリスの命を失うまいとして守った行為が回り回って、ペルギウスまで届いた
ルイジェルドの名誉はザノバが知り、想いはルディが知っている。そうして差し出された交渉がスペルト族の名誉回復に繋がるなら、ルイジェルドの失うまいとした抗いも無駄ではなかったと言えそうだ
対して、立場的に満たされ失う経験が限られるアリエルは王として何をすべきかをまだ理解しきれていないのかな?
また、失った先にある今のルディの生活が満たされた状態。失うまいとして抗った先に今がある。言い換えれば今に至るまでに無駄は無かったとも言えるかもしれない。それがルディに日記を付けさせたり、怪しいヒトガミの助言を鵜呑みにさせてしまう選択に繋げてしまうのかな…
突如現れたルディの未来らしき男性がしようとするのは、地下室へ行く事で失ってしまう何かを取り戻す為なのか……?だとしたら、このターニングポイントが示すものって……
美に愛されたわけじゃないボラクチンは宝石によって自らを飾り立てる妃達の中で外れ値と言える存在だったのかもしれない。だからか、宝石とは思えないみすぼらしい石やその性質に魅せられた
オゴタイも同類か。草原を自由に駆けるより草原に人が集まる市場を作る未来を好んだ。戦いすら望まない彼の在り方は外れ値のような存在を肯定するもの、彼の未来が叶えばボラクチンも肯定される。彼女はモンゴルを安定させるというより、オゴタイの治世を安定化させる事を最も望んだのか
それがシタラをして、魔女とまで呼ばれる在り方になろうとは
オゴタイ治世発展の闇を担うボラクチンはどこまでも恐ろしい。毒を操り、自らで実験し、鳥の死を吉兆と呼ぶ。もはや常道では計れない彼女はまさしく魔女と評するに相応しい存在だから、少し賢しいだけのシタラでは敵わなかったわけだ
計略に揺らぎはないから、ボラクチンの思惑に気付けてもすぐには反撃できない。何故なら彼女が新たに進めるドレゲネ解放はシタラにとって悪い話ではないから
それでもボラクチンの天秤から逃れようとするなら、逆に彼女の計略に関わり続ける必要があるわけか
久方振りのソルコクタニとの再会はシタラの変わる立場を強調したような
シタラって元はソルコクタニに仕え彼女の願いによりドルゲネに仕える事になったけど、今はボラクチンの指示を伝える立場。ただ、最も心を許しているのはドルゲネで
だからドルゲネ解放に繋がるソルコクタニ再婚は望んだ方針なのに、唯々諾々とするソルコクタニに怒るなんてね。シタラは何年も仕える内に彼女の傲慢な智者としての姿勢に心服する部分があったのだろうか?
さておき、考えるのを辞めるのを辞めたソルコクタニが発した一言はボラクチンの計略をどこまで外し、そしてシタラが望む道へと通じるのだろうね?
影森家やゴンゾウについては登場する度に信頼値を上げてくるなぁ…。視聴者的には初回でユルが棲む村を襲った一派なのに、影森家以外の集団の闇が深く、ゴンゾウの懐が広い為に影森の印象が良くなるという。勿論、影森の全てが肯定されるというわけではないんだけどね
兎も角、アスマの母親・イオリを通して強調されるのは行き場のない者にとって影森がどれだけ安住の拠点となっているか。似た要素はアサが話すし、東村での居場所を失いそうなアザミにとっても同様となってくるのだろうね
影森の全てが善い訳ではないが、清い場所に生きられない者にとって影森は安息地
そうした者にとって影森が居場所となると判れば、逆に判らないのはアキオが裏切った理由
ナツキには影森での仕事にうんざりしている様子は感じられるけど、仲間や義兄弟を売る程の憎しみはない。何だかんだ言いつつ、彼女は影森を居場所として認めている
けど、アキオはそうでは無かったようで。清い場所で生きられない者達の中で同じ痛みを共有できなかった彼は影森ですら満足な居場所とならなかったのか。なら、彼に新たな居場所を与えたのは何者でどのようなバックボーンがあるのかと疑問に思うが…
今は豹変した谷風の襲撃がホラー風味で底知れなく恐ろしいですよ…
人と物が溢れる京の都、日本で最も栄え人が集まる場所が鎌倉から京へと移り行く様を感じさせるかのよう。言ってしまえば鎌倉は旧都、京は新都か。そのように捉えると鎌倉で生まれ取り戻そうとする時行一派は少し旧い存在となり、鎌倉を倒し京で世を作り直そうとする尊氏は新しき存在と言えるのかも
バサラな格好で玄蕃を嵌め、賭け事によって男性を地獄に落とす魅摩は新しい時代の先駆者か。また雫をも超える神力を有するのも上位互換性を感じさせる
だからこそ、新しい存在こそがいつだって勝つわけではない流れが良いね
時行達は学ぶ為に京へとやって来た。学びの中には尊氏を探る意味も含まれると成れば、佐々木道誉の娘・魅摩との邂逅及び激突は学びの手始めと言える
玄蕃はこてんぱんにされ、時行も賭け事では頼りない。そうして矢面に立った雫は神力で勝負。けど、魅摩は能力だけ見れば雫の上位互換、おいそれとは勝たせてくれない
雫が用いたのは旧くから人が持つ力か。いや、そういう解釈で良いんだよな…?主君の時行に仕える忠義、愛する時行に向ける睦み合い。そうした新しい都にない搦め手は魅摩を見出し、本来の力を出させなくさせたね
……ただ、雫が時行に向けてる感情って結局何なの…?好きなの?そうじゃないの?
