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良い

霧島透子を名乗る岩見沢寧々とはどのような人物かを探る話となっているのに、探れば探る程に霧島透子も岩見沢寧々も曖昧となっていくのは恐ろしい構図
寧々が誰からも観測されない状況は、かつての麻衣が咲太に救われずそのままを過ごすIFの姿かに思える。それだけに寧々を救うべきは咲太ではなく、福山であるべきなのだけど、肝心の福山に寧々は観測できない。その手遅れ感が更に状況を悪化させる
寧々も福山も忘れてしまった大切な事。それをどう思い出せるのか。状況解決に必要な一手がむしろ状況を悪化させるというのは如何ともし難い話だね

岩見沢寧々が岩見沢寧々という形を失っていくのと時を同じくして、霧島透子も霧島透子という存在を曖昧にさせるね
最初は特定の誰かが霧島透子を名乗っているのかと思われた。けど、動画を通して察せられるのは多くの人が霧島透子に成り代わる事態。もはやこれじゃ霧島透子は現象だね。そこに人を見る事は出来ない。同様に自分が寧々であると忘れた彼女も人間らしさを置き忘れたかのよう
誰かの悪意ではなく現象が麻衣の命を狙い出したかのような事態に対して、どこまで咲太は麻衣を守れるのか、そしてそんな咲太を麻衣はどう見守ってくれるのか。次回に期待ですよ



とても良い

オープニングがこれまでの振り返りだったり、ゲストキャラが勢揃いしたりする要素は最終回らしさに溢れているね。まあ、同時に未知の人物達をラストにぶち込んでくるのも最終回感はあるんだけど、それらを組み合わせた事で最終回らしさが減って名雲と真白の探偵日和はまだまだ続くのだとも思えるね
そんな最終回は探偵事務所喪失の危機という急場でありながら、何とも普段通りといった印象の内容。それで居ながら話の構図は名雲と真白がどのような関係か表しているかのよう

アスレチックを前にしての二人羽織や真白でマウスパッド作ったり歌唱したり。それらに共通するのは真白が鉄砲玉のように困難に立ち向かっていく構図
既に身体が衰え始めた名雲にとってフィジカル的な無理が出来る真白は最高の相棒。けど、真白は考えなしに突っ込むから、名雲が年の功で以て備えておく必要がある。2人は役割分担が出来ていると判るね
でも、実際は二人共しょうもない部分もあるからアスナロやマキ、アズハの助けが要る。それが彼らの日常を愉快痛快でカオスな笑える日常へと変化させてくれている

最終エピソードは探偵らしく警察の闇を暴く!…筈が(笑)
まあ、雑な導入の時点で勘違いか何かなんだろうとは思っていたけど、想像以上にしょうもない真実だったね!
結局、名雲も真白も期限までにお金は稼げず。けれど、それで終わりとせず「何とかなる」の精神でやっていって、本当に何とかなるのは名探偵として10年以上のキャリアを持つ名雲ならではの在り方か。だというのに結局は真白に振り回されてトラブルへと突き進むのだからこの組み合わせは面白いですよ
ノーマーク状態から予想以上に楽しめた本作。機会があれば再び楽しみたいものです



普通


とても良い

れな子と紫陽花の家出旅行に混ざり込んだ真唯の登場によって二人が形成していた時間が崩れてしまうのではないかと危惧させられたけど、良い意味でそうはならなかったね
真唯は確かにれな子を放っておけない一心でやって来たかもしれない。けど、れな子や紫陽花を不快にしたいわけじゃないし、真唯も紫陽花も気遣いの出来る人物。それ故に突如真唯が混ざり込んだ旅行となっても心地良い雰囲気が守られたのだろうね
その反面、気遣いの出来る真唯だからこそ気遣う紫陽花の心へと鋭く切り込めたのだろうね

駄菓子屋でメニュー作りをしたり、一緒に記念写真を撮ったり、祭を浴衣で楽しんだり
それらは突貫的に始まった旅行とは思えない程に充実しているね。これらは真唯のお陰に拠る処が大きいね
紫陽花は前回描かれたように共に行動する者に楽しくない思いをさせないように気遣うタイプと明かされたけど、真唯は共に過ごす者に最良の時間を提供するエスコートタイプかな
ただ、それは花取が言ったように真唯の「寛大なご厚意」によって成り立っている

だから真唯にはあの雰囲気に釘を刺せる。正確には紫陽花がれな子の同行をなあなあで済ませられないと金銭の負担を申し出たように、家出先で見出すべき何かに気付いていない紫陽花に対して自覚するよう促す権利が在る
欲しい物を欲しいと言わず、他者との調和を優先していた紫陽花に欲しい物へと手を伸ばさせる為に。これこそ紫陽花が家出旅行において、本当に向き合わなければならない問題だったと言えるのかもしれない

紫陽花がその答えを見出そうとする場合、れな子が同行する家出の中では難しいし、既にれな子への恋心に迷いを抱かずれな子を欲している真唯の存在が在るならば別の問題も生じうる
けど彼女の中で答えは旅に出る前から出ていたというのは驚き。でも、紫陽花は自身の調和を崩さない為にそれを直視して来なかったわけか
真唯に背を押され、れな子の笑顔に出迎えられ。それでも紫陽花はれな子に伝えられなかった。調和から抜け出す事を正しいとするか、真唯やれな子との調和を保つ事を正しいとするか。紫陽花の家出旅行はまだ終わらないようです



