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良い

サブがゲーマーチームから誘われても、赤猫のチームを選ぶという温かいEPから始まったのに、最終回でクソ客を出してくる本作侮れない
当たり前の日常を続ける面でもチーム力は発揮されるが、問題が発生した時こそチーム力は最も輝く
あの瞬間、バカにされていたのは珠子か店か。その認識が最終回を飾るに相応しいお題でしたよ

珠子の元上司は猫がラーメンを作るという点にまずケチを付けたけど、最も言い掛かりを付けたのは珠子に対して。だからハナも珠子に怒るよう勧める
なのに珠子が怒ったのは赤猫のため。それも有ってか他の客も助勢するし、クリシュナも表に出てくる
あの瞬間は店員も客もOne Teamを形成していたね

今の珠子は赤猫の為に動ける人間。だからこそ心配なのは雇用条件を今も満たしているか
でも、そんなの要らぬ心配であるのは先の話を見れば判る事で。佐々木の来歴を明かされた事を含め、珠子は赤猫の一員として誰もが認めている
そうしてもっと明確な証である正社員登用が待っていたというのは良かったな

以前の職場で人間扱いされなかった珠子が猫のお店で「人間で初めての社員」へと認められるまでの物語だったのだと思うと中々に感慨深いものがある
猫のラーメン屋というファンタジーな代物を、それでも時には猫が働くとはどのような問題が有るかという点も含め描いた本作。穏やかな気持ちで楽しませて頂きましたよ



良い

修学旅行という常とは異なるグループが形成されるイベントが描かれた今回は人の繋がりを改めて感じる内容となったかな
早乙女が近づきたいと願う早瀬はまことも近付きたいと思う相手。そんな相手と仲良くなれたのは特殊イベントに拠るものではないというのが今回の要点だったのかな

以前、友達だった相手とまた友達になるというのはかなり勇気が必要。おまけにコミカルなお邪魔虫が次から次へと現れれば更に難しくなる
でも友達ともう一度友達に成るなんて、それこそ友達らしい事をすれば済む話かもしれず。着物レンタル辺りから普通の学友らしくなり距離が近付いたまことと早瀬の様子は微笑ましいね

でも、人と人の繋がりは時に痛みだって齎す
まことを女子と勘違いした男子生徒の振る舞いはまことから繋がりを奪うものだね。まことに裏切られた自分を守る為にまことがあの姿で学校に居る事を否定しようとした。それはまことから繋がりを絶たせてしまう。早瀬もその状態では容易には近づけない

そのような壁を突破するにはやはり勇気が必要で
早瀬の勇気を見た早乙女が同じように勇気を出して彼女と友達になるシーンは良かったな
そんな二人から勇気を貰ったまことが母親に向き合ったのは良い未来へ繋がるかと思ったけど……
向き合う事を許さない母の拒絶。そのルーツには何が在るのだろうね?



普通

人類最強の父・神雲を前に千夜に求められたのは己の成長を示す8年間の発揮
ただ、あの戦いは強い力をぶつけても、より強い力で返されると証明するものになったような
連続技を放つ千夜を強いと言うなら、いなす神雲は更に強い。二人をアマテラスで屈指させた無の民は更に強いという事になる。強さの連鎖に果てはない

神雲は千夜が願いを叶えるのに強さが必要だと言う。なのに人類最強とまで呼ばれた彼は望みを叶えられなかった。それはより強い力がより大きな願いを叶える訳では無いと証明してしまうようなもの
千夜はこの親子喧嘩を通して父に自身を認めさせたかったのに、別の力がやってきて願いを剥奪した。力が有っても力だけでは願いを叶えられない

無の民が召喚したアマテラスは最上級の力の証明となった。けど、他方で子供にとって最も強さの象徴と言えるのは父親かもしれない
アマテラスを前にして為す術なく呑まれた神雲がそれでも月湖だけは助けた。また、既に故人である為に力なんて無い筈の月湖の父も彼女を助けるのに一役買った
それらが叶う様子は力という言葉では説明できない強さを感じられるシーンでしたよ



良い

心理テストは深層心理を表すもの?という点はさておき、今のミラは意識した発言とその内心がチグハグな状況であるのは確か
悪の参謀として魔法少女を倒すと公言しながら、実態は白夜と逢瀬を重ねてばかり
白夜が心配と家を訪ね、そのままお泊りしてしまう今回はその乖離が強く出た印象