他方で新しさの魅力も描かれるね。魅摩は負けても勝者を気に入り饗してしまう。ただ、勝ったのって雫であって時行では無いような…?さておき、魅摩に案内されて知るのは旧きを内包しつつ新しく変わる京の在り方
けど、人はそう簡単に新しきへ付いて行けない。恩賞を求め酒に浸る新田の兵は象徴的、旧きから新しきへ移り変われない
だからこそ映えるのは時代の混迷期故に求められる単純な力や真面目さか。それが魅摩を魅了するなんて良い展開
気になるのは魅摩の父は完全に尊氏派であり、彼が仕える尊氏は旧きから新しきへの移り変わりに失敗した清原を取り込んで何かを狙っている点か。てか、雫と尊氏で膝枕表現に天と地の差が有るんですけど…
ダイビングも絡まぬ非モテ男子たちの醜い日常エピソードなのに、なぜこうも面白いのか
てか、涼を求めたからってどうして酒に局部を突っ込んでしまったのか……と驚愕させられるが、そうした常識ではありえない馬鹿をしてくれるからこそ、視聴者的にはゲラゲラ笑えるんだよね
前回はセイランの喪失に対してアリの反応がメインだったけど、今回はシーナやミミの反応がメインに
アリ程はセイランとの仲は深くない。でも親しい相手だから何も思わないわけじゃない。何度も話した相手の死に慣れぬミミの反応は苛烈
ミミは蘇生魔法が宜しくない点は聞き入れてくれた。しかし、セイランの死をそのまま受け止めなければならない点は難しい。その反応はミミが持つ庇護されるべき幼さを感じさせ、同時に彼女の傍に居るシーナが死にゆく者達の傍で生かされ続けるミミの不遇に想いを馳せ、自らの可能性を探り出すのは印象的な展開。アリがセイランを唯一と考えるように、シーナもミミを特別と考えるようになったと感じ取れるね
シーナが担当教師のオミではなく保険医フランを訪ねたのは戦闘面以外の出来る事を探る為か
何度か描かれているように彼女に戦闘の才はない。でも、それじゃ戦場へ送り出されるミミを支えられない。でも何もしないままでは居たくないと考えた彼女が行き着くのが治癒魔法ですか。蘇生されるミミに役立つとは思えない。しかし、戦場へ通う者達の手助けとなるかもしれない。シーナが此処に居る意味が見つかった状況
けど、どのような形であれ、シーナが戦争に近付く事にミミはどう反応するのだろうね?今のミミは戦場へ行く意味をシーナを守る為と規定し始めているような気がするけど
さておき、過去も未来も不安定で厳しさばかりな世界で穏やかに眠る二人の姿に一時の穏やかさを感じてしまったのでした
ララがしている事って順序が逆なんだよね。誰かを好きになってそれが本当の愛だと知るんじゃなくて、本当の愛を求めて誰かを好きになろうとしている。しかも最初は好きになった先に”本当の愛”がある確信も無かった。だから、ルカに愛を感じたから好きになったのではなく、”本当の愛”の候補としてルカが最有力だったから彼に近付こうとしている
その関係は歪んでいる。今回はそうした歪さが前面に出てしまった印象。付き合うのも告白するのも全てはララの中から湧き出した衝動ではなく、”本当の愛”を目指す方法として教えられた遣り方。ララはルカに対してまだ愛情を抱けていないのかもしれない
温かな遣り取りを重ねつつも何処か間違った進み方をしているララとルカに危うさを覚えてしまいつつ、傍に居る茉里の様子も気になるね