良い

今回はモブキャラがやたらと濃い内容だったな……
さておき、花梨が主役と言える格ゲー大会。リリーと葵衣は参加する事に意味があるといった風情だけど、花梨の場合は優勝すら一つの経過点となっているのは面白いね
打倒蓮司が一つの始まりである彼女にとって、どれだけ強くなっても蓮司に勝てないのであれば意味がない。そして強者である蓮司と再戦するに相応しい自分であると証明する為に優勝は一つの箔として必要だったわけだ

花梨の前には愉快なモブ達やら意外な伏兵・望月が登場したわけだけど、彼女にとってそれら全ては前哨戦でありながら、強さの文化交流とも言えるのかな?
モブ達は兎も角、望月の立ち回りは格ゲーマーである花梨にとっては少し異文化、苦戦させられる。だからこそ、自分の文化・戦い方を研ぎ澄ます必要に駆られる
あの決勝を経た花梨は更に強くなっていたように思うのだけど、蓮司はそれを上回るのか…。蓮司の強さが異文化を通り越してどれだけ異次元なのかと気になるね…
それでも今回の涙は花梨にとって良い交流となったのだろうね



とても良い

好きな人に何を渡したいか、その悩みは相手に何を伝えたいかという悩みへと連結されるもの
凛太郎は何か気の利いた物をパッと渡せるタイプではない。それだけに杏子のアドバイスは良かったね。ケーキ屋に生まれた凛太郎は他の人よりもケーキに永く触れてきた人間だし、薫子は凛太郎の家のケーキを好んで繋がりが生まれた相手
だから、薫子に何か伝えたいならば、その手段にケーキを選ぶのは最も相応しい遣り方に成り得るわけだ

圭一郎の問い掛けはとても的を射たもの。誰かへの贈り物であるならば美味しいのは当然として、そこに何を籠めたいかが課題になる
ここで凛太郎が薫子に伝えたい想いを言葉に出来なかったら問題外だったのだろうけど、彼は不器用でも何を伝えたいかを明確に出来た。それはきっとケーキ作りの腕前以前の課題だったのだろうな
そう思えば、凛太郎が学校でぶっ倒れるくらいの労力となっても弱音を吐かなかったのはその困難に納得できたからだろうね。薫子に伝える感謝を容易に形作れると思っていない

だからか、受け取ったケーキが凛太郎の手作りであると知った瞬間に薫子が描いた表情はその時点で凛太郎の想いの一口目が届いたからかな
あれは誕生日ケーキであって、誕生日ケーキを超える想い。「美味しい…」との台詞には凛太郎から贈られた感謝を味わい、そして作ってくれた事への感謝が籠められているように思えたよ
てか、ちょっと見ただけでも手間隙かけて喜んで貰えるように精魂込めて作ったと判るケーキだったのはちょっと羨ましくなるね

そうしたケーキは味わい以上の想いを持っているから実際に食べたわけでもない相手へも届く
凛太郎の育ちを見守ってきた杏子と圭一郎は誰かの為にケーキを作りたいと願うようになった姿にも、作ったケーキを美味しいと言って貰えた事への喜びに詰まった想いも感じ取れる
それどころか、凛太郎は更なる要望を口にしたね。家業を手伝いたいなんて大抵の親が喜ぶのではなかろうか
でも、杏子と圭一郎が喜んだのはもっと別の事で。「よく笑うようになった」との台詞に籠められた感慨に凛太郎にこれまで与え、そして返された想いの深さを見るかのようでしたよ



とても良い

今回は「好き」の否定や懸念が背景に存在するエピソードとなっただけに普段より少しだけ重めの話となりましたね…
魔法少女以外はコスしない紗寿叶の根幹にあるのは魔法少女のイメージを崩すというより、自身のイメージを崩せない諦観が有ったような。体型が控えめな紗寿叶という枠を崩せない限りブラックロベリアには成れない
でも、そうした思い込みのように形作られた枠をそれこそ思い込みによって崩すのがコスプレであると描く内容は良かったなぁ

都が教えるコス技術はそれこそ諦めなかった事による賜物だね
彼女が当初望んだのは自分とは似ても似つかない人物に成り切ること。まず性別が違うし身長も違うし顔付きも違う。自分という枠から地続きのまま成り切る事は難しい
そこで彼女が行ったのはそれこそ枠を誤魔化すようなマジックだね。アイテムを使い、更に写真である事を活かして余分な現実を枠から外して
…結果、そのような別現実を切り取る心寿達の姿が人から見られたらやばい状態になっていたのはきっと御愛嬌

そうして枠を仮初でも打ち破れた事で、紗寿叶が密かにぶち当たっていた別の諦観も破れたようで
自分という枠を崩せないから自分に似ていない体型のコスはしない。この考えは放置したまま大人になったら「もう大人なのだからコスは出来ない」という諦めへと繋がってしまうもの
それを崩してくれた都達は本当に良い存在だね。そのように思えるのは紗寿叶だけでなく、過去には旭の諦観すらも打ち破っていたと知れるからか