言葉と想いが違うという点で白夜は判りやすい
言葉はミラに一世一代の覚悟を思わせる程だったのに、実態はお化けが怖いというもの
でも、それだってミラを不思議存在でないと否定したい想いが強く出すぎてお化けが怖いという言葉になった
白夜がその調子だからミラも深層にある想いを引き出してしまう

敵対しているだけの関係なら、一緒に寝ていても何も思わない。眠れないなら言葉に表せない程の想いが在るからで
深層にある想いはもう表層に出かけている。特に白夜が寝言で「参謀さん」と何度も呟いて、ミラがそれに喜んだ事からも明らかで
後は二人が思いを認めるだけの段階であるように思えるが…



良い

のこの言動がカオスを巻き起こす事態は数多けれど、物言わぬ状態でもカオスを引き起こすのは厄介だなぁ(笑)
てか、あの光景には無反応なのに、タグには反応するクラスメイトは何なの…
カオスは必ずしも言葉を必要としない。そんな前フリを感じたね

マタギが襲い来るEPは意味判らん状況が一周回って意味判る…というか、のこってシカなのだから鹿狩りの標的にされる事も有るかと納得…
狩る者と狩られる者。そこに言葉は要らないから、二人は言葉を交わさないままに静かな勝負を始める訳だ
でも、校内でやるのは迷惑だから止めようね?

言葉を不要とする勝負、それだけに言葉が通じないギャルにマタギは負けるし、抗弁が効かないカミさんにも負ける。最終的に言い訳不可能な状況を押さえられ警察に連行されるのは可哀想だったが
謎の雰囲気が出てたシーンは面白い物が見られると思ったんだけどね…

言葉を介さないカオスを描いた後なだけに、余計なカオスを省きのんびりとした会話劇に終止したCパートの話には特に穏やかさを覚えたね
一緒に服を買いに行く道中、というひねりの無い構図は彼女らがこの物語において尊い絆を築いたのだと伝えてくる
それだけにラストの不穏さが何故起こったのか気になるが…



とても良い

しょうもない回に見せかけて重厚さが有りつつ、結局しょうもないオチで締める何ともバランス感覚の難しい回
冒頭、かじかんだ手で祈る時行の姿からは貢献への感謝と死なせた責任が感じられる。姿隠した死者に祈るのはそれに意味が有ると信じているから
祈りに力が有ると誰もが信じている

頼重の神力回復、どう見ても精力付けてるだけじゃん…というツッコミはさておき、胡散臭い頼重の言葉に従う時行は遊ばれてるようにしか見えないし、郎党からはヤバい勘違いもされる
見えない力を取り戻す工程の見える範囲は怪しさのみ。これらのシーンは見えないものよりも見えるものによる影響力の方が強いと示している

だとしたら、雫が見せたものは面白いね
普通は見えない神獣、されど時行は見てしまった。それは時行に不可思議を信じさせる理由になる
なら、釣られて頼重の力をも信じる背景となるね。神力が戻ったのは聖なる水だけでなく、頼重をより強く信じるようになったからかもしれない

そうして信じる、祈る強さを示しながらも、信仰の象徴を無自覚に餌と考える尊氏は既に人外の領域に到達しているのだと理解させられる。彼にとって信仰など喰らうもの。また、直感力も人外じみている
面白いのはそんな彼を実弟である直義も少し不気味に感じている点だろうか。見える繋がりを持つ弟からしても兄の正体は見定められない
見えるを喰らい、相手に見せない尊氏の恐ろしさを改めて感じたよ…



とても良い

自分は唯一の特別に成れないからと気遣って距離を取った筈なのに、それが最適解では無いと突き付けられる内容は心に来る……
今が最適解では無いなら他に最適解がある筈。でも少し考えて出せる答えじゃないから竜二も咲も苦しんだ訳で
それでもと、藻掻きながら自分達の在り方を探る彼らの姿はとても美しい

竜二が喜ぶ返答と関係を築いた筈が、まことが陥ったのは孤独の境遇
あの夢は自分の思慮の無さや本当の気持ちを教えるものになったけど、だからこそ単純な解は許されないとの自覚へと繋がる
でも、それで何かしらの答えを出せる訳でもないから余計に苦しむと

雁字搦めの状況、竜二とまことの遠慮を越えた配慮に拠って心の明るさを取り戻した咲が二人に仲直りの機会を用意するのは良かったなぁ
二人共、咲が自分達の為に行動してくれたと判っている。一人だけで答えが出せないとも判っている
だからちゃんと逢って話して答えを出すしか無いと、関係の選び直しへと進めた

