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良い

折角のクリスマスイベントなのに、若干のホラー要素を含んでいるってどういう構成なんだろうね(笑)
学生にとって時間を過ぎて校舎に残っている段階でちょっとした怖さが有るだろうに、そこへフード女の噂を混ぜ込む事で何とも言えないホラー風味となっているね
ただ、これが本格的ホラーにならないのはフード女の正体がさくらである為なんだけど、正体が明かされた事を誰も知らずに終わってしまう為にやっぱりホラー風味になるという
噂が怖いというよりさくらが怖い展開だ(笑)

クリスマスは楽しみだけど、そこで友達を家に招くとなればちょっとした怖さが先立ってしまうもの。過度に掃除して飾り付けるまこの姿は理解できるけれど遣り過ぎ
それだけにくれあ達がまこの持て成しや料理を喜んでくれる展開は反動的な嬉しさが有るね
……と、楽しいクリスマスとして終わりそうだった所へさくらのサプライズプレゼントがまこを恐怖へ陥れるという。さくらには一欠片も悪気なんて無いのだけれど、齎された結果、というより届いた肥料の塊がホラーみたいだ…
しかも、当のさくらはロマンチックだなんだと言っているのだから、この話をコメディと取るかホラーと取るか難しい
だとしても今回のせいでさくらって存在が怖いタイプに思えてきたような…(笑)



とても良い

幼少期タマモのエピソードを此処に持ってくるとは
あれってタマモが位置取りたい場所をオグリが先に位置度っていたと解釈出来るかのような話で少し興味深いんだよね
そんな話から始まった為か今回は己のポジションをどう確保するかという話に終止したような
オグリとタマモ、どちらも偉大な記録が掛かっているが、記録に辿り着けるのは片方だけ。どうやって自分だけが最高のポジションを手にするか、そこを競うレースはレース開始前をじっくり描いてくれたのもあって白熱の一言!

オグリやタマモ、それぞれに適した脚質があるように位置取りの仕方はそれぞれ。勝利可能性を上げる為には自分の走りをしなければならない。相手に合わせて自分の走りを変えるなんて本来はしない筈で
そう考えると、以前は届かなかった勝利を確実に手中へと収める為に走り方を変えたロードとタマモは異質。特に脚質に合わない走り方をするタマモは際立っている
でも、彼女の走りは天皇賞(秋)勝利だけでなくもっと大きな勝利への位置取りを考えていたわけだ

タマモがしているのは一回だけ勝てれば良いという走りではなく、常に勝ち続けられる走り方や位置取り。その精神性は立派だが、これまでの自分がそれを出来なかったのは脚質等に合わないという不利が存在していたからで
だとすれば、未知なる勝利の為にタマモが走り方を変えた中でも走り方も位置取りも変えなかったオグリは特別な脅威となる
未知へ至るタマモ、既知を走るオグリ。たった一人しか手に入れられない栄光はどちらの手に転がり込むのだろうね



良い

作中的にはシーズンの終わりであり、作品的には最終回。ともすれば様々な締めを描かなければならないだろうに、むしろ本作で描いているのは始まりだね
アオナは売り子引退して球場を去るわけだけど、それだって教員としての始まりを前にしたワンシーンとなったわけで
同様にCS進出を逃したモーターサンズのシーズン最終日とて来シーズンに向けて火種を燃やす日々の始まりとなるわけだ

売り子の中で去りつつも新たな始まりへと向かったのがアオナなら、チーム内にて去る姿が描かれたのが松戸監督か…
彼自身の新たな始まりは描かれないけれど、彼が去る事で桐谷新監督によるチーム采配が始まる事が間接的に描かれているね
興行的なスポーツである以上は成績を付けられて人事の刷新が行われるのは仕方ない。ただし、サプライズコメントや胴上げ、そして観客の歓声を通して彼が球団の多くから愛されていたのだと感じられたよ
あの球場は去る者を追い出すのではなく、祝うようにして送り出すのだね

そして村田とルリコはシーズンが終わった事で一時的には球場を去ったわけだけど、同じ回で開幕戦が描かれた事で球場での日々を改めて初めた様子も描かれたね
二人の関係はビールを通して始まった。だから改めて始める時もビールを通してで
二人を祝すかのようでありつつ、球場の全てを祝す花火をクライマックスに持ってくる構成も、これまでに登場した人々が映る流れも良かったな。
球場では様々な人と人が交流し、一つのチームを精一杯応援する。独特な尊さが描かれた作品であると改めて感じさせる開幕最終回でしたよ



良い

酒は飲んでも呑まれるなというが、今回の話では酒によって人間性が呑まれてしまった者達が描かれたね
水城屋の主人は酒を呑み過ぎたら可怪しくなるのは当然だなんて言う。けれど人間らしい感情が破壊され鬼と化す酒は人の世に在って良い物じゃない。そのような酒が泉から湧き出る異常事態は人の世と鬼の世が近づいたかのような錯覚を受けさせるね
特にそこにあの鈴音が関わっていると成れば尚の事

甚夜が認めたように誰の心にも憎しみはある。しかし、誰もが憎しみ以外の感情も心に持つから憎しみだけで生きずに済む。例えば、前回は甚夜に憎しみの言葉を吐いた善二が失敗を取り戻すべく仕事に励むように。例えば、善二に厳しい事を言った重蔵が実は彼の失敗に失望しつつもまだ取り返しが付くと許容しているように
けれど鈴音が齎した酒は幾つもの感情が宿る心を憎悪一つに染めてしまう物
人間らしい複層的な心が憎悪一つだけと成れば、人は人で無くなり鬼と化してしまう

そのような酒を呑んでいるとなれば重蔵や奈津の安否は確かに心配になるね
ここで思い起こされるのは葛野に居た最後の夜の出来事か
あの時、甚夜は鬼の相手をさせられ鈴音が憎悪一つに染まる瞬間に間に合わなかった
それを思うと、秋津が鬼の相手を申し出てくれたシーンには尊さを覚える。勿論、秋津が甚夜を行かせたのは善意だけではないが、そうした複層的な感情が甚夜に猶予を与えてくれたのは事実
甚夜が鈴音を許せない心も重蔵を助けたい心も真実。その複雑に折り重なった感情の下で走る甚夜は今度こそ大切な人達を助けられるのかな?



