結構昔に一度見た覚えがあるのだけど、ストーリーの大半を忘れていた為に再鑑賞
見て真っ先に感じた事は「本作はこれまでに様々な『時をかける少女』作品が存在した為に成立した作品なのだろう」という点だったかな。それは決して悪い意味ではなく
そもそも本作で描かれる世界観が原作の20年後というのだから、その意味でも他作品の存在を前提にしていると言える。だからか本作が描くのはタイムリープ能力の可能性を試すものではないんだよね。あくまでも普通の高校生が能力を得てしまったら?その能力がある為に青春模様に影響が生じてしまったら?という非常にミニマムな世界の中でお話が構成されていると感じられる
そう思えたのも作中で芳山和子が真琴のタイムリープ能力の使い方を聞いて、悪事に使わなくてよかった、みたいに受け取るシーンがあるからかな。私は他の『時をかける少女』作品を知らないので何とも言えないけど、考えてみればタイムリープ能力があれば様々な悪事に使えるだろう事は容易に想像がつく。けど、真琴はそういった悪事は考えないんだよね。彼女の使い方はあくまでも美味しい物を食べたいとかカラオケでいつまでも歌いたいとか野球を巧くやって驚かせたいとか、そういう身近な自己満足に収められている
作中でも言及があるけど、ちょっと真琴っておバカさんなんだよね。難しい事に能力を使えないし、先読みに秀でている訳でもないからタイムリープによってどのような影響が生じるかもあまり想像できていない。その意味ではタイムリープ能力を有しても危険性のない人物
かといって、真琴がタイムリープをしても何の影響もないという意味に成らないのは和子が言及する通り
真琴が高瀬を身代わりにし自分の身に起きる災難を回避する事で高瀬が虐められたり彼が暴力行為に走ったりする。真琴が千昭の告白を無かった事にした為に彼は友梨と交際を始める。何よりも大きい影響としては真琴が何度もタイムリープを繰り返す事で功介が壊れた自転車に乗ってしまい、事故を回避する為に千昭がなけなしのタイムリープ能力を使う羽目に陥る点か
全てにおいて真琴が悪かった等と言うつもりはないけれど、真琴が動かした運命が回り回って別の人物へと作用する典型例と言える。和子は真琴が千昭の告白を回避するタイムリープの使い方を「無かった事にしたいんだ」等と言っていたが、天ぷらの油が必ず跳ねるように、千昭の想いは消えないし壊れた自転車も消えはしない。時間を巻き戻してもそれらは何処かのタイミングで必ず発生する
何故なら真琴のタイムリープは事象の発生タイミングをずらしているだけであって、事象そのものを消している訳では無いから
この時になって初めて真琴は自分のため以外の理由でタイムリープを使おうとするわけだ。それまでは詰まらない目的でタイムリープを使用していた彼女が、千昭を未来に返すなんて彼女にとって得の無い目的の為に
これこそが青春模様だと感じられたよ。自分が良ければそれで良い、悪いものは誤魔化して目を逸らして、な勢いで過ごしていた真琴が好きな人の為に、おまけにタイムリープを使えば千昭は未来に帰ってしまうと判っていて。これこそ愛ですよ……
本作ってモチーフの使い方が上手いなと思ってしまったり
判り易い点だと運命の分岐点とも言える踏切のシーンかな。からくり時計、ぶつかった事に文句を言うおばさん、空を進む飛行機。特におばさんなんて巧く使われている。彼女が登場すれば時間は繰り返されていると否が応でも感じられるし、また真琴の不注意でぶつかった事への文句で鑑賞者まで申し訳なさというストレスを抱える、それが踏切への緊迫感を増して感じられる
またタイムリープを扱った作品なだけに時計を効果的に使用しているし、タイムリープによって時間の進む先が変わる様子を道路標識や信号機等で判り易く示してくれているね