まことと竜二は恋人でなくなってしまったけど、これまでに培った絆が有るから遊ぶ時間も言葉も途切れない
一方で全てを交わし合っていた訳では無いと判るのが隠れん坊の話か。あの時の経験は共有している。でもそこで何を思っていたかは知らなかった
それは相手の事を判っているつもりでも知らない部分が有る証拠であり、勝手に決めた関係も正しくないと示唆するもの

答えはまだ出せないけれど、一緒に居る事を選んだまことと竜二の新たな関係は尊い…
そして、人と人の関係といえば再会した咲と母親はかつての関係を取り戻せるのかという点が気になる。また、咲の祖母が再会に反対する理由も…
答えが見えないだけに希望と失望のどちらも有り得そうな…



とても良い

今回は縁の深まりを感じる内容となったかな
猫達の昼寝はいつの間にか珠子が自然に混ざり寝るように。それは珠子も猫達も互いを信頼してる証
また、文蔵にもかつて信頼が深まる瞬間が有り、それが今の赤猫へと繋がっているのかと思うと感慨深い

尽くしてくれる飼い主に貰われたのに文蔵は佐々木を信頼しなかった
そこにどんな違いがあるかは明瞭ではないが文蔵は見えない縁によって、佐々木ではなく先代店主を選んだのだろうね。また店主の方も言葉を覚えようとする文蔵を見て縁を覚えたようで
説明が難しいけれど、それは確かな繋がりと言える

珠子は子猫を拾ったが、検査もしてない子猫は誰とも触れ合えない。また子猫の側も心を開かない。その状況は珠子と子猫の間に縁が無い証明
それだけに脱走の如き脱兎の最中に相思相愛の飼い主を見つけたのは驚きだったな
あれこそ正に運命の出会いというやつだろうね

クリシュナが多少無理な細麺でも果敢に挑戦するのは数多の縁の上に成立する今の尊さを意識しているからかな。それはプレッシャーとなるだけに彼女をピリつかせてしまう
そこで尊い今へと多数の縁によって辿り着いた先輩・文蔵が手助けする流れはとても良かったよ



良い

幻術で作られた子供の国が描かれた今回は子供と大人の差、もしくは子供が子供を辞める時というのを強く感じた内容となったかな
幽界での姿が幼い千夜の本質は子供のまま。けれど。古恩の願いを聞き届け、子供の国から抜け出した彼は幾らか子供から卒業した。それによって絶対的な壁である父・神雲と向き合えたのだろうね

子供と大人というのは何も成長の度合いだけに留まる話ではなく、実力差にも適用できる話
月湖を危ない目に遭わせられないという千夜は彼女を対等な実力者と見ていないようなもの
また、山の神も圧倒的な高みから千夜やたまの願いを聞き入れるかどうかを決めている。それは誰よりも成熟した存在である証かもしれない

千夜と月湖が幻術に囚われたのは、少し子供らしさを残しているから。耐えられたたまも童心のように楽しめた時代を思い出せば意識を持ってかれてしまう
その状況で敢えて遊べた黒月斎は成熟した存在か
彼の在り様は別の面も教えてくれるね。大人も時には子供のように遊ぶ事もある

それらを踏まえれば千夜が神運を前にして「遊び」を誘えたのは面白い
今の千夜はかつて神雲の教えに従って居た頃の子供とは違う。また、正義にこだわる父の子供っぽさを見抜く背伸びも出来るようになった
命の取り合いではなく、聞き分けの悪い相手を黙らせる親子喧嘩。強大な力を持つ二人による戦いはどのような楽しみを提供してくれるのか、それこそ楽しみですよ



普通

白夜側もミラ側もしているのは作戦会議と呼ぶのも憚られる中身のない会話。でも、それは言ってしまえば豊かなコミュニケーション
白夜のちょっとアレな変身口上もお披露目されるし、ベラトリックスやベテルギウスのちょっとアレな本性も露わになる
その中で最も目立ったのが白夜と御使いの交流か

御使いはゲスいけれど白夜を最低限大事にしている。白夜と会話するのもそうだし、銭湯行くのも食事も一緒
それを優しさと勘違いしてしまうのは間違いだけど、衒いのないずけずけとした会話は二人に心の壁がない事を教えてくれる
これをそう呼ぶべきではないのだろうけど、それでも白夜が云うような家族っぽさを何処となく感じられる交流でしたよ



