時は天保十一年(1840年)。
大飢饉により人心が乱れた世において、
鬼が人の姿に化け、戯れに人をたぶらかすようになっていた。
江戸の街から遠く離れた山間の集落・葛野(かどの)。
この集落に、甚太と鈴音という兄妹が暮らしていた。
幼い頃に、ある理由から葛野に来たよそ者の二人だったが、
皆に受け入れられ仲睦まじく日々を過ごしていた。
集落には、「いつきひめ」と呼ばれる巫女がおり、
成長した甚太は巫女の護衛役を務めるように。
そしてある日、甚太は鬼の討伐に赴いた森で、
遥か未来を語る不思議な鬼に出会う――
巫女の護衛役として死と隣り合わせの甚太、
その身を心配しつつも健気に明るく兄を送り出す鈴音、
巫女「いつきひめ」として責務を果たす中、鬼に命を狙われる白夜。
三人の運命の歯車が重なり、そして狂う時。
人と鬼、長きに渡り時代をも巻き込む大きな災いが降り注ぐ。
江戸から平成へ。
刀を振るう意味を問い続けながら
百七十年という途方もない時間を旅する鬼人の物語を描く、
和風大河ファンタジー。
とても、とても素晴らしいアニメだった。OPED、ストーリー、要所をおさえた作画、ストーリーの構成、シナリオ、演技、あらゆる要素がすばらしくその在り方を示した稀有なアニメだったと思う。
作画を盛ってグリグリ動かすのだけがアニメが上手いというのではない、引き算の美学がそこにあった。一方でやはりリソースが厳しいのか後半での引き算の美学に依らない作画の不安定さはあったものの、その場合でも取捨選択をしてむしろ萌えに振るなど、良く考えられていたと感じる。
そして何よりも物語の構成が本当に素晴らしかった。もととなる原作の力というのももちろんあると思うし、その原作も貴重なものであるが、それをアニメとするには完全な別作品となる訳で、その翻案が普通のアニメならこうするだろうというものではなく、いま振り返るとこのアニメにしかない、このアニメだったからこそできるといった、すべてに意味があるものになっていたのが本当に素晴らしかった。最終の2話で短編をやったことが何よりも構成の妙を物語っていると思う。
OPEDは1クール2クール両方ともかなり好きで選べない。
本当に稀に見るような素晴らしいアニメだった。多分私はこのアニメのことをずっと心に大切に持っていくんだろうなと思う。ぜひ、同じスタッフで、続編もやって、最後までアニメ化してほしい。
江戸から平成という長い期間を範囲として、人間と鬼のドラマを様々な形で描いていた作品だった。
数百年生きる鬼と普通の人間の登場人物達の出会いと別れ、絆の描かれ方がとても丁寧だった。鬼と人間の違いも印象的だった。数百年生きる鬼であり年が経過しても容姿にはほとんど変化がない甚夜やお風、普通の人間であるため時が経てば年も取り、容姿が変化していく三浦兄弟や秋津という見た目の変化や生きる長さが違うが故の死別などの生きる時の長さの違い、異形故に鬼が恐怖の対象となり、それまでどれだけ親しくしていた間柄であっても一瞬で壊れてしまうことことの残酷さ、鬼と人の違いを、時に残酷に突きつけてくる作品だった。
甚夜の心境が徐々に変化していく過程の描き方も丁寧だった。鈴音への憎しみを抱えて生きている甚夜が、江戸での人々との出会いを通じて柔らかくなっていく一方、今までの生き方を変えて良いのではないか、しかし変えるわけにはいかない、自分は弱くなった、中途半端なのではと苦悩する描写もあった。鬼としての生き方と人としての生き方に思い悩みながらも前に進む甚夜の姿の描き方がとても丁寧だった。
辛く切ない展開も多かったけど、ドラマの描き方がとても丁寧で面白かった。鈴音との因縁の決着や、明治編のその後・大正・昭和編はどういう内容なのか気になるし、ぜひ続編をやってほしい。
これほどの作品に延期したあげくクソ作画で応えた横アニは反省してほしい。
甚夜を巡るいろいろなつながりが楽しかった。
父親だったり、角野の人々と別場所であったり、朝顔、薫だったり。
因縁のある鬼退治を通じての人情物って感じかな―。
不満点を上げると、おそらく制作都合で放送開始が遅れたにもかかわらず後半はちょっとひどかった。未完成部分も多くて。
話は上述の通り面白いんだけど、アニメの構成が悪いように感じる。
鈴音はともかく力を封じてきた鬼との決着はつかず。ここはなんとかしてほしかった。
まだしばらくかかるんだろうなぁってのは察せるんだけどもね。
原作が良さそうなのでアニメ化の仕方がもったいないように感じた。
1話は本当にすごかった
その後も時折ハッとなるような回があって、全体としてシナリオのクオリティは良かったです
音楽も好きでした〜!鈴音との最終決戦が見たかった……
続きあるのかなぁ?結局、妹?との再会とかなかったよね?
