サービス開始日: 2016-03-14 (3347日目)
幽霊を目撃した里樹妃の恐怖を解決する為に奔走する事になった今回の事件。一方で彼女を悩ませるのはそれだけではないね
己を尊重しない侍女達とて里樹妃を悩ませているだろうけど、彼女はそれを解決すべき問題として挙げない。それをプライドと単純に受け取る事は出来ず、むしろ助けを求められない孤独を抱えていると捉えるべきなのだろうな…
そう考えると、幽霊騒動を通して、それらを改善する道筋が付けられたなら良かったと言えるのかもね
事件を解決する猫猫も助けを求められない問題を抱えているが、彼女の場合は真摯に真実を明かそうとした壬氏を無茶な程に拒否った結果なので同情の余地は薄い
けれど、味方が少なく精神的にも未成熟な里樹妃は別。上級妃という立場を抜きにしても彼女は助けたくなる。反面、上級妃という立場が彼女に助けを求める声を上げさせ難くしているね
幽霊については助けてと言える。けど、意地悪な侍女に関しては言えない。壬氏が当初は踏み込めなかったように本来は里樹妃が解決すべき問題だから
でも、姿が明るみに出ればそれらは他者でも問題として提起できる。猫猫が幽霊解明の中で屋敷の腐敗を見つけたように、壬氏が簪から侍女の分不相応を責め立てたように
他にも過程で浮き出たのは里樹妃が抱える本当の孤独。幼くして家や母から引き離された彼女は形見の銅鏡を抱え込む程の寂しさを抱えている。でも、それについて誰にも助けを求められなかったし、さすがの猫猫もこの問題は解消できない。
けれど、泣き沈む彼女に寄り添う河南の献身からいずれこの問題は解決できるのではないかと思えたね
そして新たに始まる助けを求められない者に起きた問題。親友の難事を猫猫はどう関わってやれるのかな?
今回は野球観戦以外の目的で球場に集まる人達の姿が描かれていたような
それは試合をしている選手達に対して不真面目な姿勢と言えてしまうかもしれないが、裏を返せば球場はそういった人々をも内包する心の広い空間であるとも表現できるかもしれなくて
だからこそ、野球観戦を純粋な目的としない者達にもそれぞれの楽しさを提供してくれるのかもしれないね
コジロー目的では有るけれど純粋に野球を見に来た訳では無いユキも、野球を見るよりナンパが目的のおじさん連中も本来は球場に来るべき人物ではない
けれど、それぞれの目的が他の観客や売り子等と交わると途端に球場の空気に染まってしまう。ユキは嫌っていた筈の野球観戦者や球場の雰囲気を良いものと捉えられるようになるし、ルリコをナンパしたおじさん達もルリコがバズるのに貢献してくれた
結果的にそれぞれが楽しめる空間に成っている
前回の滝本が一応は野球選手のサイン目的が有ったのに対して、弁当屋の山田は選手目当てですら無いね
売り子に憧れたのに理想とは異なる働き方。なら、彼女は球場を楽しめていないのかと言うと、そのような尺度では計れずむしろ球場に来る人に笑顔を齎す側となっているね。そして、自分が振る舞った弁当で球場に来た思い出を良いものと出来たお客の顔を見て彼女自身が充実感という球場の楽しみを抱いているのだとも判るよ
……ただ、幾ら血迷っていたからって村田にときめいてしまうのはどうかと思いますよ?