良い

前回にて怪物と形容されたオグリはその名に恥じない走りを今回も魅せつけたね
全員が自分をマークし、進路まで塞いでいる。その環境下で勝つなんて普通は不可能。それでも不利を跳ね除けて1着を勝ち取ってしまうなら異質と表現する他ない
けれど、肝心のオグリ自身は別に怪物的存在を目指しているわけではなく。彼女が何を背負っているのか、そして何を目指しているのか。それを捉え直すようなこの回は六平が懸念していた目標の再定義が彼女の中でピタリと嵌まった印象を覚えるよ

中央に来てから出番の減ったカサマツ組。それでも電話や裏話でちょくちょく出番は有ったからマーチ達とは離れている印象はそこまで無かった。懐かしさを覚えてしまったのは彼女らより接触機会が減っていた北原
それだけに彼がカサマツの想いを背負ってオグリに会いに来てくれたシーンは良かったな。オグリなんて想い人と再会できたみたいな表情をしているじゃないか
北原が持ってくれたカサマツの想いはオグリを「カサマツの星」と評してくれている。それは怪物などという名称ではなく、きちんとオグリをスター扱いしてくれている。オグリが何を目指すべきかを明確にしてくれる

そしてオグリが目指す日本の頂点において、最大の壁となるのがタマモクロスか
オグリに目指すべきものが有るように、タマモの側も背負う想いや目指す光景があるようで
これまではオグリの独擅場と言えるようなレースばかりだった。それだけにオグリ以上かもしれないオーラを持つ本物の強者の出現はオグリのレースをより面白くしてくれると思える
彼女らが競うレースを早く見たいものですよ



良い

連休になれば一緒に旅行をしたくなる。今のサークル面子はそうした触れ合いを当然するような仲の良さと成っている
だから気になってしまうのはこの面子以外との触れ合いでまこはどうなるのかという点で
里帰りから久方振りに旧友へ会いに行く様子は緊張の一言。昔は楽しく話していた相手と今になってどう話せば良いのかという点は難しい問題
けれど、見知った相手がいるから落ち着ける雰囲気がある。そのように感じられる内容でしたよ

「身長が伸びた」、これは祖母にも旧友にも言われた事だけど、リアクションの違いにまこが抱く相手との距離感が現れているね。祖母は気の置けない相手として、ゆなやひよりには踏み込むのが難しい相手として
その調子のままだと二人と昔と同じ仲を取り戻すのは難しい。それがしのんをイジるという昔ながら且つゆなやひよりと変わらない行動を取る事でまこから緊張が消える様子は良かったな
それはまるで昔と今が繋がるかのような行動で。だから4人で楽しく思い出巡りが出来たし、これから紡ぐ思い出に関しても前向きになれたのだろうね

まこ祖母宅は古民家というか下手したら郷土文化レベルでは…?
それだけに今を生きるつつじ達が昔の遣り方に応じた調理をするのは難しいもの。囲炉裏の火熾しは今風なネット知識を活用して出来たものの、それ以上を求めるのは酷。かといって囲炉裏での調理をしないという選択肢を取らず、現代の利器を使って囲炉裏に火熾ししたまこは今の遣り方を用いて昔を楽しんでいるなんて言えるのかもしれない
交差した今と昔。それ故に頭に浮かぶ未来の姿。まこが5人でのこれからを想像しながら今を振り返る様子に心温まる気持ちになってしまいましたよ



良い

禁軍が目前に迫る状況において、子の一族が辿る運命はほぼ決している。それを理解する楼蘭はいわば身の振り方、つまりは楼蘭妃として何をすべきかも判っている
だから、彼女は判ってくれるだろう父・子昌にも身の振り方を考えるよう促し、判ってくれる余地のない母に対しては何も求めないと
対して子の一族ではない為に処断される可能性が無い猫猫に死を覚悟した子翠から「後は頼んだ」と任されたという事は、猫猫は生きる為に必要な身の振り方をすべきという話になってくるね

意外な人間性を見せたのが子昌か
狸のような油断ならない人物と思われてきた子昌だけど、その実態は神美の暴虐を見過ごしてきた弱い人間か。彼は子の一族を率いる立場でありながら身の振り方が出来ていなかった
というより、先帝に頼み事をされた瞬間から彼は責任ある行動ができていない。そのような状態だから神美にも責任ある言動を求められず、逆に責任が無いと思っていた楼蘭が意志を強く持ち行動していた事に驚いたのだろうね
どうなるにせよ子の一族が辿る道は決まっている。その中で彼らが見せる責任とは…?