旭が親から押し付けられていた枠は彼女から「好き」を奪ってしまうもの
それでも一瞬だけ顔を出した「好き」を都達が拾い上げ、そして彼女を現実から切り離された枠を用いて「好き」を楽しめるようにした。それは何も人助けとして有り難いものとして行われた行為ではないから、旭も彼女らに「好き」を返せる
この構図は新菜と海夢にも言えるものだね。新菜は海夢に引き上げられた事で自分の好きを肯定できたし、コス衣装制作を楽しくやれている。人は思いも依らない出会いによって誰かを押し潰す枠を壊して遣れるのかもしれない
だとしたら、旭が海夢を嫌っているかもしれない現実も崩せるのではないかと思ってしまうが…



良い

これまでは背景の一つに過ぎず、影響があるとしても赤城が人助けの参考にした程度だった「夢見る」が遂に大規模な形で日常の侵食を始めた様に静かな恐怖を覚えてしまうね
誰か数人が予知夢を見るだけだったら偶然と否定する事もできる。けれど現実のニュースで影響の一端が語られる程に多数が共有するようになった予知夢はもはや現実の侵食と変わらない
「夢見る」の広がりは咲太と麻衣の日常が変容して行く様を見せられているかのよう

咲太達が見た夢だけでも現実が塗り替えられるかのような空恐ろしさを持っているのに、古賀が教えてくれたのは更なる恐ろしげな予知夢だね
古賀が見たのは皆の予知夢に反する夢。それは予知夢の世界がもう一つの可能性の世界である点を考えれば、麻衣の危機を一つ取り除いても別の危機が迫っていると知らせているかのよう
咲太は麻衣を守る為に塗り替えられる現実へ早急に対処する必要がある。そんなタイミングで明らかになるのは霧島透子を名乗る寧々とて塗り替えられた存在かもしれないという可能性か

麻衣のように姿が見えなくなっている寧々は存在が無へと塗り替えられている。その影響はホームページだけでなく、彼女と関係ある人物へと。ここに来て福山が寧々の関係者と示唆される展開は衝撃的
ならば、思春期症候群を配っていたという寧々は他者を塗り替える加害者ではなく、塗り替えられた被害者である可能性すら浮かんでくる。その意味では美東の示唆は面白い
これまで真実と思っていた自称が別の真実へと塗り替えられる渦中、大勢の人が未来を覗き込む夢を見るのを他所に何も見なかった麻衣に近付く事故の未来。これを咲太は別の未来へと塗り替えられるのかな?



とても良い

閉鎖的な村に霊能力者とか、こうしたフォーマットを見るとTRICKを思い浮かべてしまう人間なんですが、TRICK成分は主に真白が担当して名雲はある程度真っ当に探偵をしていたね
いや、それでも真っ当に推理するパートより、真白とババ様が対決するパートの方が長かった気がするが。そもそも本作に真っ当な推理を求める方が間違いだろうし
そんな今回は閉鎖的な村にて愛乱が巻き起こす信仰のズレが面白く描かれた回だったね

愛乱を中核とした村の信仰は強固。特に何度も真白の前に立ちはだかるババ様は象徴的
それだけに愛乱こそ信仰に逆らう者であり、信仰に呑まれた弱き女性を助けようとしていたズラしの構図は驚き。まあ、その動機も驚きだったけどさ(笑)
その意味では探偵が処刑を見守る行為が事件解決に繋がるし、閉鎖的な村に警察が突入して事件解決という流れもズラしが効いていて面白いね
そして、妙ちきりんなエンディングを聴かされた後に訪れる本当の事件。既に名探偵の名声に手が届かない名雲には流石に解決が難しい気がするけど、この難事件にどう挑むのだろうね?



普通


とても良い

二人きりの家出旅行は互いの本性を露わにするものに
紫陽花が旅費を全額負担しようとしたのは配慮に満ちた彼女らしさが垣間見える。でも、これはれな子が勝手に同行した旅である以上、れな子はそのような遠慮や壁は許せない。というか、家出に踏み込んだれな子は更に紫陽花へ踏み込むわけだ
そうすると見えてくるのは紫陽花という人間がどのような少女であるかとの点だね。紫陽花はただの天使ではなく、他人に優しく出来る少女であるのだと見えてきたよ

卓球しながらの口論は無茶苦茶。てか、そこでのれな子の要求も無茶苦茶。だからか、対する紫陽花も言っている事が無茶苦茶となり、普段なら口に出さないだろう事まで伝えてくれるね
自分の為、人に優しくする。それを嫌悪する紫陽花の姿は一種の本性と言える。なのに、それを全肯定してしまうれな子はそれこそ優しいのだけれど厄介だよなぁ(笑)
対するれな子も自分の本性を垣間見せるのだけど、そんなれな子を紫陽花も肯定するね。互いにネガティブに捉える本性を肯定し合う。それは補足関係であり、良いも悪いも共有しているかのよう