あと、タイムリープの効果を深く考えさせるシーンでは学校空間の日常風景と共にゴルトベルク変奏曲によって彩っているのも良いね。真琴がタイムリープを繰り返す事であのような何の変哲もない風景も少しずつ変わってしまったのではないかと考えさせてくる
本作は真琴が体験するタイムリープという現象を大袈裟なものとすること無く、それでも彷徨える青春において真琴の人生を変えてくれるものとして作用しているのがそれこそ青春だなぁなんて感じさせてくれる、そんな作品だと思えましたよ
アポロの言葉がしのぶを通して伝えられた事で山吹の心は揺らいでいるけど、どうやら六花達も揺らいでいるようで。教師宅での打ち上げという話なのに気合が抜けているようには見えない服装で揃った彼女らは明確に山吹を狙っている。でも六花以外は山吹を狙っているとは他の部員達に知られたくない恥ずかしさがあるから、どうにも水面下での駆け引きに終止すると
ただ、現状では山吹の側に彼女らを恋愛対象として見る気が無いから、彼女らの駆け引きは空回り感が拭えない。いわば、山吹が行動を起こすのを皆して待っている状態と言えるのかな?それはまるで山吹が己の正体へと辿り着くのをアポロが待っている現状かのよう
視聴者的には六花達の恋愛感情だけでなく、アポロの正体も気になる所。そもそも山吹自身がアポロ探しであの高校に入った事を考えると、アポロを探るのが本作の方向性と言える
けど、山吹はその方針に背を向けたね。少しでも手を伸ばせばアポロに届く、眼を開けば彼女が見える。だというのに山吹は与えられた答えではなく己で掴む未来を答えとした。それは山吹自身が恋愛とは異なる意味で六花達とどう関わっていくかを決めていく方針
ただ、少女達がこれから何者に成れるか判らないように山吹の未来も判らない。これが正解だと引き抜いた答えが実は全体を崩してしまうように。それでも山吹がアポロの言葉を大切にしている限り取り敢えず放送部としては満足行く何かには辿り着けるのかな?とは思えたよ
前回ラストの宣言、そしていのりに対する威圧。それらの印象が強かっただけにトイレで一人芝居をする夕凪には一時不安を抱いてしまったけど、それが杞憂であると理解させられるくらいに夕凪の滑りは素晴らしいものだったね!
印象的な要素としては彼女の戦う相手か。これまでに滑った少女達は他競技者がどれだけ得点を積み重ねられるか、5つの椅子に残れるかを気にしていた。けど夕凪が見ていたものは全くの別。他の子が「今日は光が居ないから優勝できるかも」なんて思う中で光に勝つ事を意識していた。だから5つの椅子よりも光なら掴めるだろう金メダルを意識していたのだろうね
夕凪の滑りは本当に凄かったな。いわば血を流して咲く暴力的な華のイメージが湧いてきたよ……
前回描かれたりんなや愛花の滑りによってリスクを負う危険性は重々伝わってきた。それでも慎一郎の指示に逆らう形で光に勝つ!金メダルを取る!そうした想いを抱き、キッと高く飛んだ彼女の姿には唖然とさせられましたよ……
他方で滑る前に慎一郎が重視していたのは「自分の滑りをやり切ること」。それを思えば滑り終わった夕凪に対して「やんちゃだなぁ」なんて微笑んでしまったのは、あの無謀な滑りにこそ夕凪らしさを感じたからなのだろうね
夕凪はあの滑りで自分を表現してみせた訳だ
こうなると気になってくるのはいのりが何を目指すのか、そしてどのように自分を表現するのか?
目指す先は明白だね。前々からメダリストは志向しているし光の事もライバル視している。それらの点は夕凪の相似。けど、ジャンプの技量では及ばない
それならばといのりに必要な表現のヒントが描かれたけど、ソレ以上の覚悟と志向が描かれたね!コーチの司はいのりに託すしか出来ない。でも紐や拳を通して流し込む事が出来る
「今から貴方が取りに行くのは金メダルだ」、何よりも力強いエネルギーはいのりへと渡された。この幾つもの華が咲いたリンクでいのりが咲かせるだろう金色の輝きがどのように表現されるか楽しみで仕方ないですよ!