とても良い

自分は花粉症になったと認める認めないとかありふれたネタを導入に使いながら、結局のこというカオス因子が中心にいる事で徐々にいつものカオス展開になっていくのは本作らしい
のこは花粉に負けているけど、花粉に話までも支配させなかった訳だ
それでも自身の頭部を洗ってる様子は流石に怖いよ……

のこが巻き起こすカオスに虎子が巻き込まれる事でツッコミが響き渡るのが通常営業だけど、今回はひたすら傍観者に徹した為に普段と異なるカオスになったような
のこの遣り方はどう考えても生け花ではない。でも茶道部内にツッコミは居ないから彼女のカオスが部支配する
なのに、あれだけ汚染しながら飽きたという理由で去ってしまう彼女は本当に暴君のような存在ですよ

虎子とのこが絡まないカオスだけれどギャグ調ではない珍しいEP
めめが精魂込めた田植えの様子をメインに据えた本作にしては大人しい話なのだけど、そこでめめと餡子が静かな遣り取りに終始する事でいつにない雰囲気になっていたね
笑いの支配から逃れている為に感じられる穏やかさ。偶にはこんな話も良いかなとそう思える回でしたよ



普通


とても良い

咲はまことを特別に思えず、父から唯一の特別として扱われず。彼女を❝特別❞にしてくれる人は居ない
そんな咲が求めた本当の特別が遂に判明したけど、それによって今の咲はどうしたって望んだ特別は手に入らなくて、それを察してしまうから竜二が決断せざるを得ない内容が辛い…

父も誰も彼も咲の異変を気付いてやれなかったが、彼女を特別に思うまことは別。咲を一人にして置けないし拒絶されても関わろうとする
まことにとって今日は特別な日だと察して遠慮しようとする咲から言葉に表しきれない苦しみを出してやって、その上で抱き止めたまことは本当によくやったよ
ただ、タイミングが悪かっただけで…

竜二の特別はまことでも、まことの特別は竜二じゃない。それは男同士だからかもしれないし、友達だからかもしれない
竜二は竜二のままじゃ恋人に成れない
それでも、デートの際にはまことが似合いのプレゼントをくれるし、男二人の状況を気にするなら女装してくれる
まことの優しさは竜二が相手であっても変わらない

でも、それは恋人だけに向ける❝特別❞の優しさじゃない。そして、そのような優しさは竜二だって咲に向けている。特別を探す咲を恋人じゃない二人の優しさなら癒やしてやれる
また、まことのあのような拒絶が有ったのならば、竜二が無理を続ける理由はもう無くて
だとしても、まことを気遣う振り方をする竜二の優しさが痛い……



良い

誰かを推す感覚って、その人を好きな気持ちに留まらず、応援したり健康を祈る要素も含まれてくるのかな
その点が判り易いのが城崎だね。赤猫を手伝ってくれる彼は猫達から好かれている。それこそサービスされるくらいに赤猫は城崎を推している
似た要素がハナ等に適用された訳だ

ハナを取り戻しに来たヨーコはハナを大事にしている。だからハナの為に無理をした
でもハナだってヨーコが大事。彼女を苦しみから解放する為に離れる選択をした
意見対立を起こす二人を赤猫推しの御所川原が引き離すのは面白い構図。相手を大事にする気持ちが判るから仲裁に入れる

相手を大事にする仕方が判れば離れていても大丈夫。ハナは赤猫で働けるし、ヨーコは元いた場所へ戻れる
今のハナは赤猫やそこで働く猫達を推していると言えるのかな。ヨーコもハナが何を大事にしているかを理解できれば彼女の新たな生き方を肯定できる
赤猫お薦めのスペシャルをヨーコ達が頼むラストは良かったな



良い

絶対強者と成り果て強固な結果に守られる迅火を見た千夜達が求めるのは更なる強さ
迅火と相まみえる強さになるにはどうしたら良いか?それぞれ思い悩む前に現れたのはまた別の強者・泰山
狂い神になった上に断怪衆時代を無かったこと扱い。そんな彼を見ると強さは持つだけじゃなく、どのように活かすのかという点も問題になってくると判るね

強さへの悩みが特に強く出たのは月湖だね
前々からどうしたら千夜に届くのかと悩み続けた彼女の悩みは深いからたまや先人達の助言が必要になるが、それでも実際に強くならない限り悩みは晴れない
千夜に並び立とうとするならば彼女は正道で居られない。だからこその邪道
ヤバい感じの爺さんに師事する事になった月湖はどのような強さを手にし、それを千夜の為に使うのかな?