羅漢に詰め寄られた事で責任者としての姿を晒す事になった壬氏は見違えたね。禁軍を率いる立場として時には決断が求められる。そしりより被害軽減、猫猫より敵地の制圧。少し前の逃げ隠れする姿など見えはしない
彼は己に定められた身の振り方に準じていると判るね。それだけに今後は猫猫と以前のような付き合いもできなくなるのかな…
壬氏と猫猫は無事に再会した。これにより、後宮で難題を見事に解決していたように子の一族の反乱も被害少ない形で収められると良いのだけれど……



普通

一年間の総決算と言える大一番はCS進出を懸けた一戦というだけでなく運命を分かつに相応しい日だから関わる皆の想いが凝縮される
本作の場合、此処に至るまでに選手だけでなく観客や関係者の事情を丁寧に描いてきたから、要所要所で映される彼らがあの試合をどのような目線で見ているかが判る
そうした点が伝わってくるから、一瞬落ち込みかけた雰囲気が多くの人物と関わってきたルリコの声援を契機に盛り返す流れは、彼らの想いがそれだけの力を持っているからだと理解できる作りとなっているね

想いがあれば勝てる訳でも無いとの作りは辛辣でありながら、モーターサンズの挑戦が途上にあると教えてくれるもの
けれど、想いがあるから負けてしまったとしても顔を俯かせる理由にならず、もう一度CS進出を目指そうじゃないかというあの光景へと繋がるのは良いね
ただ、原作がそうなっているから仕方ないとはいえ、大一番がたった1話で終わってしまったり、その為に試合内容がダイジェストだった点は物足りなかったかも
こちらについても今度こそ!な光景を期待してしまうが…



良い

酒の酩酊感は気持ち良さを齎すものの、酒量も過ぎれば気持ちの良さを通り越して気持ちだけでなく心まで酔いの底へ引き摺り込んでしまうもの
仕事への真っ直ぐな取り組み方を評価されて番頭まで引き立てられただろう善二まであの醜態を晒してしまう酒を良い物と持ち上げる事は難しい
ある程度の危険性を感じ取れるのに酒という身近な物である為に人々の生活に平然と潜り込む。そうしたお酒を主題とした今度の異変は厄介度が高そうだ

話の筋としては酒が人の心を曇らせるというものだけれど、他にも曇りを齎すものは存在しているね
甚夜は鬼を斬り過ぎた事で心の曇りを気にする。善二は無様な振る舞いを反省して表情を曇らせる。また、矢鱈と降りしきる雪は空を曇らせるもの
他方で晴れを齎すものは確かに存在しているね。善二を祝う席は笑顔に溢れているし、善二の曇りなき心を信じる奈津の言葉はいずれ善二に晴れを齎すだろうと感じられる
今は曇りが多くてもいずれ晴れが人の心に満ちると思える作りになっているね

気になるのは「ゆきのなごり」に対する味の感想が各人で異なる点か
善二や直次は不快感を催す程なのに甚夜は味が薄いと感じる程度。その反面、極上の味と持て囃す者も居る。味の感じ方にその後の症状が関連しているかというとそうでも無さそうだし。そして最も気に掛かるのは重蔵があの酒を愛飲している点
黒船来航により世は乱れ人の心も乱れている。そんな時期にあの鬼らしき存在の再登場を予感させるカット含め不吉な事が起きてしまいそうな予感にこちらの心まで曇ってしまいますよ



とても良い

新章突入の初回はこれまでとこれからを整理するお話となったような
東海ダービーに日本ダービー、オグリは目標を絶たれ目ぼしいライバルが隣に居る訳でもない
その意味では六平が今回示した要素は今のオグリにとって重要なもの。新たなライバル、これからのレースに向けた心構え
どちらもオグリにはよく刺さったけれど、最も彼女の心に響いたのはかつてのライバルであり今の友人である彼女の言葉だったようで

最強という言葉を体現した如くオーラを放つタマモ。一番人気・マイルの帝王との異名を持つアキツテイオーをあっさり抜き去ってしまう姿には確かに最強との話は本当なのだと感じさせる
けれど、これに似た姿を私達視聴者はこれまでも見ている訳で
オグリとて並み居る競争者達を物ともせず何度も1着を勝ち取ってきた。クラスは異なるものの、怪物とまで呼ばれるオグリに最強と呼ばれるタマモはこれから最良のライバルになるのではないかと感じさせる組み合わせ

新たなライバルの登場を予感させた後だけに、かつてのライバルが不遇な戦績に涙する様子は堪えるものだったね…
オグリとマーチは同じく東海ダービーを夢見ていた。けれどオグリは中央へ移り、残ったマーチは栄光を手に出来なかった。二人は異なる道へ進んだ。でも似た部分は持ち続けている
だからオグリがマーチに投げ掛けた「挫けたらまた私に負けてしまう」も、マーチがオグリに言い放った「お前が走るレースを最高のレースにすればいい」も、それこそ自分が欲している言葉かもしれなくて
この二人は別の場所で戦っていたとしても同じ戦いをしているのだと再認識できたよ

オグリは走る目標を再定義できた。その勢いで新たなレースへとすぐ挑むのではなく、小休止を挟むなんてね
考えてみればオグリは新しい土地へ移ってきてからレースを走りっぱなしで上ばかり見上げてきた。ならばこそ、少しだけ休んで街へと繰り出すのも良い経験。…その過程で無限に食い続けるオグリの様はインパクトが凄かったけども
食を求めるオグリの行動が貪欲であるように、強敵を求める心とて貪欲。タマモの話を聞いて食より走るへと切り替わる姿には改めて彼女の本質を感じられたよ
けれど、ここからはただ速いだけでは勝ちを拾えない領域。タマモクロスとの勝負を経て日本一のウマ娘にならんとするオグリがこれからどれだけ素晴らしい激走を見せつけてくれるか楽しみですよ