ここ暫く担当回的な内容が続いていただけに今回はトバリ回だと単純に受け止めていたのだけど、予想していたよりも彼女は自分を語らなかった。むしろ語らない彼女を前に零は己を語る構成と成っていたね
教師が迷える生徒を導くのではなく、何かを抱える生徒・トバリが迷いと後悔を抱いたままの教師・零に光明を与える。それはどう考えても立場が引っ繰り返った関係なのだけど、教師として成長が必要な零にとって大切な時間であり、それを与えられる事でトバリという少女の個性が描かれていた気がするよ
星野のハンカチを汚し、音MAD動画による身バレ。どちらも教師が生徒に晒すにしては情けない姿。けど、トバリはからかいはすれ、貶しはしないね
それは零の人間性を肯定しているかのよう。同様の傾向は夕暮れの校舎、教師としての仕事が終わる時間になっても続く。そして始まるのはトバリが迷える零を導く時間。あの時間におけるトバリの言葉は本当に教師然としていたね。零を安心させ、彼の苦しみを受け止める温かい懐を晒してくれている。だから零も思わずトバリ相手にこれまで同僚や生徒には言ってこなかった後悔を話してしまったのかな…
こうなると気になってくるのはトバリという少女の来歴か
何年上級クラスに居るか判らない、違反行為も零の前で平然と行う。その姿勢は彼女が本当に人間に成りたいか疑念を湧かせるもの
むしろトバリは人間に成る為にあの学校に居るのではなく、あの瞬間に零を受け止める為に学校で待っていたのではないかと思えてしまうよ
トバリが何を抱えているかは判らないまま。けれど、あの時間に零が赦しを得られたように、トバリが零と過ごす時間の中で何らかの赦しを得られれば良いなと、あの歌を聴きながら思ってしまったよ
デート講師にフリーレンを頼った時点で薄々察せられたけど、シュタルクのデート模様が不器用過ぎる…!何と言うか、此処までバッドコミュニケーションを踏めるんだ……ってなる
シュタルク先導のデートはデート巧者でもないフリーレンの指南を受けてのもの。表面を曖昧になぞっただけのデートが上手くいく筈もなく
他方でフェルンの方はそうした不器用さよりもデートの表面をなぞったシュタルクの行動に不満を覚えたのは印象的。この点からはフェルンが何を最も楽しみたかったのか透けて見えてくるかのよう
冒頭で服に迷うフェルンに表れるように、フェルンもシュタルクとのデートを楽しみにしていた。けれど、シュタルクが着飾ったフェルンを褒める事はなく…
それは残念な事だけど、フェルンの方も過度に傷付いている様子は見られないような
シュタルクがフェルンを喜ばせたいとの感情を土台にフリーレンを頼って表面をなぞったデートをしてしまったように、フェルンの方もシュタルクに誘われた嬉しさを土台に表面をなぞる着飾り方をしてしまったのではないかと思えたよ
だから誰の力も借りていないし着飾ってもいないシュタルクの本音を聞けてフェルンは喜び、そして着飾らない遣り取りに二人して笑えたのだろうね
北部高原の厳しさを伝えるBパートはそのまま「何でこんな所に?」との疑念を沸き起こらせるもの。あんな危険な場所に暮らすのは可怪しいし、態々こんな場所を通るのも可怪しい
それだけにヒンメルの言葉が静かに響いてくるね。こんな危険な場所を故郷とする人々は沢山居るし、シュタルクもフェルンも故郷を失う哀しさを知っている。守られる事でどれだけの笑顔を手に出来るかも知っている