本性を明かしあった次は裸の付き合い…なのだけど、一緒に温泉へ入るだけに留まらず何で揉む流れに…?
ある意味、れな子の本性に巻き込まれつつ在る紫陽花が気にするのはれな子の恋愛観。真唯や紗月と恋仲となったれな子が語る恋愛観は心の本質、彼女の中で友達と恋人がとても曖昧になっている事が伝わってくる
だから紫陽花も今は友達であるれな子に対して思わせ振りな恋愛観を伝えられたのかもしれない

自分の嫌な面も裸も恋愛観も見せ合う行為を経て、紫陽花がなんか凄い状態に
長い期間に亘ってお姉ちゃんであった彼女にとって、妹とか幼い女の子を演じられるのは彼女が望む本性の在り方かな?それをれな子に求めるのはれな子にどれだけ心許しているかが露わになっているね
それだけに今の紫陽花にとってれな子が自分以外を一番にする状態は少し嫌なのかもしれない。そんなタイミングで現れるれな子の一番を自称するスパダリ真唯により紫陽花の更なる本性がどのように明かされるのか、次回が楽しみでなりませんよ!



普通

時は少し流れ舞台も移り明治編へ。けれど、甚夜が定長のような蕎麦屋を営んでいる為に江戸編の残り香も感じさせるね
蕎麦屋に甚夜という在り方は江戸も明治も瓜二つ。しかし、傍に居る野茉莉は大きくなっているし、何よりも蕎麦打ちをするのが甚夜という違いが有る。瓜二つだけど似ても似つかぬ在り様、それは兼臣の姿を乗っ取った地縛が登場した事でその印象はより強くなったよ
地縛は兼臣の姿を持つのに彼女に成り代わろうとはしない。瓜二つな姿を利用しない理由が気になりますよ

甚夜の下へ鬼退治を依頼する者が現れるのは江戸編と変わらず。けれど、現れた鬼達はこれまでと一線を画す者だったね
向日葵と協力関係にある点も、あの鈴音を母と呼ぶ点も甚夜がこれまで討って来た鬼とあまりに違う。ただし、違うだけに留まらず、甚夜が野茉莉という娘を得たように、鈴音も向日葵という娘を得た瓜二つの構図と言えるのかな?けど、娘を欲した理由は甚夜と鈴音で全く異なるんだろうなぁ…
甚夜と野茉莉、そこへ兼臣が加わった面々が織り成すのは江戸編とどのように似てそして異なる物語になるのだろうね?ただ、残り話数が少ない事が気になるけども…



普通

リリーと言えば、ゲームが不得意でやらかしている印象が強いのだけど、今回は彼女の先輩らしい面が異文化交流を通して描かれていたような
望月は蓮司と同じ大学で年も近い上にバイトまで同じに。そうなればリリーに勝ち目はないと思いきや、まるで姑のような態度や英語力に拠って彼女を配下に治める姿は面白いね
まあ、そんな行動はちゃんちゃらおかしいのだけど、リリーの場合は様になっているように思えるよ

これは幼女先輩・奈々を前にしても同じだね。ゲームの腕前は駄目駄目だけど、人生の先輩として相手の欲しがる物を与える度量を持っている
また、最近はリリーの英語を聞き取れるようになっていた蓮司をして判らないジョディの英語を間に立ち通訳し、それによってこれまでの発言が蓮司達に配慮したものだと判るのは異文化交流の先輩感があるね
けれど、彼女は先輩後輩の前にゲーセンを楽しむ1人の少女。彼女の家族も交えて始まるゲーセン交流。夏休みは始まったばかりなのだし、リリーの願い通り蓮司と過ごす時間がこれから増えると良いなと願ってしまうね



良い

千鳥と桔梗有志による勉強会、少し前まで両校の間に見えない壁が存在した事を思えば、あのような光景はとても貴重で温かみが有ると判るね
その一方で学力的な面が壁になっているのはちょっと微笑ましい。ただ、この学力差が千鳥と桔梗という枠ではなく、単純に問題が判る者、判らない者という枠で隔てられていたのも微笑ましい。それだけに解説が誰にも理解されない朔に笑ってしまうが

期末試験が無事に終わり訪れる夏の休み。そこでの塚田の言葉が良いね
注意よりも夏を楽しむ事を優先して教えてくれる。学生の本分、というより青春の本分として夏休みを楽しむよう促しているかのよう
だとしたら、凛太郎を悩ます答えの判らない恋も青春の本分と言えるのかもね。バレてないと思っていた恋心が翔平にバレて、同様に薫子にも…?となるのは青春らしい光景と言えるか

なら、次の青春らしさは恋の悩みを友人に相談してしまう事か。
恋に振り回されてコンディションを崩して、それを心配した友人と皆から離れた場所で会話して
そうした姿はとても青春らしさに溢れたもの。そして、その青春っぽさが絢斗に凛太郎の感情が豊かになった点や信頼を伝えてくれるものとなっているね。彼らはああして判らないものを少しずつ判るようになって青春を過ごしていくのだろうと思えたよ
そして学生の夏休みっぽさに溢れたボーリング大会の爽快さで締める流れはとても良いものだったよ