良い

大学祭の出店とはいえ、自分達で店舗企画・運営・宣伝を行おうと思えばそれは小規模な経営とさして変わらない。ちょっとしたバイト経験しかないまこ達には荷が重いもの
そこでテキトーなカレーをそれっぽく提供して済ますのではなく、「いい思い出」にすべく自分達もお客も満足できそうなカレーを作り上げる奮闘は素晴らしいものだったね
また、一から全てを作り上げるのではなく、以前の交流が出店に活きる展開も良かったな

何の経験もない学生がいきなり出店なんて難しい話。それは材料確保の意味でも接客の意味でも
だから、ななは学際前に人と接する練習の必要性へと駆られるし、まこ達はどうやって人が食べたくなる材料を手にするのかと悩む事になる
そこでつつじが普段している格好のアレンジっぽい遣り方や前回のさくらとの関係が早速反映される作りは良いね
課題は確かに存在する。けれど、解決不能なんて事もない。それはまるで難問を一つずつ紐解いているかのよう

まこ達にとって初めての出店だから、どうしたって不安は拭えない。開始当初の「お客が来ない」と不安になる様子は共感できるもの
だから、宣伝やカレーの美味しさが手伝って無事に完売まで辿り着ける様を見てこちらまで嬉しくなってしまう
カレー完売によりまこ達の手元に残ったものは特に無い。けれど当初の望み通り「いい思い出」になったからこそ終わる寂しさを実感できる訳で。その寂しさが次への意識を目指すという意識の報酬としてまこ達の手元に残る展開は良かったなぁ
…普段自分が見ている有名人が知らぬ間に自分のお店の商品を食べてたとかそりゃパニックにならざるを得ないよなぁ、なんてラストシーンには思ってしまったよ(笑)



とても良い

他者を甚振り傷付け反抗の奮起を許さない神美は横暴と悪意の化身。口答えしても殴られるだけなら何も言わないのが正しいとなってしまう。けれど、渦中において猫猫と楼蘭だけが神美に反抗を続けているね。何もかも神美が望まない事をするわけではない。時には彼女に頭を下げ命令を聞く事も有る
それでも静かな反抗を辞めないのは彼女らに矜持が有るからなのだと伝わってくる話でしたよ

猫猫は不老の薬が有るわけ無いと判っていても調薬を続ける。それは神美の命令に従う為というより、薬師としての矜持が不可能な挑戦へと駆り立てる
また、楼蘭は神美のお人形として過ごしつつも、裏では神美の意志から外れ翠苓と仲良くしていた。これは子翠としてどう生きていきたいかという矜持か
反抗を行うのは何も猫猫と楼蘭だけではないのだけれど、中途半端な反抗は潰されるだけ。響迂や翠苓の反抗はむしろ神美の神経を逆撫でる結果に終わってしまうのは矜持の持ち方の違いか

そして誰よりも反抗の練達者として過ごしてきたのが楼蘭か
翠苓との関わりのみならず今回も大活躍。てか、流石に火薬に火を投げ込むのは危なすぎるが……
彼女には悪意に染められた役割が有り、表面上は従っている。ただし堕胎剤を飲んでいたように、自分の内面に有る悪意を吐き出そうとしていた
それだけに子供達を先に死なせた行動が悪意か善意かは曖昧になる
それでも彼女の行動に矜持が見受けられるのは確か。静かだけれど覚悟有る反抗心はあの砦で猫猫に何をさせるつもりなのかな…?



とても良い

モーターサンズの挑戦魂を象徴するような内容でしたな
ナツメは売り子からアイドル、そして女優へと転身していった人物。それだけを見れば本人の望む栄光を手に出来ていないとの印象が強くなる。そのような評価はナツメの自己認識すら落ち込ませてしまうもの
それだけに第二の故郷と言える球場に受け容れられた事で彼女に眠っていた挑戦魂や諦めの悪さが蘇る様子は良いね
そして、自分がこのように諦めないのだからかつて応援していた椿も諦めていないで欲しいと願う。そうした想いがラストに響く構成は本当に良かった…

日本を腰掛けと考えていた登場初期とは違って今のデニスはどうしたらチームにもっと受け容れられるかなんて悩んでいる
ブライアンからすればデニスの足りない点は明白。けれど、気付けないから状況は変わらない
ここでデニスが諦めず、自分流の遣り方・ホームランによって存在証明を行う姿には彼の挑戦魂が感じられたね
でも、それ以上に彼が不器用ながら片言の日本語を話したのはもっと球場に受け容れられたいとの想いも感じられたよ

そして椿ですよ……!
考えてみればコジローとて諦めの悪い存在。引退を考える年齢ながらバッターボックスに立ち続けている。だからか、かつてコンビを組んでいた椿も同様に諦めないでいて欲しいとの想いが有ったのだろうけど…
今の椿の在り方を諦めていないと受け止めるのは簡単ではない。けれど「プライド持って働けてる」という言葉が何よりのプライド。かつて共に挑戦した間柄だから尊重できる彼の今
サン四郎というマスコットが良い意味で只者でないと判り、そして彼が居る球場の深みを改めて感じられたエピソードでしたよ…



良い

見た者の未練を現す鬼が敵となった点にも、そして現代から江戸時代を振り返る展開にも現れているけど、過去を振り返る行為が主題となっていたような
未練とは後悔した過去の姿そのものだから、幾つもの後悔を故郷に残してきた甚夜だから未練を斬るのは難しい
刀を向ける事すら慣れぬ様子で、消えた兄を忘れられぬ直次が幾つもの過去を振り切って鬼を斬ろうとした行為には未来へ向かう力が感じられたよ
だからこそ、語れぬ過去を持つ夜鷹は彼に惚れたのだろうし