彼女はいわば友人枠のような存在で、ララの地上での活動を支えつつ彼女と無二の友情を築いてきた。その意味では”本当の愛”の対象になるとはすぐには思えないが、ララとルカが仲を深める段に至りて別の気持ちや揺らぎを見せ始めたね
ルカやララが付き合おうとするなら応援する言葉を放つ。他方で、その際には相手の目を見て言う事は出来ない。顔を逸らしてしまう。彼女はララが誰かと付き合う道を選ぶ際に負けを選んでしまう
ララは家族を救う為に、そして泡になる恐怖から逃げるように”本当の愛”を掴もうとする。でも、それって独り善がりなんだよね。ルカは付き合えてもララを大切にしたいと思う、でもララはルカをどうしたいとかは無い。ただ心に宿る光の反応を気にしてしまう
告白前にララがモノローグで述べていた地上で得たものは本当だと思う。けど、ルカに向けた気持ちや言葉にどこまで”本当”が籠められていたかというと…
分かたれた道、変質したララ、衰弱するグレイス…。遂に激しく動き出したそれぞれは物語をどのように”本当の愛”へ導くのだろうね?
アトーフェラトーフェの話の通じなさが凄い…。これまでも魔族や超越者には独自の世界観や容易に意思疎通できない者は居たけど、アトーフェはもはや会話不可能だし、会話に失敗すれば永遠の隷属か死かという二択が極端すぎる…。てか、相対的にキリシカが頼りになるとか頭がおかしくなりそうだ…
真っ当な会話が望めないなら型破りで対応するしかない。騒動を巻き起こす方が多かったザノバがこれほどまでに頼りになる局面が来ようとは!
しかし、所詮ルディ達は人間でしかない。彼らが発揮できる型破りには限界がある。クリフだけ逃がしてその間に時間稼ぎなんて真っ当な遣り方は通じない
それでも通じさせようとすれば限界を超えた動きが求められる。ルディの感電覚悟の魔法なんて代表例か。いや、それでもザノバの貢献は凄かったな
ルディ達定命の人間が魔王に抗うのは難しい。だからこそ真っ当ではない型破りな超越者こそ望まれる。ペルギウスの登場には興奮させられましたよ!
ナナホシの治療法なんて果たして見つかるのかと訝し気に感じていたものだけど、案外あっさり解決策は手に入ったようで。流石にここから酷い展開になるなんて型破りはない…と思ったらまたしてもターニングポイントか!何が起こってしまうんだ……!?
まさかこうもあっさりトルイの命が砕け落ちるとは…
彼自身は前回の様子やオゴタイの夢に現れるように、何の後悔も抱いてなさそうなのが心の大きさを感じさせる。但し、大きな勢力を有していたトルイが没したなら、モンゴル帝国内の均衡にも影響があるわけで
トルイの落命は確かに英雄的行為で伝説にもなりそうだ。他方でそのように扱う事で反乱分子が生じないようにシナリオを組んだのではないかとも思わせる。そうした中核にはボラクチンの影が見え、彼女の計略が成ったなら力持たぬ者に抵抗は難しいと言える。今回は特にボラクチンとシタラの実力差を感じられる内容でしたよ…
シタラはファーティマ達の復讐、『原論』の奪還を生きる意味と捉えてきた。なら、前回時点で既にボラクチンに呑まれていたシタラが彼女から『原論』を与えられたなら余計に反抗する余地は無い。おまけにトルイ家の凋落にシタラの主張が採用されているなら尚の事
特にあのシーン、かつてシタラがボラクチンに感じた「自分の才能にしがみつく」をそっくり遣り返されているのは強者感がバリバリに感じてしまうね
だからこそ、ボラクチンに仕向けられた思い上がりに気付けたのが、あの水桶だというのは素晴らしい展開ですよ!