良い

遂にやっちゃうの?というドキドキワクワク感を伴い迎えた今回だけど、それより原作から増量された棺の内容が強烈だった……
海夢は強壮剤というアイテムからの思い込みイメージから心が暴走してしまった。棺は穏やかな食卓風景からの思い込みを裏切る暴走が新菜にキツいイメージを見せた感じか。海夢の方は微笑ましく、新菜の方はおぞましく
これらはどう言い繕ってもバランスが取れていないのだけど、海夢は勘違いであり新菜はゲームの出来事。どちらも現実ではないから問題とはならないと

ただし、現実に近しい事態に行き着くと想像すればそれらのイメージは現実的な脅威と成り得るわけで
新菜がゲームの影響で食べれなくなったりとか、紗寿叶が迫る棺合わせに心穏やかでいられなくなるとか
でも、最たるものは海夢への影響か。新菜とそういう仲になるかもとの想像は逆に起きなかった事で、自分と新菜の間にそうした希望は有るのか?との疑問を起こさせるものになったようで

海夢と新菜は既に充分カップルっぽいが現実にカップルとなっているわけではない。だから現実に告白したらカップルに成れるのかという不安が海夢の中に沸き起こってしまうのだろうね。いや、それにしてもあのイメージは酷いと思うが…
こちらが見る分には新菜は充分に海夢を気遣っているし、そこには好意に似たものが存在しているのだろうとイメージできる。でも、確かめるまでその感情は現実に成らないわけで
棺合わせの後に目標を定めた海夢の決意が新菜に届いた時にどのような光景が広がるのか楽しみですよ



良い

前回にて双葉をぶつけて紗良を動揺させた咲太だけど、今回はまさかの麻衣をぶつける形に。いやまあ、麻衣が同行したのは咲太の想定外なんだけども
この回は紗良に見えていたものと見えていなかったものが明白に区分された回だと思えたよ
これまでは同年代の男子か少し年上の咲太しか見えていなかった。咲太がどういう女性と付き合っているか真の意味で見えていなかった。不都合なものなら千里眼を閉じれば見ずに済んだのだろうから
だからこそ、目を逸らせない咲太と麻衣の恋人らしさは紗良にとって衝撃となったわけだ

お洒落なカフェで相席して将来を話して2人だけの秘密を明かしてクリスマスイブに一緒に出掛ける予定を話す。その光景だけを見れば2人はまるで恋人
だから紗良が自宅で見せる姿も恋人とのデートを待ち侘びる少女でしか無い
それだけに完全無欠の恋仲を麻衣が咲太と演じた一連のシーンは紗良が見てなかったものを見せつけられるもの。しかもそれは片方だけが相手に夢中になっているものではなく、互いに相手を愛している上に互いを幸せにしたいと願っている姿
それは紗良の欲しかったものであり、どうやっても分け入れないもの

千里眼関係なしに目を逸らすには紗良は逃げ出すしかなかった。なのに、逃げた紗良を咲太は見つけてしまうのだから彼女にとっては厄介であり救いであり見たくないものを見ざるを得ない場面
あのシーンで咲太は紗良を責めない。だから罪を見てきた紗良自身が己を責めなければならない。なのに咲太はそんな紗良すらも責めない
だから紗良は見たいものを見る為に改めて咲太への恋心を持ち直せたのかもね
そう思えば、想いを新たにした彼女が寧々を見えなかったのは逆に良かったのかもしれないと思えたよ



とても良い

女性を盗撮しているとなれば普通は男性が犯人だと思うもの。名雲や根津がそういう写真を蒐集していると思われたのも男性である為か。そう思えば、真犯人が女性であったのは意表を突く要素かも
…ただまあ、意表を突くという点では真白の水着姿がディスカバリー扱いされている点が一番の驚きだった気がしないでもないけど。個人的にはそれなりに魅力的だった気がしないでもないですよ?
まあ、最も魅力的だったのは恥ずかしがるマキであるのは確定なんですけども

意表突きまくりのBパート、名雲の小綺麗なスーツ姿に始まり、台風上陸中でも強行される結婚式って凄いね(笑)
その後も火達磨な赤壁の戦いとかケーキに取り込まれた美馬坂、そして容赦の無いパロネタとこちらの腹筋を休ませる気のない怒涛展開は好き。これらは視聴者が想像する常識の斜め上を突き続ける破天荒さに拠って織りなされるものだね
だからオチも意表を突くもの。それまで影も形もなかったマキが攫っていく展開とか破天荒すぎて本当に好き



良い

真唯・紗月をオトシた次は紫陽花さんなのか?と勘繰りたくなる構成はさておき、早速に紫陽花の意外な姿が披露された内容に
弟達を可愛く怒る彼女の姿はやはり可愛らしいものだけど、印象的なのは真唯も紗月も紫陽花を気遣うような発言をしている点か。学校や友達の前での彼女はどう見てもパーフェクト良い子ちゃん、問題点などれな子の妄想の中にしか見当たらない
それでも心配される何かが紫陽花には有るという事で。それにれな子が知らずして迫る内容となっていたね