先行上映鑑賞済み
鑑賞当時は『Beginning』を経た上でジオンが勝利した世界での物語を観ていた為に多少の納得感を得られたのだけど、アマテ達の物語からスタートした事で「赤いガンダム」に対する異物感を強く感じられるように成っていたような気がするよ
また、本来のガンダムとは異なるカラーリングのガンダムが登場し、それに主人公が搭乗するわけではない事から、余計に”本物”や”偽物”の定義について考えさせられる構図に成っていたよな
そもそも冒頭からシャリア・ブル達は本物や偽物に翻弄されている
追っている赤いガンダムが求める本物かは判っていないし、それを追うエグザベはコアックスに相応しい本物のニュータイプか判らない
そのような状態のまま出撃するから、赤いガンダムと対峙して相手を本物と認識したが為に、エグザベは同等の力を出せない己を余計に偽物のように扱う羽目になる
その意味では赤いガンダムに対して、エグザベもコアックスも偽物という話になる
アマテは己を取り巻く偽物の重力に鬱憤を溜めている。偽物の空に反逆する為に逆立ちするなんてかなりイカれてる
だからか彼女は偽物の世界を壊してくれるかもしれない非合法品やクランバトルに興味を持つ。でも、彼女が望むのは本物の自由、自分を拘束する偽物の破壊
だからってコアックスに飛び乗って勝手に動かして己の意志で戦いを選ぶなんて相当ぶっ飛んでいるけどね。けれど、それによって彼女は本物のガンダムパイロットになった訳だ
連邦とジオンに拠る戦争は終わったのに自由を勝ち取れなかった本物とは異なる歴史を歩んだ世界でガンダムに乗る事を選んだ少女は何を掴み取るのか興味深く見守りたくなる初回でしたよ
第一話が人や鬼の浅ましさによって取り返しようのない後悔を抱く話だったなら、続く第二話は後悔を抱かぬようにと己に出来る事柄に懸命になろうとする話だったのかな…
第一話はあまりに展開が悲惨すぎて苦手意識を抱いたのだけど、このような話は好みかも
甚夜は再び鬼と出会う時の為に憎しみをその身に抱き続けるしかないと思いきや、彼が鬼を追う中で過ごす時が鬼や人との向き合い方に苦しむ者達の救いになっていくのではないかと思えたよ
奈津は恵まれた立場に居るとのだけど、それだけにやっかみも陰口も向けられる。より強固な保護を求める彼女の心が鬼を生み出したわけだ
奈津の悩みは家族の悩みだから、傍に侍る善二であっても立ち入れない。本来それは旅人である甚夜とて同じ筈だったのだけど…
彼が信じたのは実父・重蔵の善性。かつては妹を守る為に捨てた父だけれど、成長した今は父の事情を慮る事が出来るし、父が心から奈津を想っているのだとも信じられる
時を経た事で甚夜は人との向き合い方が変わったのだと判る
だから甚夜が奈津に投げかけるのも己や重蔵との向き合い方の変化だね。鬼を倒すのに必要だったのは刃ではなく、奈津の心だったわけだ
異変を経た奈津が積極的に重蔵を手伝おうとするのも、重蔵が口には出さなかっただけで甚夜に気付いていたというのも良かったな
すぐに人は変われないかもしれない。けれど、後悔を経験したから、または後悔してしまうかもしれないなら。そうして少しずつ時を掛けて人は変わっていくのかもしれない
そう感じられた第二話でしたよ
後宮や妓楼が舞台となりつつもお色気的表現については控えめにしてきた本作、まさかのお風呂回が来るとは
しかも推理要素はほぼ無いままに、ひたすら下女3人や赤羽の和気藹々をメインに据えるなんて贅沢なものですよ
ただし、その内容は猫猫達が楽しむ事を目的としたものではなく、そこに集う妃達を楽しませる事を目的としている。そして他者を楽しませた先に何を求めるのかという話でも有ったのかな
本来の猫猫は翡翠宮に勤める身だから、小蘭の為とはいえ他でバイトをするなんておかしな話。でも、子翠や小蘭がツテ目的だったりするように、相手を楽しませ口を軽くする事こそ彼女らの真の目的となる。玉葉妃がそうした環境だからこそ出来る情報収集を猫猫に命じたのも似たような理由
リラックス出来る湯殿や按摩ならではの暴き立て。事件は起きて無くても、事件が起きた際に有用となる情報はこうして集められる訳だ
赤羽の参加も別の目的を持ったものか
白羽三姉妹にすれば翡翠宮にて得体の知れない猫猫は壁を感じる相手。だから親しくなるイベントが必要で、それが湯殿への同行となるのか
妃達にすれば按摩師の下女が誰かなんてあまり気にしない。赤羽は下女に紛れる事で猫猫達と分け隔てない間柄と成れたと言えるね。…まあ、それ故に視聴者はあのシーンで下女が一人減った事に気付き難いのだけど
けれど、そうしたって浮き出てしまうのが上級妃の存在で、里樹妃の語る幽霊騒動か
果たしてそれは人間が起こす陰謀かもっと別の何かか?猫猫は次から次へと事件に遭遇するようになってきたね
原作既読
球場を舞台にギャルが根暗をからかう話…と見せかけて、それは呼び水要素に過ぎず、野球の楽しみ方が控えめだけど球場に通う村田とそんな彼に野球の面白さを教えつつも自分も目覚めていくルリコを導入として球場そのものの楽しみにフォーカスしていく物語
初回はそれこそ本作の売りとは何かを象徴したものと成っていたような。村田とルリコの絡みにニヤニヤしていただけに、Cパートは良いギャップを感じられたよ