千夜は幽界干渉で無の民に対抗できるようになった。その意味では単純な強さは頭打ち状態。更なる強者に敵う思う方法が無いから父の助け方も思い付かない
そんな千夜にとって古恩との出会いは良い契機。衰弱した彼をどのように助け、その願いを聞き届けるか
それは己の強さをどう使うかという話に通じるもの

古恩から託された煙管は千夜に父と再会する別の理由を授けるものであり、ただ強いだけで為せるものなど無いと思い知らせるもの
だというのに、千夜の中の闇達が自分達に出来ない事など無いと伝えてくれるのは良いね
己に纏わり付いた余計な弱気を吹き飛ばすような遠吠えは彼がまた一つ成長した証に思えましたよ



とても良い

これは甘い、とても甘いなぁ
クリスマスという特別なイベントを舞台に繰り広げられる甘いひと時
悪の組織もクリスマスを祝う光景に違和感はあるが、その普通ではない時間が白夜とミラという普通ではない関係性の二人にとって良い作用となっている
二人が共に過ごす時間が尊く感じられるよ

一緒に買い物をして、一緒に料理を作って。それ自体は二人の関係性を無視すれば一般的などこでも見られる光景
一緒に食べて、美味しいと言って。それは普通の光景だから良さが輝くもの。加えて2人が本来は敵同士で、でもあの瞬間だけは敵を辞めていたならば尊さばかりを覚える光景

貴重な時間は2人に更なる一歩を踏み出させるね。ついに名前呼びだなんて
敵同士で本来は殺し合いをする関係なのに、二人は敵という言葉で片付けられない関係を築いてしまった。「今日は敵同士じゃない」と言い訳をしたけれど、じゃあ明日からは敵に戻れるのかといえばそう成らない筈で
これからの話しがより楽しみに思える回でしたよ



とても良い

ぬるっとサザエさん時空に突入した本作、だと云うのに早速季節ネタをぶち込んでくるなんてね
その時点で時間管理は失敗。なのに虎子は体育祭のタイムスケジュールを気にして心を擦り減らす。その状況だけでも面白いのに最大の原因がのこによって汚染される現実である為に尚の事面白い(笑)

これまでものこの存在は日野市の日常をシカ空間へと侵食してきたが、それが体育祭という狭いイベントに集約される事でカオスが極まる状況に
ていうか、のこによるシカネタを可怪しいと認識しているのが虎子と燕谷兄しか居ないって本当に異常な事だと思うよ
でもそれが面白さに拍車をかけている

のこが際限なく暴走すれば虎子の心労は溜まるばかり。発散できないのはこれが部室ではなく体育祭だから
そんなだから理性は極限に達した心労によって破られるのは当然の成り行きだったのだろうね
でも、それによってカオスまで破られたわけじゃない、だから虎子が実はヤンキーだという事実もあっさり受け入れられてしまう

結果的にカオスが虎子を救ったと言える。また、誰もが楽しめる体育祭にする面でも上手く作用したと言えるのだろうね
それにしても、虎子の精神にダメージを与える為とはいえトラブルが立て続けにやってくる様は流石に可哀想としか言い様が無い。あと、皆がチアを楽しむ横で穴を埋めているのも可哀想で可愛かったな(笑)



とても良い

表面上は小手先の攻撃である時行の必殺剣は殺意を隠したものだね
あの程度なら斬られても大した事はないと相手は侮る。けれど剣の狙いは非情、斬り勝つのではなく逃げ勝ちを目指したもの
仏の刀に騙され鬼の心を見抜けなかった者は負けてしまう恐ろしい技のようで

今回は瘴奸と時行、どちらが有能な主かという点も競われていたね
荒くれ者にすれば殺しの快楽を与えられない時行は無能。他方で瘴奸も有能な主としないのだから恐ろしい。能を隠しいざとなれば成り上がるつもりの腐乱の本質を見抜けていない
でも腐乱の在り方は部下の在り方ではない。間接的に部下の無能も示されている

対して時行が与えるは弱者の救済
村の子供達を守るだけに留まらず瘴奸をも救っている。領地を得られなかった事に納得がいかず暴力の闇に堕ちた彼にとって攻撃が通じない時行は力の否定、肯定の救い
また、瘴奸に領地を与え武士として召し抱えた貞宗も有能な主と言えるのだろうね