シタラは知ったつもりでいるかも知れないが、「何が起きた!?」なんて驚くようじゃ知らないも同じで。知らない事態に呑まれ続ければ何も出来ぬまま流される。知恵を深める道にこそ真実が在る、ドレゲネの隠れたメッセージに気付ける
そうして始めたのはドレゲネを取り返す逆襲の一手なんだろうけど……
あのグユクって役に立つの…?めっちゃビビリでドレゲネ解放の助力とはなりそうに無い気が……
既にトルイは死に、ソルコクタニは無力化、オゴタイの隣を確保し、反抗する者は手中に収めたボラクチンという巨大な存在を前にシタラは無力なまま知恵を手に何処までやり返せるのだろうね?
偽者と本物のアサが対面する場は真偽を明らかにすると言うより、これまで何も考えず在るが儘を受け止めていた在り方を再考する機会かのよう
冒頭のケンとハナのように、当たり前の姿としてケンが学校へ行く事は求められる。けど、無思考で学校に行かせるのが何事においても正しいわけじゃない
同様にユルは近くに居た偽アサの在り方を当たり前と捉えていたけど、あれが偽者であったと、東村には裏が在ったのだと知る事で当たり前と見過ごしていた諸々にはおかしな点があったのだと捉え直す機会となったようで
当たり前を再考するには別視点での捉え直しが必須。ザシキワラシの話は東村の知らない面を知るものに
面白いのは別視点で捉え直せば、今まで当たり前と思っていたものに別の姿が見えてくるし、別視点と既存視点を組み合わせる事で更に疑問が浮かび上がってくる点か。東村にはまだまだ深い闇や謎が多そうですよ
ある程度、再考した後は方針を定め直す必要がある。ユルにとっての方針とは家族の事で、それはつまり眼の前に居るアサについて
ユルが語りたいのは捉え直す前からアサに感じていた事、捉え直したからアサに感じられる事。アサの”やりたい事”に対して彼が真摯に向き合おうとしたのは彼女を真の意味で家族と捉えられた為か
新たに手に入った両親の情報も、アサが自分に隠し事無く明かしてくれたように全てを話す
それはキツい事態を連想させるものだけど、これまで当たり前と思っていたものに別の捉え方が在ったように、未だ見ぬ両親の現状にも別の捉え方が在るのかも知れない
間違いないのは夜と朝を分かつ双子は離れること無く互いを支え合っていくのだろうという点かな
時行って兄や父に似ておらず、逃げ上手はどのように育まれたのかと疑問だったのだけど、この叔父の影響かぁ。いや、傾向は違うんだけど、生きる為にどこまで振り切れるかという点がこの時代の武士と全く異なっており、そうした行為にある程度の充足感を覚えてそうな辺りは時行に影響を与えてそうな印象を覚えたよ。まあ、あんな叔父を唯一尊敬してそうなのが時行という時点でお察し下さいな人間関係だけどさ
さておき泰家生存により鎌倉奪還の機運は高まった。それだけに機を逃しかねない頼重の予知や天狗の出現は気になる所
諏訪に居れば危ないから、逃若党に居れば危険が高まるから。そうした発想は一種の逃げ。但し、逃げをマイナスの動きとせず、逃げ上手ならではの遣り方で転機とするのはこの作品らしいね
玄蕃は自分では勝てない敵に対峙した為にそれを理由に逃若党から逃げたって良いだろうに、むしろこの機会に技強化に向かうとは。これまでの自分から逃げつつ、新たな自分へと進んでいくかのよう
逃げ時を失したのに、気付かず吹雪の鍛錬や泰家の生き汚さに触発される玄蕃の姿は今後へのプラスとなっていくと予感させるね
諏訪に居れば危険だからと敵の本拠地のような京に遣るなんて凄い話
でも、それは逃げをマイナスに終わらせない賢い方法。時行は今は逃げていても良いが、鎌倉奪還の将となる為には天下を知る傑物へと成長しなければならない。その意味で京を知るはプラス、むしろ逃げ要素なんておまけかのよう
この旅に同行するのが泰家なのは逆に良いのかも。彼の生き汚さは一見すると酷いものだけど、生きる為に手は選ばず後悔も恥も見られない。だから、あのような醜態の直後だろうと”天下の北条”を名乗れる
普通であれば泰家って良い教師とは成らないけど、時行にとってのみ天下を生きるとはどのようなものかを知る上で彼ほどの適任者は他に居ない…のかもしれないね