勇者一行をなぞるように進むフリーレン達の旅程がこうして北部高原を歩んでいく事でなぞるものではなく、フリーレン一行の旅となっていくのではないかと、そう思えるお話でしたよ
大量の魔獣に襲われた状況はヴァンが創り変えつつある村の防衛力を試す場に。いや、それにしてもバリスタだけで倒すとは思わなかったけど……
村の防衛力はヴァンへの信頼を増すものとなるね。元々ヴァンは人徳に寄って信頼を得ていた。次に村人の生活水準向上という得を齎した事で信頼を増し、更に判り易い大戦果によってヴァンは村を領有する者としての信頼を確かなものとした。けれど、そうした信頼はいわば内向きの信頼と言える。外から見た者にとってヴァンやその領地がどう見えるかを示した回となったのかな
以前からの家臣や領民からの信頼はヴァンの能力に寄って更に篤くなったが、外の者はそもそもヴァンを知らない。だから能力に頼らない形であろうとも信頼出来る領主であると示す必要がある
まず、商会の人間の抱き込み方は流石。相手に利を提示して自分も利を得ている。
そしてアルテとの会談、挑発的なパナメラの態度はヴァンが揺らがぬ人徳や懐の深さを示す事で信頼を得た形にものとなるね
また、信頼とは別方面のヴァンの良さがアルテにはかなり響いたようで。もしヴァンとアルテが婚姻するなら、村に居住し続ける可能性はより高まる。それはあの領地が永く発展する信頼ある未来へと結び付くのかもしれないね
今回、いのりは滑っていないし、代わりに滑っていた子達の事を私はまだよく理解できていない。それでも瀬古間が解説し、耕一と共に学ぶようにしてスケートを知った事で氷上で彼女らがどれだけの賭けをしているかが見え、胸打たれる構成となっていたね
てか、当初はフィギュアと結び付かない「賭け」なんて単語に驚かされたものだけど、実際に滑りを見せられたら、確かにそれ以上の喩え方なんてなかったのだと思えるよ
一番手として冒頭に高難易度の技を持ってきたりんな。それはリスク分散としてある程度オーソドックスと言えるものかな
序盤に高レートの賭けを行い、失敗したとしても後に取り戻せるようにする
でも、その遣り方は他の場面での賭けまでローリスクにする訳ではないね。ジャンプ技という賭けに挑めば失敗する事はある。結果、彼女は一番手としてまずまずな点は取れても安心はできない椅子に座る事になった
続く4人は更なる賭けが求められるね
光が居ない今回は“上手く行けば”優勝が狙えるかもしれない。その野心が高レートの賭けをさせる。でも運の女神は誰にでも微笑むとは限らない
4人の演技が同時に描かれた事で、一人で滑りながら競っている彼女らの焦燥が手に取るように判る作りとなっていたよ…
そもそも賭けと言いつつ、運ゲーでは無いのは見ての通り。彼女らがあのリンクに辿り着くまでの日々はそれこそ血を流すようなもの。だからこそ、氷上に華々しい命が咲く
目覚ましい演技をした愛花は勝負に出た形。成功すれば優勝が視野に入る。失敗すれば目も当てられない
そんな賭けは少女一人で決められるものではない。だからこそコーチ達も彼女らの賭けの結果に一喜一憂するし、賭けが終わり命を削った後の少女に花束を贈り労る姿もギャグにならない
早くも1位の椅子に座る者は入れ替わった。それは賭けに勝てばまたその椅子は奪えると証明されたようなもの。コーチにメダルを取ると誓う夕凪はどのような賭けに出るのかな?
またコーチと一心同体みたいな動きをしちゃういのりは何処までやれるのかな?