戦いが終われば隠したものが露わに
変人頼重は真に時行を心配していた。吹雪に時行の正体は明かされた
そうすれば吹雪は時行に隠された牙に気付ける、天下を狙えると知れる
時行の郎党も揃ったようだし、これからの彼らの飛躍がどこまで天下や尊氏に届くか見ものですよ



とても良い

まことと付き合えて夢見心地となりつつも、現実を見据えている竜二はしっかりしている
それは浮かれていてもまことの心情を想像できているからで
そういった姿が描かれているからこそ、他者の内心への想像が足りていないまことや咲の父親の様子が嫌な感じに目立ってしまう……

竜二だけでなく咲も他者の内心の想像力に秀でたタイプだね。というか、母が居なくなった事で父親に嫌われまいとしてその能力を伸ばしたタイプと云うか
だから、浮かれた竜二から事情をすぐに想像できる。自分は邪魔とも理解できる
他者の事情を想像できる力は反面相手に気遣う遠慮に通じてしまう

そう思えばこそ、咲が恐怖の瞬間に竜二を頼ったのは印象的。嫌われて構わない相手と考えての選択だけど、遠慮が過ぎる咲にとって気を遣わなくて良い相手というのは貴重に思える
竜二の返しは良いね。明確に拒絶するのではなく、咲の不安など要らぬものだと諭してくれる
相手にとって必要な言葉を想像できる二人による優しい会話

そのような印象を抱いた後だから、咲の心情を全く想像できていない父親の言動がもう本当にキツい……
遠慮の無い言葉が原因で母親が去った認識を持つ咲にとって、父親に我が儘を言えるわけがなくて。娘の遠慮に甘えて自分の好きを貫いている様子はアカンとしか言い様がない

他方で、竜二とまことの様子も心配
クリスマスの予定は決めたものの、竜二の心情をあまり想像できていない為に思いっきり聞いてしまうまことには何とも言えない
まことがあのような事を聞けば竜二は相手の心情を想像して自制せざるを得なくなる、関係の真実を意識せざるを得なくなる
そうなれば苦しさばかりが際立つ。やはり二人の未来には破綻しか想像できないが…



良い

取っておきを勝手に食べたのはアイツだ!と決めつけた事で喧嘩発生、犯人は別に悪気の無かった人というのはコメディとしては王道展開。それだけに心配よりワクワクした気持ちが前に出てしまう
つい犯人探しに精を出しちゃう珠子達の様子や、完全被害者なハナの苛つきっぷりには笑ってしまったよ

驚きの逆ナンからイイ感じになった滝と佐倉、と思いきや自分の事情をあんまり話してなかった滝の不器用さや試合に勝てないタイプというのは意外だったな
彼に足りないのは思い切り。今回勇気を出したクリシュナや戦いのコツを弁えている猫達のような
守る為という戦う理由を手にした彼のこれからはもう少し思い切りの良いものに成りそうな予感

個人情報が明かされる度に意外性マシマシになる佐々木、本名のインパクトが凄い…!
いや、拾ったばかりの頃の子猫に付ける名前としてはアリなんだけど、成長して経営者としてバリバリにやっている身だと気恥ずかしさは隠せない
でも、「呼んで良いのは一人だけ」との台詞に彼がその名前を大切に扱っているのだと伝わってきたよ



とても良い

冒頭の青年の台詞が多くを表している回だった印象
義輝の死は甚大な喪失感を齎したが、千夜の中に義輝の教えは生き続けているし、義輝に出会った事で新たな千夜が生まれ落ちたと言える。義輝が居たから今の千夜が居る。それは何も失っていないようなもの
失っていないから旅の終わりは喪失を意味しない

失うという点では記憶喪失になる以前の千夜も実は失われたものではないようで
斬蔵との会話により今と昔の千夜には違いが有ると判る。今の千夜は自分を兵器と思わずに居られる。でも昔に身につけた能力があるから謎の5人組とも兵器のような強さを以って対峙できる
その上で、義昭の言葉が彼に兵器ではない強さを与えてくれる

失ったものなど無く全てを持ったままであるなら、その身や心は成長を続けていると言えるのかな
それが具象化したのが闇達の取った姿が千夜であった点か
以前は対立も見られた千夜と闇達。けれど、彼らが思う最強が千夜であり、そんな彼らを千夜が己と思うなら、千夜の在り方は全てを持ち合わせているようなもの
その境地に至れた変化は千夜が旅で手にした最も大きい認識だろうね