一目惚れに近い形で夜鷹に魅せられた直次は当然のように夜鷹の過去も気にする。定長の助言を受けて夜鷹の事をより知ろうとするけれど、それって相手の現在や過去を知る事が相手を知るようなもので
けれど、過去なんて本人が語らぬ限り見えるものではない。今回は未練という過去が鬼となって現れたのが特殊なだけで
その意味では直次は未練という過去が見える状態が異常だと、これは斬るべき鬼だと考えられたのだろうね。その瞬間から彼自身も過去への未練を乗り越えようと出来た

本当に過去を斬り払ったのは甚夜なのだけど、それは現代には伝わっていないようで
現代からすれば過去において何が真実かなんて見えるものではない。真実を知る甚夜があの劇で気に入らない部分があるのは仕方ない
でも、薫が感じ取ったように、夜鷹が直次をとても好いている点はこれでもかと見えてくる。全てが過去となってしまった時代においてそれさえ残っていれば、残された者である甚夜にとって充分な真実なのかもしれないね
それはそれとして、甚夜は何で平然とした顔で学生やってるの…?



とても良い

異なるレースが重ね合わせられたかのように演出された今回の演出方はルドルフが夢想したように、もしオグリが出走していたらレース結果はどうなったのか?と考えずに居られないもの
そう思えば、夢を見せるという点においてオグリは誰にも勝るダービー出走条件を満たしていたのではないかと惜しい気分になってしまう
それだけにオグリに不足していたものは何だったのかという点が焦点となる内容でも有ったね

冒頭のマルゼンの台詞に表れるようにダービーを走る事は誰にとっても名誉な話。それこそ多少の不利を受け入れたとしても
そう考えれば、1万の署名を集めた藤井や諮問委員会に乗り込んだルドルフもオグリをダービーで走らせる為にリスクを承知で行動していたと判る
オグリの走りには夢を見てしまう。だから夢が実現する光景が見たい。願いとしては単純であっても、夢とはそう易く実現するものでもないから夢と表現されてしまう
その点は頂点を取れる者は限られているという此処数話の問答に凝縮されているね

日本ダービーは最も運のあるウマ娘が勝つ、その格言に従ってしまえばオグリは運が無かったという話になり、勝ったチヨノオーは運が有った、つまりはオグリが居なかったから勝てたかのような印象を持ててしまう
けれど、その点は原作よりもレース描写を増やし、オグリが走るレースを誤認させる要素を減らす事により、チヨノオーは勝者に相応しい好走を見せたのだと判る内容となっていたね
勝ったチヨノオーを称える観客の姿を描く事で、彼女とて大勢の人が待ち望んだ夢を実現出来るウマ娘であると、ダービーを走り獲得するに相応しい頂点であるとも描いていたと受け取れたよ

そしてチヨノオーがそのような描き方をされているから、ダービーを走れなかったオグリがチヨノオーと同じような歓声を受けている事によってダービーを走るに相応しい品格を備えていると判る
だから、今回は無理でもオグリというたった一人の人物を機にルールを改訂しようという機運が生じる展開に無理がない。オグリはダービーを走れなくても実力で常識もルールも覆したわけだ
オグリキャップという存在をこれでもかと刻み込んだこの中央編入篇を終えて始まるのは最強との激走。彼女がオグリが走るレースへと本格参戦してくる未来が楽しみに思えるエピソードに思えましたよ



良い

ポチという名前を付けておきながら実態はカメレオンってトラップにも程がある……
ただし、本当のトラップとなったのは名前より潜んでいた場所。ななの姉にとってケーキを嗜む尊い時間だというのに、振り返れば奴がいる…!なんてのはトラウマに成りかねないもの
まあ、そうした日常に潜むトラップって意図的に作られたものではなく、ちょっとした行き違いで作られてしまうもの。特に今回メインのお題となったエアコンはそうした類だったね

暑い日にエアコンが動かない。それはしのん達が思わず屋外廊下に寝転んでしまう程の受け入れ難いトラップ。抜け出す為に知恵を絞っても妙案は浮かばない
それだけにさくらの誘いは地獄で仏に会ったかのよう
つつじの無意識行動に見られるように屋外で暑い思いをする事は変わらない。けれど、瑞々しい農作物を収穫する作業は不思議と暑さを忘れさせてくれるもの
また、作業後に冷たいきゅうりで饗される様子はもはや嬉しいトラップと表現できるかもしれない

思わぬ収穫という意味では作物を分けて貰って、それで納涼会をするというのも暑さを楽しむ一工夫
予想外の暑さというトラップは避けたくなるものだけれど、暑さの中にいるから涼しさを感じられるし、ジューシーな野菜を楽しめる。それは夏ならではの光景だね
…と、それで終われば良い話なのに本当のトラップが別に控えていたというのはね(笑) 終わってみれば、暑さに苦しむのは回避可能な日常トラップだった。けれど、暑さを楽しんだのは事実である
これをしのんのお陰と採るか、しのんのせいと採るか。トラップに嵌まった者しか決められない夏景色だ(笑)



良い

悪意の権化たる存在が現れた事で事態は急迫の様相を示すね
他者を権力と暴力で従わせる神美は恐ろしい存在。彼女の悪意から逃れようと思えば翠苓のように耐え忍ぶか、楼蘭のように追従するかという話になる
それだけに神美を前にして面従腹背の精神を見せた猫猫と楼蘭の姿勢は印象的
それだけに似た遣り口を見せた二人が、子翠の裏切りによって仲が引き裂かれた形となってしまった構図は辛い…