セイランは死んでしまった。なのに死体は残らない。続く今回は消えてしまったセイランの痕跡を探しつつ、そこから彼女の愛やアリの悲しみを探る話なったような
セイランが死んでしまったとしても世界は変わらず続いていく。私物整理なんてセイランを過去に置き去りする行為。拒むようにアリが始めるのはセイランとの回想か…
喪われたのに今も此処に居ると思わせる回想は微笑ましさと哀しさが同時に襲い来るもの。けど、現実にはセイランは既に逝ってしまったわけで。思い出の暗闇に座り込むアリの姿は胸に来る…
アリは誰よりもセイランの近くに居た。彼女が戦場へ行った理由なんて誰より知っている。だから「どうして」なんてアリは言わない
シーナはアリを尊重するから何も聞かない。代わりに聞くのは普通とは異なる意味で死に不慣れなミミか。物事を複雑に受け取らない彼女は見た儘を疑問に思う。そして喪失の痛みを知るシーナはアリが言う「大丈夫」が「大丈夫」ではないと察せられる。でも二人ともそれ以上は何も言えない
結局、アリが泣かないのはセイランから受け取っていた覚悟があるからで。もうセイランは居ないからその覚悟を打ち消してくれないからで
だからミミが戦場から帰りたいのに帰れなかったセイランの約束の品をアリの下へと帰してやれたのは本当に良かったと言える事なのだろうね
ミミは見た儘を思うから、セイランにとってそれがとても大事な品だった事も、受け取ったアリがちゃんと悲しんでいる事も、二人の仲の良さも判ったのかな…
セイランは帰れなかった。それでも帰って来た想いに涙するアリにこちらまで涙腺が……
と、死をどうにか受け止められた後で口にされるは…。蘇生なんて死の冒涜だけれど、ミミはそれによって生かされている。アリの答え方によっては、そしてセイランの死はミミを大きく揺らがせる事になりそうだ
”王子様”を思わせるルカとの関係は良好。そうなれば自然と”本当の愛”に近付いているのではないかと思わせる。けど、そんな段になってララに異変が…
以前であれば、”本当の愛”なんて正体の見えぬ何かだったから闇雲に動けば良かった。でも、ルカという明確な対象が見つかれば、自然と”本当の愛”が果たして見つかるのかという現実的な不安が圧し掛かる。おまけに自身の身体への不安も湧きあがれば…
そうした恐怖が茉里の戦いと被せるようにして描かれていたね
茉里は大会前夜だろうと緊張は見せないし、気負った様子もない。けど、ララが横断幕を作っていれば、言葉少なながらに喜ぶ
そんな彼女でもララ消失の事態には恐怖を覚える。幼い頃は目を逸らしたら負けなんて勝負していた彼女が、「ララを返してほしい」と告げるリサから目を逸らした。また、ララに真実を聞く場面では彼女の方を向けなかった
それでもララが恐怖から逃げていると知れば、まっすぐララを見て問い詰める。そうすれば目を逸らすのはララになり、ララの負けが明らかになる
負けたララは地上には居られない。また、返したくないララを手放した茉里も負けたようなもの。二人とも、まっすぐ前を見られなくなる
その心境が変わるとしたら、恐怖と戦う気持ちが湧き立った時で。ララは確かに王子との愛には失敗したかもしれない。でも今は地上で佳い生活を送れている、茉里との生活に光も見た
そしてまっすぐ輝いたララの目を受けて茉里が勝利を掴む姿は気持ちいいね。ララには茉里が必要だし、茉里にはララが必要
これからも戦うと決めた二人の笑顔はとても輝いていて、二人が手を取り合っているならばいずれ”本当の愛”に届くのではないかと思えたよ
コミュニケーションにおいて相手の立場に立って考えるなんて当たり前すぎる話だけれど、ナナホシの慟哭を見る限りルディは彼女の立場で物を考えられてはいなかったという事だろうなぁ……
ルディとナナホシは日本からやってきた出自を同じくする者だけれど、ルディは転生でナナホシは転移。ルディがあの世界に馴染んだのに対し、ナナホシは異端のまま。ルディは一度死んで生を手にしたのに対し、ナナホシは生きたまま死へと向かっている
ナナホシがルディに怒りにも似た慟哭をぶつけたように、両者は日本での経験も異世界での経験も違い過ぎる。だからこそ、異なる経験を経た今になってルディが理解できるようになる流れは一種の成長と言えるか