前回のいさきの話も重かったけど、今回の彗の話も重さがあるなぁ…
それは不快な重さという話ではなく、教師として彼女らに向き合う事になる零にとって重い課題となるという意味なのだけど
教員生活における人間関係を理由に引き籠もっていた零にとって、生徒の困り事によってリスクを負うのは避けたい事態の筈。そもそも彗は元々零を信用してなかったわけだし
それでも彗は零を頼った。そこに教師・零の分水嶺が見えたね
人外少女でウサギモチーフの名前だった事から彼女も動物かと思いきや、まさかの縫いぐるみとはね…
ならば、初期における彗の願いは人間になるというより彗子とお話が出来る存在になる事だったんだろうな。だから彗子の命が残り少ないとなった時に彼女は人間に成れてなくても、話ができる姿のまま外に出る事を望んだのだろうね
でもその望みは教師として教える内容から外れている
「助けて」に応える形でリスクを冒した零は正しくないけど正しい事をしたね
同様に彗の行動も正しくないけど正しいもの。あの姿を晒す事は宜しくないけど、大切な人に感謝を伝える一幕としてとても正しいもの
そして、彗は彗子とお話できたから、人間になった先の未来に向けた夢を新たに抱けた。彗がそのような夢を抱く手助けをしたと思えば零は先生らしい教えが出来たと言えるのかもしれないね
フリーレンパーティっていわばヒンメルパーティを継承したようなポジションや要素があるのだけど、今回はシュタルクとフェルンに関わる話が展開された事でその色合いがより強く感じられたな
シュタルクはアイゼンから、フェルンはハイターから連綿と続く要素を持つ。フリーレンは2人の親代わりのような立場として、またはヒンメル達との旅を経験した者として。昔から今へとヒンメルパーティの想いが継承されているかのように感じられるエピソードだったよ
シュタルクは目指す秘湯が温泉としては最高ではないと知っている。けれど、恩師が経験した秘湯やそこまでの道のりを味わいたいと思っている。そこにはアイゼンへの愛情であり、ヒンメルパーティが辿った道を自分の足でも辿ってみたかったとの想いが見えるね
温泉は割に合わないかも知れない。けれど、温泉に入りながら得た思い出は掛け替えのないものになったようで
あと、三つ首の魔物を退治する時の作戦はかつてアイゼンがやらされた作戦なんだろうなぁ、なんて感じ取れるものだったのも良かったな
シュタルクの安易な返しから始まったデートプラン、シュタルクもフェルンもデートなんてどうしたら良いか判らない
そんな中でフリーレンはシュタルクに良いアドバイスを授けてやれたね。彼女自身が得た知識ではない。けれど旅の仲間・ハイターから受け取った大切な思い出。フリーレンはフェルンの好みなんて知らないと言うけれど、ハイターの言葉を覚えていたならそれは知っているも同じで。ハイターからフェルンへの継承がフリーレンを介して行われたのだと感じられたよ
ただ、シュタルクの好みはアイゼンから聞いてないから何も言えないし、デートの定義すら無茶苦茶なフリーレンのお子様知識には笑ってしまったけども
話、飛びました…?と思ってしまったけど、この第2期は中部ブロック大会を描く感じになるのかな・…?
前期ではメダリストへの夢を描き、飛躍しようと滑り始めるいのりの姿が描かれた。そう捉えると、同じく中部ブロックに辿り着いた他の少女達もいのりと同じように飛躍を続けて来た存在と捉えられるのかな
なら、司が大会を前にして高得点の取り方にメランコリーになっているのはそれだけ今までのいのりのままでは勝つには難しい相手という事で
それだけにムキムキアピールで先手を獲ったいのりは正しい……と言えるのかなぁ(笑)
ただ、いのりは競う少女達を自分と同レベルとはすぐには捉えないね。彼女の油断の無さが現れている
そう思うと、油断成らない競争相手の枠に収まらない飛躍を既に始めている光の規格外さも見えてしまうのだけど
今のいのりと光は隔絶された環境にいる。光に追い付く為には飛躍を越えた飛翔を行わなければ……と思っていたら、とんでもない背伸びをしたね!