江戸時代に鬼となった青年が使命を全うするために鬼を狩っていくという話が主旨だが、主人公は年を取らないため行く先々で出会いや別れが多くなり、時の流れや人情味を感じる話が多かった
お話自体は面白かったものの、制作リソースが少なそうで作画が崩れていたり2期が無さそうなのが残念…
最後の方、作画が力尽きてしまった感じが残念。
しみじみと面白い作品だった。静かで、味わい深くて、心に染みわたる。人間と鬼が共存する世界を様々な方向から描いてくれて、見終わった後に毎回ため息が出るような作品。
人間と鬼の寿命の違いや、鬼と人間の住む世界の違いによる拒絶。これだけ聞くとありきたりなテーマかもしれないが、鬼と人間の違いを暖かく、時に残酷に描いてくる作品だった。どれほど仲良くなっても、鬼への恐れから一瞬で関係が崩壊するのは辛い…。奈津…。個人的に一番つらかったのは、蕎麦屋の親父さんの生涯。人が老いる姿を見る辛さを、久々に感じたかもしれない。死というのは突然のものよりも、もうそろそろかなと薄々わかっている状態のほうが辛い。ゆっくりとした最期の辛さを久々に味わった。
単話の完成度も高い。予想外のところから展開される話もあって、毎話毎話引き込まれた。鬼の正体が実は…みたいな。外れ回は個人的には無かった。ストーリーの平均値がずっと高かった。
というわけで、派手なストーリーや感情を揺さぶるような展開は少ない静かな作品だけど、だからこそしみじみと味わい深い作品だった。こういう作品って今時流行らないのかなと寂しくなるくらい話題になってなかったな。辛い話が多いので、そういうのが無理な人にはおすすめできないが、人生は一度は見る価値ありと言える。お涙頂戴というより、じっくり仕上げてくる話の積み重ねが最高だった。蟲師やフリーレンが好きな人にはおすすめできる。ちょっと違うけど、魔女の旅々や夏目友人帳とかも。
アニメーションの出来は、戦闘シーンは微妙だったけど、人間の仕草を描くところは抜群だったので、そこまで悪いとは感じなかったかな。蕎麦屋の親父さんの老いる描写のこだわりを感じた。
惜しいのは、最初の妹との因縁がほとんど進まないまま終わったこと。これは二期を期待(二期来なさそうだから、原作読もうかな)。あと、平成編は正直いらなかったかな。最終回は良かったけど。
作画面は特にバトルシーンの崩れ方がアレだったけど、たまに持ち直す回もあったので、そのレベルでの安定感が欲しかったな。
お話としては好きな分野なので続きがあるなら見てみたい。
https://abema.tv/video/title/169-144
https://tver.jp/series/sr8nj6e4xi5
https://animefesta.iowl.jp/titles/1634
https://animestore.docomo.ne.jp/animestore/ci_pc?workId=27890
https://ch.nicovideo.jp/kijin-anime
https://fod.fujitv.co.jp/title/806a/
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DXKVY47Q https://www.nicovideo.jp/series/511212
https://www.b-ch.com/titles/8607/