だらしないれな子の休みの過ごし方を聞いて良い意味に取ったり、れな子との遊びに夢中になる弟達を泣かせない程度に怒り…
どちらも紫陽花の人の良さを反映したもの。それは絵に描いたような美点、人を不快にしない対応をする彼女はとても良く出来ている。けど、それは言い換えれば自然な彼女があまり見えてこないとも言えて
この点は紗月にも言及された点だね。「一皮剥けば、人間らしい醜さが出てくる」とは今のれな子には想像もできない紫陽花の姿。でも、その一端が現れたのが弟達への怒りや家出行為なのかもしれない

なら、紫陽花のストレスが発露したらしい場に居合わせたれな子は紫陽花にとってどのような意味を持つ同行人となるのだろうね
その意味は現状では曖昧ながら、紫陽花の想定を崩す存在として機能しているように思えるね。そもそも紫陽花は独りで家出するつもりだった、新幹線でも窓際に座るなんて無いと思っていた、決まりきっていた宿泊先も予想の出来ない場所へと変更された
自分の思い通りではない。それは本来ならストレス要因となる筈が、紫陽花を神聖視するれな子が介する事で良い方へ向かっているような

ただ、それではれな子はテンパりながら同行するだけで終わってしまう。それこそ妄想のように紫陽花から嫌がられてしまうかも
だから、この家出旅では紫陽花への理解を深める行為が必要となってくるのだろうな
紗月から送られてきたファイルが頼りになるかはさておき、それをきっかけに両者の会話は進む、互いの理解が進展する
「大人になりたい」と語る紫陽花は心に何を抱えているのか、またそれを知る旅は果たしてどこへ向かうのだろうね?



良い


良くない


普通

リリーの誕生日回…なのだけれど、異文化感がより強調されていたようにも思える回でもあったな
梅干しとマーマイト、言語だけでなく食生活も異文化な両者は別々である内は自分の文化を堪能できる。ただし誕生日という特別な集まりであれば異文化食生活も楽しめるのかな
主役が招待する英国式の誕生日会、併せて葵衣達が贈るプレゼントを一緒に考える様子は微笑ましかったね

誕生日の食事は文化が違っても特別に美味しいもの。また、誕生日だからとコスプレする文化も皆でコスプレすれば、異文化であっても違和感なく楽しいものとして堪能できる
それだけに別々の場所で相手の文化を中途半端に取り入れたら堪能する事は難しいのかもしれない。梅干しとマーマイトに渋い顔をする蓮司とリリー、自分のアレな文化には違和感など無いのに相手の文化には違和感を覚える文化交流あるあるを見れた気がするよ
それでも、英国から来た人に何の説明もなく梅干し渡すのは色々と過激じゃない…?ってなるけども(笑)



とても良い

凛太郎と翔平達は既に無二の親友であるかのように思える。けど、薫子のメモ書きの理由をすぐには話せなかったりと、全てを明かし合っている関係ではない
なればこそ、自宅に彼らを招くというのは「貴方を受け容れていますよ」というメッセージに他ならず。そして受け容れたのなら、他の点にも付いても受け容れてくれるだろうと話してしまったり
相手に踏み込ませても良いと凛太郎が話したパーソナルな部分に対する宇佐美の返しが本当に本当に佳い回でしたよ……

凛太郎が何かを抱えていて話してくれなくても、いずれ話してくれるだろうと信頼出来るようになった朔達。でも、これっていわば凛太郎がアクションを起こさないと始まらないとも言えて
だから翔平も凛太郎の家を訪れるのを無理にとは言えない。凛太郎の許しが居る
でも、凛太郎が欲していたのは赦しなのかもね。家がケーキ屋である事を手酷く言われた過去がある。だから翔平達が素直な驚きを口にしてくれたのは凛太郎にとって最大限の赦しとなるのだろうな
それを見た杏子まで嬉しくなるのも当然というものですよ

翔平達は凛太郎を赦してくれた。凛太郎は彼らを受け容れた。その先にあるのはとてもプライベートな空間だね。家族写真もあれば普段の食事をするスペースも遊びの道具も有る
そこで凛太郎が話すのもプライベートな過去。学校だったら話さないような心の内
だからこそ、一瞬話しすぎた!と慌てた時に宇佐美が何てこと無いように「お前と友達になりたいと思う」と言ってくれた事に救われるんだよね
いや、ほんとあの台詞は良かった……

凛太郎は自身の赦しを欲していたけど、同じくらい彼が赦されて欲しいと願っていたのは彼の両親か
特に杏子の行動は凄いね。小学生の息子が金髪にしたいと言い出した。その先で周囲に受け容れられないのは目に見えている。だから世界の全てが受け容れない訳が無いのだと示す為に自ら率先して…
凛太郎は杏子のそんな気遣いを明確に察しているわけではない。でも母親が居たからあの優しい食卓が築かれたとは判っていて
些細な「有難う」ではあるけれど、杏子の親心に報いてくれるかのような気持ちが籠もった言葉に感じられましたよ…