猫猫は薬師として神美に受け容れられた。それは楼蘭手引に拠る延命手段だけれど、肝心の猫猫は自身の窮地を理解しつつ変わらず調薬知識に夢中
神美に従って不老の妙薬を作っているように見せつつも、実態は軟禁生活を楽しんでいるかのよう
ただ、それでも猫猫の精神は健全とは言えず。謀反の兆候から罪なき者達の危うさを知り、己に嘘を吐けない立場に苦しんでもいるようで

他方で己に嘘を吐き続けた来たのが楼蘭か
悪意から逃れる為に神美の真似をしてきた楼蘭はつまり本心から神美に従っていた訳では無いと判る
けれど、それは別の者に悪意を押し付ける行為でしか無く
そう考えれば彼女が裏では翠苓を姉として慕い、神美に嘘を吐いて猫猫を生かしたのは彼女なりの裏切り方なのだろうね
と、理解は出来るのだけど、次回予告でとんでもない事しようとしてた…?

そして、己にも他者にも嘘を吐き続けてきた壬氏へ遂に選択が突き付けられたね
今回は羅漢が親バカ精神で乗り込んできたわけだけど、子昌が謀反を企てていると知れれば彼の本来の立場として執るべき方針はもっと早い段階から明確になっていたべきで
偽りの宦官のままであるならば、猫猫を助ける為に採れる手段など多くはない。であるからには愛する者を救い、信じる者を従える為に真実の皇弟として壬氏は前面に立たなければならない
軍を動かせという羅漢の進言を受け、壬氏は真の己として行動を始めるしかない筈だけれど…



良い

今回は仕事で怒られそうな状況あるあるが描かれたような
寝坊なんて仕事の日にやってしまった時は気が重くなるなるもの。そこで同様に気が重くなった社会人と遭遇してしまえば、それこそ気が合うかもしれないが、ルリコの場合は犬と意気投合しちゃうんだ…(笑)
それでも仕事人ならば仕事に励まなければならない。その意味では村田がルリコに貰い過ぎたお釣りを渡す為に駆け回ったのもルリコが仕事で怒られないようにする為と取れそう

一方でルリコが仕事中に村田の財布を届けようとしたのは仕事に関係なく相手の為を思っての行動と言えるか
それが結局互いに想い合って探していたというオチに繋がるのはもう付き合っちゃえよ!と言いたくなるが
仕事中である為に普段は掛かってこないユキからの電話をコジローがすぐに取れなかったのは「鬼電」と評したように怒られると思ったからかな?
こちらも結局は仕事だからという理由以上に家族の為にとの理由でCSを目指す理由となるのは良いお話でしたよ



良い

人だけでなく鬼すら想いを持つ本作において、物の想いについて言及したのは少し意外性が有りつつ納得できるものだったかも
秋津染五郎という人物の在り方も物に想いが宿る現象と似たような話か。血筋に拠って名を継ぐ処を弟子筋を通して想いと共に継いでいる
ならば、名を変えてしまった甚夜は何処へと継がれていくのかという点が描かれた回となったのかな

甚夜にいちゃつく奈津の姿にはニヤニヤしてしまうが、彼女が口にする「お兄様」との呼び名に宿る想いは甚夜に痛ましい記憶を呼び覚ませてしまうもの
だというのに、簪に宿った付喪神は名と想いを切り離したい甚夜を優しく否定するね。繋がりは絶たれる事はなく、命も継がれていくもの
だとすれば、鬼となった為に故郷を捨て名を変えた甚夜にも絶たれぬ繋がりはきっと在ると言える

そもそも甚夜の今の在り方とて、何かを断つものではないね
奈津を初めとして、おふうとも直次とも繋がりを持った。そして今回出逢った秋津も悪い人間ではない。甚夜は生き続ける事で多くと繋がりを持ち想いを継いでいる
そうであったとしても、甚夜が故郷に残した想いが現代まで継がれていた様には驚きと感銘を覚えるね。甚夜が捨てた筈の甚太という存在はきちんと守られ続けていたわけだ
そこに至るまでの物語を改めて見守り続けたいと思わされたよ
さておき、甚夜はどうして現在で学生やってるの……?



とても良い

1話の中で3つもレースが描かれるなんて、とんだ豪華仕様だ。どのレースも迫力に満ちていて本作を心の底から楽しめる要因となっているね
でも、オグリがヤエノのマークによって別のレ-スをさせられたように、構図としてはまさしく別のレースが行われていたような
カサマツで鳴らしていたとはいえ、オグリは地方から中央に移籍してきた新参者。いわば大活躍するなんて期待はされていない。けれどオグリが魅せたのは三冠を期待させるような激走
それによって別のレースが始まるわけだ

オグリをライバル視するヤエノの動きは印象的
クラシックを目指すヤエノがクラシックに出られないオグリを敵視する理由なんて少ない筈。けれど彼女はレース前から好戦的でレース中も徹底マーク。レースでの勝利よりもオグリに勝つという別のレースをしていた事が伺える
けど、オグリは良い意味でどのレースもふわっと走っているね。ペガサスSの走り方に留まらず、ヤエノからあれだけ敵視されても意に介さない。また、オグリをダービーへという世間の期待すら大きく反応しない
オグリはどのようなレースだろうと自分の走り方を変えていないと言える