いのりが上を目指すように、オリンピックに手を伸ばしている者達は更なる上を目指している。いのりの飛躍は理依奈の飛躍を呼び寄せたね
いのりにとって今見える上にいる者という存在の象徴が飛躍を宣言した。釣られて宣言返しを行ういのりの様子は良いね。ムキムキしてる
さておき、この二人って出会ってなかったんだっけ?となってしまった耕一といのりの遭遇。これも飛躍と言えるのかな…(笑) というか、本当の飛躍は耕一自身のもの。スケートを愛していた芽衣子が去った為にスケートへと近づけなかった彼が愛息子の頑張りを見る為に足を運んだ。それは司が知らずして続けていた努力が小さな実を結んだかのよう
いのりは確かに大きく遠い星を目指している。でも、その道中には様々な大きさや距離の星があって、いのりと司の挑戦はそれらの星と出会える道程とも成り得るのだろうと思えたよ
「なんということでしょう」の言葉を添えつつ、辺境の寂れた村が城塞都市ならぬ城塞村へと変貌していく様は圧巻
建造は素材を適当に集めればどうにか成って、掘削工事も筋肉バカやら老練の執事が居る為にどうにか成る。現代日本で都市計画に携わっている方々が見たら何を思うのだろう?と気になってしまうよ
まあ、これらの変貌が遂げられるのはヴァンが正しく未来予想図を描けているからなのだろうけど
ヴァンの生産系魔術、それは素材を基に物体を創造する能力ではあるけれど未知の物体は作れない。ヴァンが想像できる物でなければならない
ヴァンが前世持ちという土台はありつつ、それ以上に住人や部下から何が欲しいか、彼らの生活を守る為に何を創らなければ成らないかを真剣に考えているから適切な生成を行えるのだろうな
これらの流れはヴァンの中で領主としての自覚が早くも目覚めているのだろうと感じられるポイントでしたよ
一咲といさきの境遇や受け止め方が事前に捉えていたよりも遥かに重いものだった……
零は両者を別人格ながらよく似ていると評した。その理由は人の輪への溶け込み方な訳だけど、彼女にはそもそも人の輪に溶け込みたいという望みが底にあった為かな
同様に一咲といさきがニンゲンに成りたい理由も両者の望みが底にあると言えて。でも、底に在るから2人は互いの望みを正しく測れていなかったのだろうね
尾々守一咲と尾々守いさきに訪れた災難は周囲の人狼と境遇が逆であった点か。他と同じなら彼女らは自分の在り方に悩まずに済んだ。異なるから自分の在り方は間違っていると悟った
それらの認識は体験から得たものなんだけど、肝心の体感が微妙に異なるなんて想像できなかったのだろうね
それはディスコミュニケーションなんだけど、体験の共有によってコミュニケーションは不要と感じてしまっていた訳だ。それは共感すらしていない状態
零の接し方はそれを踏まえたものになったような
ニンゲンでしか無い彼は一咲といさきの境遇なんて共感できない。しかし、ディスコミュニケーションの痛みは知っているからその点は共感できると伝えられるし、伝える事で一咲に伝える大切さを教えられる
今までの自分達は体験していても、体感し伝え合っていなかったと反省した一咲といさきが始めたのは交換日記。コミュニケーション方法として非常に初歩的だけど、これまで言葉を交わした事のない彼女らにとって初めての歩み
日記の内容は体験していても一咲からの言葉を体感したいと敢えて読んだいさきの関係性に尊さを感じられたよ
Bパートの話は『フリーレン』らしい話。旅の途中に訪れた街で面倒な頼まれ事を請け、油断ならない魔族と戦う
この話で特徴的存在と言えるのは宝剣かな。貴族が飾り魔族が求める、欲を呼び寄せるかのような厄介物。宝剣を求めて無法を通す姿には魔族も人間も変わらない普遍性が見える。寓話的なお話
だからこそ普遍から外れた特殊に過ぎる南の勇者の話が冴えてくる
彼は何から何までイレギュラーだね。未来を見通し七崩賢を破りヒンメルに後事を託した
自身の死を知覚していようとそれ以上の救いを求め魔族を討ち取った。この救いというのは己の救いではなく人類の救い、救世の志しによって行っているのは特徴的
また、未来にはヒンメルという別の勇者が現れる事で自身の偉業が隠れてしまうとも認識している
それでも死地へ赴いた彼に普遍性を見る事はできないね
けれど、特殊性に満ちた南の勇者であろうと彼によって齎された平和には普遍性が見えるのはいいね
広く知られていなくても救われた地域の者達はヒンメルを崇めるように南の勇者に感謝を捧げている
また宝剣の街だって、欲に塗れた宝剣を無欲的に守る事による平穏を豊かに享受している
それらはどのような依頼であろうと、何かが連綿と続き人々の平和へと繋がっていくのだというヒンメルとフリーレンの信念を感じさせるかのようだったよ
付き合ってまだ一週間、されど既に一週間。初々しいような情熱的な透乃眼と夜香の交際模様に見ているこちらまでニヤニヤさせられてしまいますよ!