村田はマニア的な野球ファンでは在るけれど、応援席ではなく自由席でスーツ姿のまま観ているように応援の為に球場に来ている訳ではないね。ストレス発散や球場弁当等を楽しむ為に来ている
でも、それでは球場の全てを楽しんでいるとは言い難い。それこそ折角頼んだビールが泡だらけになっているような…
だからビールを入れ直してくれたルリコと絡む事で村田は知らなかった球場の良さを体感していく訳だ
まあ、イチャツイてないでちゃんと試合見なさいよ…と思わなくもないけども
楽しいとは気分を高揚させる現象だけに留まらず、物事の奥深さからも感じる事が有る。それを味わったのが滝本か
彼も当初は球場の良さを知っていたわけではない。そもそも警備の仕事もサイン目的だったし
けれど、彼は昔に味わった球場の良さに再び邂逅し、今は小さな女の子に楽しい思い出を提供する立場になれていた。それは彼が球場での仕事の意義を再認識するきっかけとなっただろう出来事
ルリコはこの事態を部外者として少し味わっただけ。それでも涙を流さずにいられない球場に集う人々の交錯。それを丁度よい味わいで調理していると判る初回でしたよ
猫猫はこれまで秘された真実を幾つも紐解いて来た。そんな彼女が考えないようにしてきた壬氏の秘密が遂に白日の元に晒されたね
…その割に結局猫猫は考えないを維持して壬氏の打ち明け話を一切聞かなかったのはどうかと思うけれども(笑)
そこで壬氏と猫猫の違いとして存在してしまったのは何を守ろうとしていたか、という点か。猫猫はこれ以上踏み込んではならないと保身に走ってしまった。対して壬氏は打ち明ける事で守れる筈のものを守れなくなる事を危惧していたような…
手の感触、壬氏の態度、これまでの違和感。全てが一つの真実を指し示している。なのに、猫猫はそこから目を逸らして壬氏の言葉を遮って
対して壬氏の側も煮え切らないね。壬氏がしたいのはあくまでも真実の開陳。なのに、拒む猫猫に行ったのは押し倒し。壬氏の思惑と異なる行動
その意味では両者にとって李白の介入とそこから始まる襲撃者の炙り出しは渡りに船、間違いかけた行動の仕切り直しになる
ただ、仕切り直した程度でどうにかなるならこの二人の関係はもっとスッキリしていた筈で
牛黄に負ける壬氏の正体って……
ED曲冒頭の”何故か「キミ」にだけ「ボク」が伝わらない”というそこそこ染み入る歌詞が今回ばかりはギャグのように思えてしまったよ(笑)
それでも良い点を上げるなら、人の心の機微が解らない猫猫をして一応は壬氏という人物への理解に一定の区切りを見せた点か。ラストに明かされた壬氏の正体、それを思えば猫猫が真実を知らないままであるのは危うい反面、彼を貴き身分の者と安易に扱わない姿勢はきっと彼にとって安息の場所に成り得るように思えたよ
最終2話のEPが事前に予想していた流れと全く異なっていたのでちょい戸惑い気味…
さておき、この最終盤で描かれたのは選択の物語。瑞希は既に家と放送部を比べて、放送部の活動を選び終わっている。だから兄が結婚しても参加は断るつもりだった
なのに、彼女の祖母は他者の選択を強要し支配するタイプだったようで。だから瑞希が家から自由になるにはまずグレる必要が在って、その後に一人暮らしが在って
それでも支配してくる相手を往なす方法を瑞希一人では持ち合わせていなかった。選択の結果が脅かされた瑞希には花奈が必要だったわけだ
当人の意に反して実家に閉じ込めるなんて許される遣り口ではない。けれど、それが保護者という大人の意思であるならば同じ大人である吉祥寺は口出しできない
だからこそ、大人ではない子供達は少々無茶をしてでも瑞希の実家へとアタックしていく道が出現したと言えるのかな。いや、それにしても取材依頼の体で光希にアポを取るなんて凄い遣り方だけどさ
その道が通じたのは光希自身に家への不満が燻っていたからかな。彼の前に花奈達が現れた事で彼は祖母に従うとは別の道を選び取る事が出来た
瑞希へと手が届いたなら、後は既に選択を終えている瑞希自身によって解決できる
そもそも彼女はグレた状態から風紀委員の言葉によって新たな道を選び取っている。それでも自身を押さえつけようとする祖母に対する朗読は自由の渇望であり、彼女の心を示したものだったのかな…
それをまともに理解できれば既に瑞希は己の言うが儘に操れるとは思えないだろうし、光希に兄として何をすべきかを自覚させるもの。最終的に光希が2つの花を胸元に挿したのは彼なりに道を選び取った証であるように思えたよ
ただ、道を選んだ後も判断に纏わる諸々に悩む事が有る。そんな瑞希に寄り添おうとする花奈からは瑞希への多大な感謝を感じ取れるね
花奈が選択した後の瑞希に寄り添うのは彼女自身がそうだったからか。島から出て高校の放送部に入り、趣味の朗読から競技的な朗読へと進み、そして今は瑞希に負けないよう大会を頑張るつもりでいる
瑞希が花奈にさせた選択が回り回って瑞希へと返ってきた形。それだけに彼女らの選択の意味が明らかになる大会での朗読が描かれなかったのは残念だったり。この続きがアニメで表現される日は果たしてくるのだろうか……?