むしろオグリの走りは他者に別のレースをさせるものとなるね
オグリをマークするレースをしてしまったヤエノに始まり、オグリに熱狂した藤井は記者の領分を超えて署名やら嘆願を行ってしまう
また、カサマツのスターを目指すべく見出されたオグリはマルゼンのセリフを聞く限り、将来的にはトゥインクルシリーズの大スターを担わされるのではないかと思わせる
オグリの走りは競る者にも見る者にも別の行動を起こさせる。だとしたら、前回はオグリを否定したルドルフはどのような行動に出るのだろうね?
というか、次の話って原作ではかなり特殊な演出がされたのだけど、アレはアニメでどのように表現されるか、その点も楽しみだったり



とても良い

本作って第一話でまこがぼっち状態だった印象が強くてそれを引き摺っている為か、既に出来上がってるしのん達の交友関係にまこが混ざったとの目線で見ていたのだけど、今回の話は良い意味で印象を裏切られたな
今が仲良いのは昔からの関係があるからとは限らず、今が仲良いからっていつまでも繋がっているとは限らない。それでも今の楽しさは嘘じゃないし、未来へ連れていける。そう感じられるお話と思えたよ

しのんが中心となり計画した合宿。彼女が気合を入れるのは部長だからとの理由もあるだろうけど、自分が雨女だから皆が合宿を楽しめないのでは?という心配もあったのだろうね
しのんは過去の経緯から合宿の成否を気にしていた
また、つつじもしのんを勝手に部長にした事を気にしていたようで。しのんには直接伝えていたけれど、ピザ作りに積極的だったのは楽しい合宿を企画してくれたしのんへの感謝もありそうだ
つつじも過去を踏まえて現在の行動へと反映していた

対して経緯の共有が少なかったのがくれあか
彼女は物分りが良いから「詰まらない事」と言うけれど、思い出の共有が出来ない寂しさは築地へ行った際のななが充分に証明している
だからくれあを友と思うならフォローは必要で
過去の共有ではなく、現在の共有を意識させそれが未来へ続くと約束したまこの心意気は良いね。それはくれあを大切な親友と告げているも同じ。だからくれあはまこを親友として名前呼びしたのだろうね
また、ラストの花火は夜に咲いて夜に消える閃光というよりも、朝には見えなかった綺麗な光景が夜に染み込むものになったかのような印象を抱けました



良い

ほぼ誘拐されたような身の上であるにも関わらず、ちっとも深刻そうではないし、子翠達に己をどうするのかと問いもしない。また、子翠達が何者かも探らない
この点は壬氏に対するスタンスと共通しているね。猫猫は余計な問題に首を突っ込まない
だからか、猫猫は偏りの無い目線で狐の里やその色に染まる子翠を観察する。そうする事によって皇帝に連なる一族との相似が見え、物語が至ろうとする最終的な構図が垣間見えたような気がするよ

狐の里や子翠の真実は探ろうとしないが、蘇りの薬に対しては過剰反応してしまうのは猫猫らしいね(笑)
そんな調子だから、薬の為に里を探るのも躊躇いがない。踏み込んではならない場所にも入ってしまう
そうして開いた先にあったのは正しく里の秘密か…。そして、こちらが開いたという事はあちらからも開かられるという事でも有って
遂に邂逅した陰謀の奥底に潜む者。暴力を厭わない者に対して薬師でしかない猫猫に何が出来るというのだろうね?



良い

バレるかバレないかの瀬戸際を攻めるかのようなお話が見られる回となったような
風でスカートがめくれるなんてしょうもないEPだけれど、そこにはちょっとした心理戦も同時に存在している
村田が見ていないと誤魔化すようにルリコもルリコで見られても恥ずかしくないなんて誤魔化す。互いに内心がバレないよう冷や汗を掻く様子は微笑ましい
それで居ながら、普段着の自分がバレなかった時には不機嫌に成ってしまうのだから余計にルリコは可愛らしいね

一方で他人の内心をバラそうとしたのが飯島か
彼はアオナから売り子の裏側を聞き出そうとするけど、アオナは飯島の探りを否定する部分もあれば異なる言葉で言い換える部分もあったね
逆に問答を重ねる事によってアオナには飯島の事情の一端がバレていたような。だからこそ、彼女は球場の良さや自分の仕事観を話したのだろうし
それが転じて飯島が良い記事を書こうという心意気へと繋がり、そしてアオナ自身が先生として作りたい光景の理解へと繋がるのは良いね
いわば、自分に本当の自分がバレてしまった、なんて言えるかもしれないね



良い

鬼を斬る際に必ず名を尋ねる甚夜。それは相手を覚え続ける為のきっかけ作りのようにも、相手の本質を把握する為かのようにも思える
ただ、夜鷹が甚夜の表情から彼の心の本質を捉えた点を見るに後者の意味合いが強いと見るべきなのかな?
甚夜は鬼と成った身でありながら鬼退治をする。それもいつの日か妹を成敗する為に。己が哀しい身の上だからこそ、哀しく猛り狂う鬼が無くした本質を捉えてやろうとしてしまうのかもしれない

夜桜の鬼とて本質が垣間見える鬼だったような
遊女である為に受けた宿命から心まで壊してしまった。成れの果てとしか思えないその姿を夜鷹が気にしたのは、彼女とてあの鬼と似た在り方で生きているからか
人は己と似た在り方をしている者に感情移入して、時には入れ込んでしまう
そう思えば、奈津が甚夜に対して特別な関心を抱くようになったのも、己から遠いお伽噺の剣豪ではなく自分と同じ悩める人と知ったからと理解できるね

ただ、本作において本質は危ういものとも扱われているような
茂助の優しい妻が人喰い鬼として成り果てたように、鬼に変じれば容易に人の本質は揺らいでしまう
それだけに、突如甚夜に対しラブラブモードに変じた奈津の在り方はとても危うい。…まあ、あれはあれでめっちゃ可愛いのでこのまま継続して貰っても構わないんですけども
奈津の本質を取り戻す為には原因を退治しなければならない
原因らしき秋津の前に現れた甚夜は果たして退治屋や鬼か優しい兄か?また、秋津自身も何者か?次回にて双方の本質はどのように描かれるのだろうね