生産系魔術って『鋼の錬金術師』みたいに素材に応じて作れる物が限定される、みたいなタイプではないんだ。いきなり豪邸まで建てるなんて色々な意味で驚きですよ
さておき、ヴァンが辿り着いた領地は早くも襲撃中。領主であるならば防衛は責務となるけど、子供でしか無い彼が何処まで実務を担うべきか、担わないとしたら何を為すべきか?それが問われた回となったような
ここで課題となった点がエスパーダの台詞に表れているね。無理をすれば盗賊は撃退出来るかも知れない。けど、領地であるならば撃退後の統治も考えなければならない。だからヴァンに求められたのは盗賊を退けるよりも死傷者を出さない事か
ヴァンが前に出るというのは確かに妙案では有るのだが間違ってはいる。その間違いを彼に心酔した者達が正すべく、ヴァンの統治方針に沿った遣り方へと意思統一されるのは良い展開
領主ヴァンと領民達の顔合わせ、本来なら頭ごなしに統治を決めたって良いだろうに、ヴァンは相手の見解を問うた上で統治方針を決めているね
その方針は彼だけが頑張るものでない点は印象的。彼が自虐したように戦闘力は期待できないし、国法を変えられる訳でもない。だから皆と協働しての地道な一歩一歩が必要で
方針決定後、自分達は何をするか、相手に何をして欲しいかを明言する彼は早くも領主としての姿が揺るぎないものとして見えてきたように思えるよ
引き篭もり生活を止めて人外少女達と向き合うと決心した零はいわば人間として再出発した形。対して少女達の側も見た目は幾らか人間だけど、人外的要素も持っている為により人間らしく成れるよう出発した形と言えるか
外見だけを見れば普通の少女でしか無い彼女らも接してみればちょっとした瑕疵を「人間らしくない」なんて捉えられかねない存在。好き嫌いではない食事傾向はその代表格と言えるかも
だからこそ、人間か人外か曖昧な領域を少しずつ詰めていく必要があるのだろうね
鏡花のダンスが上手くない点は普通の人間であれば個性とか短所と言える程度なのだけど、ダンスがしたいから人間を志し、期限内に人間に成れないと致命的な彼女の境遇は普通の人間に無いもの
けど、鏡花は境遇を悲観しないね。むしろ好きな存在に成る為に自ら”歩み”出した自身を誇ってすら居る
それは同じように自ら歩み出しつつ、鏡花のような境地に到れていない零にとって眩しいものだろうね
一咲は人狼と言っていたから満月の夜には何か有るだろうと思っていたら朝から人格交代ですか。おまけにギャル化するとか吃驚…
一咲といさき、これが身体を共有しない別人なら実は問題ないんだろうな。でも満月の日だけ人格が入れ替わる仕組みだから彼女はどっち付かずの中途半端になってしまう。人間に成りたい理由やあの過去と併せて考えると、現状を肯定的に捉えているようには見えないけれど…
そんな彼女に対して、家と学校では言動が違い過ぎる零は何を言ってやれるのかな?「生徒が一人増えた」との捉え方が響くと良いのだけど
再び始まった後悔を取り戻す為の旅は永い時を生きるフリーレンらしさに溢れたものに
永きを識るフリーレンの知識や記憶には過去が混ざっている。それはフェルンとシュタルクを扶けるものとなりつつ、ヒンメル達と旅をしていた過去とフェルン達と旅をする現在を繋げるものとなるね
だからか、フリーレンが体感したパーティの在り方はフェルンが体感するパーティの温もりへと繋がっていたように思えるよ
封魔鉱の鉱床に迷い込んだシーンではフェルンだけでなくフリーレンまで無力化。普段はフリーレンの戦力を頼りにする事が多いパーティなだけに、その状態は不安を誘うものだし、シュタルクもフリーレンの期待に応えられるとは自分を信じられない
そこで活きるのが過去に発せられたヒンメルの言葉か。アイゼンはパーティの命を預けられる事に臆していた。けれど仲間がピンチの時には恐れず敵の攻撃や落ちる天上の間に割って入る。だからこそ、そんな便りになる仲間が無理だと言うなら「皆で逃げよう」と伝えてくれる