とても良い

合わせの人数集め、海夢の頼みは秒で断るのに心寿の期待は断れなくて自ら巻き込まれに行く紗寿叶に笑ってしまう
人の集まり方は多様。望んで集う者もいれば、断りきれず集ってしまう者も、集った場所で望んだ想いが出来ない者も居るようで
海夢や心寿はこの集いにテンション爆上げ、他のメンツもそれなりに楽しんでいる。だからこそ、海夢が場に居るかどうかによりテンションがモロに変わる旭の様子は際立つ。これまで本作で海夢を嫌う者なんて居なかった。それだけに旭が抱える感情が気になるね

コスプレが共通言語的に集まった場だからか、あまねが紗寿叶に最初に振る話題も衣装関連だし、旭が口を開いた際に出した話題もコス写真。なら自然的にその場に居る心寿もコスを誘われるのも当然の流れか
そしてコスをしない若菜も小道具作りというこれまでに無い挑戦をする事に。これらは場が作る勢いのようなものだね
まあ、そのような場だとしても時折涼香が覗かせる獣欲のような要求には笑ってしまうけど。あまねや海夢のコス写真を見たがるとか若菜の感想を聞きたがるとかちょい迫力が異常でしたよ(笑)

場という意味ではいつも海夢と若菜が集う海夢の家が宿泊という面が加わった事で普段より緊張を齎す場と成るのは面白いね
直前までは一緒にゲームをしてコス衣装の相談をしてといつも通り。でも宿泊に誘われれば2人しか居ない家という場所は全く別の意味を持つね
また、若菜だけが”それ”を意識する展開かと思いきや、若菜が座り込んでいたコーナーの問題で…(笑)
若菜の思い込みが海夢の思い込みを誘発したお泊り。海夢の背後に控えていたネオンや「18禁」のアピール凄まじい中で始まる2人だけの場は何が起こってしまうのだろうね(笑)



とても良い

紗良は危ういタイプだね。脆いという意味ではなく「この娘は自分を好きかもしれない」と無制限に思わせてくる素振りが厄介という意味で危ういタイプ
その感覚を現状向けられているのが咲太となるわけだけど、咲太は麻衣と関係良好で紗良が好みでもないから彼女に惑わされない
その為か咲太はこの恋愛撃を俯瞰的に見ているね。新たなヒロインが主人公に思わせ振りな態度を取るなんて、ラノベとしてそういう展開を期待したく成るものだけど、咲太は当事者意識を持たない。だから紗良は手応えがないままに観察され続けている

紗良の周囲には恋愛感情が溢れているね
幼馴染のような加西とは恋愛に発展する筈がそうはならず。手に入る筈だった恋愛が手に入らなかった紗良を中核にして、皆が恋愛に惑わされている
双葉と加西、紗良の先輩と友達、山田と吉和。それらに紗良は強く関わっている。なのに紗良は欲しいものが手に入りそうにもない。というより、紗良は自身の渇望を抑えきれていない点に無自覚であるように見えるね
彼女は他人に恋愛感情を与えられるのに、自分を好きになってくれる相手から恋愛感情を与えられなかった

そんな彼女に対して、思わせ振りな態度を取られ続けている咲太は何処までものらりくらりだね
咲太は紗良に何をされても彼女を好きにならないと確信している。自分を好いてくれる麻衣を好いていて、麻衣も同じだけの愛情を返しているから。これは紗良の理想形だろうね
でも、咲太しか観測できない紗良はその現実を理解しない。ならば、咲太が紗良に見せた双葉との会話はかなり意地悪だね。紗良はまたしても欲しいものが手に入らないかもしれない。この揺さぶりは彼女にどれだけ効いてしまったのかな?



良い

原作既読組としては、ここから彼女の快進撃が始まったのかと思うと色々と感慨深い想いに浸ってしまう回なのでした
後、乙矢くんはこの作品にしては珍しいタイプ。何と言うか、純粋すぎて危険って印象を覚えますよ。何故伊織に惚れたし



良い

スマホを人質ならぬ物質に取られて東奔西走。普通ならどこかのタイミングで音を上げるだろうに、真白だから難関ミッションをクリアできてしまう面白展開
他方で何故そこまでして?という点にはマキが上手い解説をしたね。真白は恥ずかしい秘密を見られたくないからスマホを追う。逆に犯人はスマホを物質に取れば恥ずかしい何かを得られると考える
それだけに恥を恥と思わないおじさん達によって犯人が成敗される様はスカッとするんだけど、この絵面はキツいなぁとも思わされたり(笑)

何でマスター呼び?とかアスナロにマキは過分な助手では?と思っていたのだけど、あのオーディションを見て色々納得。2人は通常の方法で出会ったのではなかったのか
マキはアスナロの本性を正しく見定めて去らなかった。アスナロは大勢の中からたった1人を見つけ出した。それは最早運命的な邂逅だね
だからアスナロはマキが人質に取られた際、彼女以上に優先するものなど無いとマキを無理してでも助け出したわけだ
このような過去を見ると、2人は良いコンビだなと改めて感じられたよ。…それだけに、自分の始まりもまともに覚えてない名雲の酷さも際立ってしまったけども(笑)