一方で、失っていない点が成長した千夜に妙な響き方をしているのは面白い
月湖はうわばみの気配を感じさせるくらいに酒を好む成長を見せたのに、共に居る千夜の内面は子供のまま。悪い意味で子供らしさを失ってないようで(笑)
さておき、失ったものを取り戻す為の旅は遂に迅火のいる場所へ。これは旅の終わりか、終わりの旅の始まりか…



普通

御使いの一時退場や火花参戦がありつつも、ミラと白夜の関係は良い意味で安定中
白夜が御使いに絞られているのも、ミラが白夜に贈り物を考えているのも
違うのは季節感。近づくクリスマスは二人の関係に意味を与えるものだね。贈り物や傍に居る理由。それは愛を探る二人にとって大きな違い

ミラが考えていた贈り物は種類によって意味が違うらしい。白夜が作るお菓子は籠める心に拠って他と競えない程の意味が生まれるのだとか
そして、時期がクリスマスともなれば周囲が騒ぎ出してしまう程に恋愛が意識される
それらはどちらかというと外側の反応だね。周囲が先に意識して、それにより当事者が遅れて意識する

だから、終盤の二人だけのシーンは散々に意識した後の光景
白夜の言葉で暴走するミラも、バイトに勤しむ白夜もいつも通り。けれど、意識しているから〝特別〟の意味を探りたくなる。クリスマスの予定を聞いて、一緒に過ごす約束をして
どうやら次回は身悶えするくらいに甘い回となりそうな予感…



全体
良くない
映像
普通
キャラクター
普通
ストーリー
良くない
音楽
良い

何だかゲームのプレイ動画を見ているかのような気分になってしまった…
あと、事前にADPを見ておけば良かったとか、設定周りの再確認とかしておけば良かったとか少し後悔

ADPの発表等は有ったけど、TVシリーズの後日譚ともなると本映画までに存在する現実時間の乖離をどう整理するかと気になっていたけど、まさか冒頭部分に振り返り総集編を入れてくるとは思わなかったな
それによって内容や物語のキーとなる部分については思い出せたけど、劇場作品でそれをやるって凄い判断…

けれど、そうして物語を時系列で整理する事で見えてくるのは主人公ソゴル・キョウにとって月面基地での死が彼という存在の分かれ目であり、物語としてもそこが分岐点となっている点
そのように印象付けられていたから、本作本編のオルタモーダ編においてキョウの死と云う要素が前面に出てくるのは驚きと共に納得感が有ったよ
というか、ここに来て失われた筈の旧ソゴル・キョウを拾い上げてくるとは思わなかった

新キョウは実体化した為にセレブラントとして以前のように戦う事は出来ない。それは主人公性の喪失かもしれない。そこを埋めるように旧キョウが戦うなんてね。でも、旧キョウとてデータ欠損が多く満足に戦えやしない
オルタモーダ編においてどちらも不完全な存在。だからこそ、補完存在が必要になるわけだ。という理屈は判るものの、まさか新キョウと旧キョウが共にゼーガペインに乗る瞬間が見られるなんてなぁ。流石にあのシーンは胸が熱くなってしまったよ。てか、普通は自分のドッペルゲンガーを見たらもっとパニックになったって可怪しくないだろうにあんまり慌てずに対応できる辺り、やはりソゴル・キョウと云う人間は地頭が良いというか

そういった部分を他にも感じられるシーンとして、旧キョウが自分はサルベージデータの残り滓に過ぎないと知った後のリアクションにも現れているね
今の自分は忘れ去られていた存在であり、ソゴル・キョウを継承した存在は全てを掬い上げる活躍を見せた。また、欠損の多い自分には活動限界が存在している
通常であれば悲観せずに居られない状況。だと云うのに、TVシリーズにおいてデータでしか無い自分をそれでも生きていると定義したように、あの状態の自分を前向きに捉えられる彼は強い人間だと思えたよ
そのような人物だからこそ、旧キョウと新キョウが限られた会話の中で判り合って共に戦う姿は熱く感じられる

その後に不完全なキョウを補完する存在としてヒロイン格であるリョーコとシズノがそれぞれ当て嵌まる流れも良かったなぁ
TVシリーズの不満とまでは行かないけど、何とかして欲しかったなと思ってしまった点は想い人を喪いそれでもキョウの傍で戦い続けたシズノについて万全な救いが有ったとは言い切れない印象が有っただけにソゴル・キョウの分離…というか旧キョウのサルベージによって報われたのは本当に良かったと思えるよ

本作の敵として登場したオルタモーダについては、あまり飲み込めなかったと云うか自分の読解力が不足していたと云うか…
何となくの理解は出来るのだけど、つまりオルタモーダはあの戦いを通して自分達の存在をどうしたかったのか、またキョウに敗れた後の心境はどのようなものだったのかという点があまり飲み込めなかった…
これは他の方の感想やら解説やらを見れば、判る部分があるのだろうか?