ルディは新たな人生で大切な家族を得た。喪いたくない気持ちは充分に判る。その為に良い思い出ばかりではない魔大陸へ行くし、ちゃんと仲間達に協力を仰ぐ点に彼の様々な成長が見て取れるね
今のルディはナナホシの気持ちも、仲間達の気持ちも判る。ただ、判る分だけシルフィに家族を任せる判断に至ってしまったのだろうけど…
相手の気持ちが判るようになる流れは仲間達にも見られるね。ペルギウスの対応に怒りを見せたクリフも、故郷を理由にザノバもナナホシの気持ちの一端が理解できるようになった。そうした様子は感慨深い
他方で、キリシカの気持ちとかはどんなに立場が変わっても判りそうにないなぁ、なんて思わせる再登場方法でしたね(笑)
トルイは最初の印象こそ最悪だったものの、登場する度に株を上げるね。敵軍に囲まれ援軍が間に合うか不安がる部下達の前でジャダミシを行い、天を味方につけるパフォーマンスを行った。だからこそ、兵達は金国を壊滅させられた
それはまさしく天下人の振る舞いだよね。将軍がチンギス・カァンと重ねるのも無理ないというもの。けど、トルイは皇帝ではないし、そうした発言が遮られるのも状況の不安定さを表している。なのに兄弟関係は良好
モンゴルは全てが盤石というわけではない。そうした背景を意識せざるを得ない今回は水面下の陰謀を感じさせる内容に
水面下の異変はまずシタラとドレゲネの関係から
復讐とジャダ石の絆により他に明かせぬ想いも明かし合える筈の2人はどこか奇妙な雰囲気。けど、そんなものは手始めで本当の異変はオゴタイの病変からのドレゲネ拘束か
シタラとすればドレゲネを無実と訴えたいが、その暇なくボラクチンの依頼を受ける羽目に。元よりドレゲネの復讐心を知っている上に、巧みなボラクチンの言葉を聞けばシタラも「彼女がオゴタイを殺そうとする筈がない」なんて言えない。ボラクチンの論理に取り込まれるしかない
差し出したジャダ石は友情の終わりを示すものか
ボラクチンに取り込まれていないソルコクタニは状況の怪しさを指摘できるが、自分が送り込んだシタラが保障したなら、それ以上は言えない
身代わりとして水を飲み干すシーンは興味深いね。身代わりと言われれば誰もが臆する。ボラクチンの「老いた身だから」は理由として合理的
ただ、「血縁が良い」と言われれば引き下がるのも合理的。そうして勇敢にも前に出たトルイだったけど…
果たして水面下で笑みを浮かべたのは誰か?堕ちた雫は誰の天命を模したものか?この状況はボラクチンが整えたものか?
歴史に詳しくないからこそ読めない先の展開にワクワクが止まりませんよ!
前回、状況的に相手を追い詰めていたのはユル達の方だった。けど、イワンが秘した力を解放した事で状況は逆転。一気にイワン有利に
今回はそうした有利不利・上位下位が入れ替わったり定められたりする話となったような
てか、イワンは恐ろしいね。地の利を取っていたユルに対してライフル弾を弾き返すだなんて。本当の強者にとって下方に居るとか追い詰められているとかは関係ない。タイミングや状況を整えてからでないと攻撃できない者は強者にとって狩りの獲物に過ぎないのかもしれない
アスマは状況が揃った事でようやくハヤトへ攻勢、一時はアスマが優位に
なのに本物の強者・イワンが現れた事で脆くも状況は崩れ、更に彼にも逃げられるのは実力差を見せつけられた形か
これは倉庫前の警備員に関しても言えるのかな。ゴンゾウのシャドーボクシング程度なら「変なものを見た」程度に留められていた彼も本物の死体や消える人間、ガチの狂人に遭遇した事で完全に心が折れた
遂には証言も信頼されない状況まで追い詰められた様子は彼が下位の人間として扱われる未来が見えるかのようでしたよ…
対してイワンはボロボロの身体だろうと、左右様からもアスマからも逃げおおせた
更にはイワンを面白おかしくおちょくるアンナにも刃を突き付け、どちらが上位か示そうとする。一方で突き付けられたアンナとて欠片も動揺しない辺り、彼女も別の上位的存在と判る
さておき、ユル達が向き合うべきは過去の清算か。陰陽の中に閉じ込めた事で偽アサに対してユルとアサの方が上位に見えるけど、彼らの関係はどちらが上位下位と定めるものではない筈。遺恨が有り過ぎる彼らの話し合いはどのような帰結を得るのだろうね?