パーティとして前衛は任せるけれど、任せっぱなしにして独りにしたりしない。それがパーティの良さなのだろうね
ただ、そんな前衛なら他のパーティだって欲する。ヴィアベルの勧誘は象徴的
フリーレンパーティって魔王を倒すみたいな目的で一緒にいるわけじゃない。パーティを維持する理由が少し弱い。だからフリーレンはシュタルクの意思を尊重するしフェルンは不安になる
でも、独りで戦っていたシュタルクはフェルンに支えられる事によって逃げずに済んだ戦士。パーティというよりフェルン達と一緒に居たい理由がある
それを告げられたフェルンがシュタルクと共に居る事で恐怖を乗り越えられた、独りではなくなったと感じられる表現が描かれていたのは良かったな
改めて3人での旅の行く先を楽しみたくなる仕切り直し回だったね
有言実行を標榜し恐れる事など何も無いかのように振る舞う山吹は鬱陶しい程に存在感が強烈。けれど、そんな彼の存在が夢に向かっての歩み出しに不調が見える六花や寧々にとって良い刺激となるようで
六花は山吹と違い衆人環視で歌う緊張を知る為かファンの期待を前に自分の歌を披露する事はできなかった。そんな彼女にとって六花を驚かせる為だけにギターを猛練習し罵声の中で歌い上げた山吹の姿はそれこそ夢の為に何処まで本気になっても良いか示すものになったような
あんな無茶苦茶をする山吹でも緊張はする。そして緊張はしてしても無茶苦茶は出来る。その鼓動は六花への応援歌になったかのように思えるよ
寧々は演技力を求められているのに、演技の素となる経験に自信が無い為か他者を納得させられる演技が出来なかった
そんな彼女にとって、寧々にいい演技をさせる為だけに一時的な交際をし3週間も付きっきりになる山吹はインパクト大。寧々は山吹との一時交際の先にキスまで想像してしまうわけだけど、それこそが彼女にとって交際に拠って得られる告白に至るかもしれない演技の素か
だとしたら、山吹はそこまでする気はなかったしオーディションは落ちてしまったのに寧々は漫画に沿ってキスのフリをした行為には早くも変わり始めた彼女自身の感情が潜んでいるように思えたよ
かつては人を呑み込む恐怖の火に立ち向かっていた松永が恐怖に呑まれた状態から始まる物語といった所か
彼がなぜそのような状態に?という疑問はあるものの、周囲は恐怖に立ち向かい前に進んでいる様が描かれるのは印象的
深雪は火事の恐怖を知っていても夫を生活のため火事場へ送り出すし、斎藤は松永こそ必要だと命を懸けて彼を引き戻す。また火消し達もかつてと変わらず火事場へと身を躍らせている
その様を横に恐怖で己を失ってしまう松永はどのように火の恐怖を喰らって行くのだろうね?
アバンで作品概要を説明し、OPで視聴者の心を掴む始まり方は親切心と温もりに満ちているね
転生者であるヴァンは見た目は幼くても中身は成人しているから、「まだ幼いのにこれだけ出来るなんて凄い!」という評価は貰える。けど、どちらかというと生来持ち得る誠実さによって人格を評価され人気になっていくとのは特徴と言えるのかもしれない
ヴァンの能力が明かされるのはエピソード終盤でそれも大多数の人間に明かされている訳でもないのに、あれだけ家臣や民衆から好かれているのは前世や能力に拠らない彼という人を表しているね
前世の経歴があるとは言え、通常3倍の勉強量に耐えたり剣の訓練も熟せたりとヴァンは大変さを受け容れられるタイプであると見えてくるね
だから彼の心こそが最もの魅力で。そんな心に触れたのがカムシンとなるのか。実の親から奴隷として売られた彼はヴァンに過大な金額で買われただけでなく、住処と仕事まで与えられた。でもカムシンが最も心打たれたのは差し伸べられた手ではなかろうか?何の迷いもなく差し出した手にはヴァンの優しさが詰まっていた
いわば、カムシンはヴァンファンクラブ代表みたいなもので。同様にヴァンに魅了された者達が随行する左遷生活は決して暗く苦しいものには成らず、明るく心魅せられるものになるのだろうと期待できる初回と感じられましたよ