特に???な気分になってしまったのがキービジュアルのど真ん中に居て序盤にてキョウに対し匂わせぶりな発言をするツクルナって結局何だったの…?ハル・ヴェルトのコピーだけど、バグ的な存在としてオルタモーダに反発してたみたいな感じなの……?

不満点として触れずに居られない点はカットの使い回しが目立ってしまった点かな…
ゼーガペインの戦闘描写について不満は全く無いのだけど、その代わりとしてオルタモーダの描写を中心として使い回しがはっきり判るレベルで幾つも散見されたのは流石に気になってしまった……

また、唐突な展開や繋がらない場面の多さも気になってしまった
物語が記憶喪失になった旧キョウと突如襲いかかるオルタモーダという構図から始まっているから仕方ないのかも知れないが、話の大部分に唐突感というか手順を踏んだ構成となっていない印象を覚えてしまった
というより、情報開示→イベントバトル→情報開示→イベントバトル……みたいな構成だったような…。それに類する点として、Aというキャラはつい先程までX地点に居た筈なのに何の繋ぎもなくY地点へと立っている、みたいな描写も見られたからなぁ……

元となった作品がパチスロとの話だけど、もしかしてそちらの映像を再利用しているとかそういう事情なんだろうか…?

ファンとしては再びあの物語を見られた事は嬉しく、またシズノの救済が行われたのも好印象なのだけど、粗がかなり目立つ作品と感じられてしまったよ…



良い

放送は真夏なのに新年を意識した表現を入れてくるって季節感ぶっ壊れてて好き
さておき、のこの正体がただのシカとも思えない描写は各所に在ったが、遂に神様になっちゃったよ、あの子
シカ要素を押し出せば何でもありだねこの作品は(笑)

初詣に行ったら同級生を拝む事になったとは意味不明にも程があるが、最も意味不明な点は日野市民がこの状況を受け入れている点か
というか、日野はなぜ此処までシカに侵食されてるのか?のこが可怪しいと云うよりあの世界そのものが可怪しいのではと思えるよ
ただ、角汁に繋げるオチは好き

人生ゲームにはその人の性格が出るもの。加えてシカ要素が濃いゲームならのこが強いのは当たり前
虎子と餡子がシカ要素がなくても辿れそうな人生なら、のこはシカでなければ至れない境地
いや、真面目に考えるとシカがヘラジカにとか、アメリカオチにどう繋がるのとか思考を麻痺させてくるけど、それはそれとしてのこの謎シカ要素をこれでもかと感じるEPでしたよ



とても良い

時行はまた新たな必殺技を取得したのか。それがどのような技かは明かされなかったけど、今回描かれたものを見るとそのヒントの片鱗が在るような…?
援軍は来ているけれど、メインは大人と子供の戦い。本来は力量差でまともな勝負になる筈は無い。けれど、対するは子供だという意識が瘴奸達に大人と大人の勝負で生ずる筈がない意識を生んでいるね

攻めようとした瘴奸達への伏兵の張り方は容赦がなく命を喰らってくる。けれど、瘴奸とて容赦ない。氷地帯を通る為に人の道を作り出す
ここには悪党の戦い方が存在するね。武士団のように名乗りを上げて戦うのではなく、命の取り合いとして相手を殺す為なら何をしても良い不文律
そして瘴奸こそ命の取り合いに最も秀でた存在かな

そんな悪党と切り合える狐次郎や亜也子は素晴らしいけれど、瘴奸が子供は殺さず奴隷にするというこだわりがある為に死なずに済んだ面もある。それは時行も同じ。瘴奸が生け捕りなど考えず時行を殺す事に全力であればあの一対一は成立しない
だとしたら、時行が子供であり非力な点が状況打開の必殺技に通じるような気もしてしまうが…

鬼の心で仏の刀、類稀なる外道・瘴奸を前にして憤り成敗しようとする時行は仏像を背にした点も合わさってまるで彼自身が鬼とも仏とも見分けがつかない存在になったかのように感じられたよ
仏など居ないと刀を振り下ろした瘴奸を返り討ちにした時行の面は鬼か仏か。それが明かされるだろう次回が楽しみですよ



良くない


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