普通


とても良い

OPの新場面に居るマーチがまさかのあのシーンを映したものだったから冒頭からめっちゃ衝撃を受けてしまった……!
さておき、オグリが移った新たな環境は新たな環境なりの問題がある。カサマツとてオグリ入学時には様々な問題や衝突が起きた。ハイレベルな中央ならそれが起きないという話ではなく、起きる問題の種類が変わるだけ
ルドルフが言った「中央を無礼るなよ」は正鵠を射ているわけだ

これまでのオグリの目標は北原に釣られて東海ダービーを意識していた。カサマツを出て中央に来たなら新たな環境ならではの新たな目標が必要となる
ここでギャップとなるのは他のウマ娘達との差かな。ヤエノを初めとして、誰もがクラシック3冠などの目標を既に定めている。だから転入後に目標探しをしているオグリは異質と言えて
けど、異質故に目標と成りそうなものが見つかれば迷わない。それこそ皇帝に歯向かう程に
ルドルフの迫力は凄まじいもの。それは彼女が怖いウマ娘だから等の理由ではなく、彼女こそがあらゆる目標の頂点に君臨する存在だからか

ルドルフはダービーを目標として走ったウマ娘を駆逐して頂点へ辿り着いた存在。それ故に夢を軽んずる事を許さない
だとしたら、ルドルフと同じだけの迫力を持って宣戦布告を行ったオグリは夢を軽んじていないと言えるのか?という点は前回の北原と衝突し、彼と同じように悩んだ姿を見れば明らかなわけで
これからのオグリは己自身の力に頼り夢を掴み取る必要があると知れる遣り取りとなったような
中央という新たな戦場を前にして武者震いするオグリの姿は新たな覇者の誕生を予感させるものがあったけど、果たして…



良い

美食を求め日々を過ごしていれば当然のように遭遇する体重問題。特にまこの場合は食べる事への躊躇が時折無くなってしまうのだから危険度はあの面々の中で最も大きい
かといって食べないなんて選択肢はないのだから、運動して消費するしか無い。けれど、運動ばかりしていたら、それこそ美食から遠ざかってしまうわけで
チートデイだなんて物は言い様だけれど、適度に自分を許さないと日々の美食は楽しめない

体重がアカン事になったのはまこだけなのだけれど、そこで彼女だけが運動に励むのではなく、つつじやななも一緒に運動するのは良いね。彼女らの仲がとても深まっている、互いへ踏み込む事を許し合えているのだと判る
だから、ダイエット中のまこを食事に誘うだなんてちょっと罪深い行為もチートデイという言葉で許される
そうすればまこも厳しいダイエットに向き合う己を時には許してやれるわけだ。⋯⋯それが転じて、リバウンドしそうな食事の誘惑に負けるきっかとなるのは意志の弱さの問題かなぁなんて思ってしまうが(笑)



良い

かったるい声出しが実は日々の仕事に活きていたように、99回の無駄という監督の言葉に現れるように。全ては何かしら意味があり、何かが詰まっていると言えるかもしれなくて
関する要素は一宮と獅子尾の関係にも見られるね。一宮は獅子尾との差を見て自分は満たされていないと感じていたけれど、球場で働く者達と同じお米を食べて、自分は一人でないと気付けた。自分を応援してくれる人達によって己は満ち、己の存在とて無駄ではないと気付けた
まあ、そういう土台を描いたのに一宮と獅子尾が米派・パン派で物別れするのは何とも気の抜けたオチだったけどさ(笑)

ルリコがウィクベに載った。些細なインタビュー記事ではあるかもしれないけれど、表舞台に立たない者にとってそれは相手を遠く感じる話
一宮が成績から同い年の獅子尾を遠く感じたように村田もルリコを遠く感じてしまうもの
だというのに帰宅部という何て事ない共通項や変身!の言動から村田と同じ場所に居ると教えてくれる彼女は本当に魅力的で罪な女性ですよ
他方で村田も山田相手に罪な言動をしているのはどう解釈して良いものやら。村田は全く山田を特別な存在と認識していないのに、山田が勝手に勘違いしていく…(笑)



普通


良い

呪いの絵ではなく鈍けの絵なんて飛んだとんちが効いた話だね
曰くのある鬼の絵はまるで誰かを呪い殺すかのような美が籠められている。けれど、実態は養父の好きな人を美化した感情が鬱陶しい程に籠められたノロケ絵
それは絵の見た目からは想像できない本質であり、同時に甚夜が知らなかった養父の姿とも重なるね
というかこのようなトボけた感じの回が繰り広げられるとは思わなかったし。良い意味で本作の深みを実感できたよ

甚夜にとって養父とは大切な人を守る為に火中へ飛び込める勇ましい人物であり己を拾ってくれた大恩有る大きな人物だったのだろうな。それだけにノロケ絵の曰くはイメージをぶち壊す後悔しそうな話
対するおふうの言葉がいいね。甚夜が知らなかった一面も知っていた一面も変わらず養父その人を示す要素
だとしたら、以前再会した際に幼少時とは異なる印象を覚えた実父も同様かもしれず
彼らは親子の関係には戻れないかもしれない。けれど酒という幼少時には知らなかった一面を通して言葉を交わす甚夜と重蔵はあの頃は手に出来なかった関係を見つけられるように思えたよ



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