とても良い

こうして終わって振り返ると、紗月って当初から一貫していたんだな…
途中でれな子と付き合ったりれな子といちゃついたりれな子とキスしたりと、寄り道気味な事は色々有ったけど、王塚真唯に目に物見せてくれるという点はずっと一貫して目指していた。でも、あの真唯をギャフンと言わせるのは独力では難しい。だから紗月にとってれな子を巻き込むのは寄り道であるように思えて、れな子こそ最も要取得な最強アイテムだったのかもしれないね

ラストにて紗月はテストで真唯を上回った事が明かされるけど、当初に真唯が求めた通りにテストで勝負していたら紗月に勝ち目は無かったろうね。れな子が介入して紗月も真唯も得意ではないFPSを種目としたから、真唯に隙が生まれた。また、れな子と関係を結んでいたから未経験のFPSをそれなりの技量まで持ち上げられた
紗月にとってれな子は無くてならないパートナー。逆に真唯の方は紗月を最良のパートナーとしてくれなかったと言えるのか

小学生時代のエピソードから見えるように、紗月は真唯を守る為に彼女をパートナーとする気概と覚悟を見せた。それに応えるように真唯は紗月を親友としたんだろうけど、紗月を必要とする事はいつの間にか無くなったのかな
紗月は真唯に必要とされる為に対等と成る為に渾身を続けた。それを理解して遣れるのは、それこそ友情と恋愛を懸けて真唯と勝負したれな子くらいのもの
ここでもやはり紗月にとってれな子は必要な武器となって、真唯を貶める為の昔語りをする相手として求められるわけだ

真唯を上回り、彼女の心をバッキバキに折る為の昔語り。それは自身の深奥すら詳らかにするようなものだから捨て身の攻撃に近しいね。でも、それだけの事をしたから真唯を上回れる。紗月の乾坤一擲が通ずる
それ故にれな子用の乾坤一擲は持ち合わせていなかったのだろうけど。あの隙の作り方は雑すぎる(笑)
結局、友情は崩壊せず、れな子も紗月も真唯も守りたいものを失わずに済んだ形だね。ただ、真唯との勝負もテストもバイトも手を抜かず、れな子ともイイ感じになった紗月が最も得るものが多かったと捉えられなくもないけど
まあ、その嬉しさでこぼれ出たのがあの笑顔なら許してやりたくなるというものですよ



良い

これ以上何を書き連ねようかと迷うくらい、大事な事は全ておふうが言ってしまった回…
甚夜は自分の周囲や自分の想いに決着をつけるべく足掻いて足掻いてきたのに、辿り着いたのは全ての喪失だった
印象的なのは廃寺に逃げ込んだ甚夜がその状況を「また無くしてしまった」と独り言ちた事か
鬼の姿故に人の前から去った。その選択は正しい筈なのに満足できない行動となってしまったようで

直次が甚夜を恐れたのも反応としては正しいね。だって鬼は恐ろしいから
でも、彼はその選択をした己に後悔した。だから鬼を友人だと泣きながら言う。それは人として間違っていながら、彼にとって最も望ましい選択だね
また、甚夜は抱き着いて来た野茉莉を人の手ではなく鬼の手で抱き留め撫でた。それは間違っているようで、甚夜という存在は何者かを考えた際には最も相応しい遣り方と判る
鬼である甚夜が人のように生きるなんて間違いの始まりかも知れない。けれど、そうして守れた者も助けられた者も有ると知れたのは大きな収穫に思えたよ

この発想は土浦にも必要なものかな
今の彼は畠山が示す正しさに従って行動している。でも、彼の正しさ全てに納得出来ていないのは明白。むしろ正しい畠山と出会う前の頃の方が彼は生き生きとしていたようにすら感じられる
土浦の前に再度現れた甚夜は正しさなど掲げず、単純で卑近で俗な理由で立ち塞がった。だとしたら、そのような境地に至った甚夜が行った同化は土浦にどのような影響を齎すのだろうね?



全体
良い
映像
とても良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
良くない
音楽
良い


良い

真面目な委員長キャラが見下げていたゲーセン文化に魅了されて自らゲーセンに行きたがるようになるって、ちょっとした堕落オチ展開に思えるけど、花梨の言い訳である「異文化交流の一環」がそこに本作らしさを生んでいるね
蛍にとってゲーセンは確かに理解出来ない文化だった。だからこそ見て触れて感じ取る事で蛍はそれまで知らなかったゲーセン文化に魅せられたと言えるのだろうね

ただ、魅せられた蛍はいきなり極端に触れるね。ゲーセンにも良い処が有る事を知った、だから予習した上でもっと味わいたいと思った
それは大袈裟な姿勢なのだけど、根源に有るゲーセンを楽しみたいという想いはリリー達と共有されるもの。また、生真面目委員長な蛍の在り方をも内包してくれるものだね。まあ、学びという言葉にかこつけて騙されている感が無くもないが…
リリーが好きなぬいぐるみは持てなくてもキーホルダーなら持ち歩ける。特に独りだと撮り難いプリクラも皆で撮影する事でより楽しいものになる
そこにはそれぞれの性格に関わらず、けれど性格を反映したゲーセンならではの楽しみ方が詰まっているように感じられたよ



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