映画 先輩はおとこのこ あめのち晴れ

映画 先輩はおとこのこ あめのち晴れ

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pom・JOYNET/LINE Digital Frontier・「先輩はおとこのこ」製作委員会
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動画

あらすじ

まことと咲と竜二、3人が出会ってからもうすぐ一年。

それぞれが悩みに向き合い少しずつ変化する中、学校は春休みを迎える。
まことが咲を意識し始める一方で、咲は父・裕司に会いにハワイを訪れる。
親子水入らずの時間を過ごし、ハワイを満喫する咲。

そんな中ふいに、裕司に「こっちで一緒に住むか?」と聞かれて……。

父を選ぶか、母を選ぶのか。
自分を「特別」に思っている人は誰なのか。「特別」とは何なのか。

咲が思いを巡らせる一方で、三年生になったまことや竜二もまた、進路に向けた選択をしていく。

3人が決める答えとは――。

引用元: https://senpaiha-otokonoko.com/

感想

全体
とても良い
映像
とても良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
とても良い
音楽
とても良い

幸せになってくれ......咲さん......

全体
とても良い

TVシリーズの宿題だった蒼井後輩の特別と、恋だの愛だの話の回収。完璧でした。
分かりやすいぐらい色んなものを飲み込んでなんとかやっていく咲を観てるの本当にしんどかった。
放送室のシーンからの解放感が本当に最高。自分で決めるって大声で宣言して、自分で飛び越えて手を差し出す選択をしてくれたのがすごく嬉しかった……

全体
とても良い
映像
とても良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
とても良い
音楽
とても良い

 テレビ版以上に気合の入った綺麗な作画と劇伴、この作品の何よりの魅力である丁寧な心情描写も健在、完結編に相応しい映画だった。
 まこと、咲、竜二のメイン3人の、今回は特に咲の心情描写が丁寧で、テレビ版の時点では完全な解決には至っていなかった両親との関係、「特別」が欲しくて、けど「特別」が何なのか分からなくて、葛藤する咲の心情描写がすごく深い所まで描かれて、これに演じている関根明良さんの熱演も加わって、すごく心を揺さぶられた。そうやって悩み続けながらも、最後には友人2人に背中を押され、協力してもらいながらラストでまことに告白するシーンの盛り上がりと感動は凄まじかった。
 まことについても、卒業後の進路や咲への恋愛感情について悩み続ける心情描写が丁寧だった。進路については、テレビ版最終話でおじいさんに会ったことが進路選択に繋がるという展開が良かった。おじいさんと会うことが、母親との関係を見直すだけでなく、進路決定の面でもまことの人生において重要なポイントだったんだと思う。
 まこと、咲、竜二の3人とその周りの関係性には色々な変化があったし、各々が沢山悩んで、すれ違ってしまうこともあった。けど、そんな中で最終的にはちゃんと気持ちを口にして、相手に伝えて、そうやって向き合ってきたのがテレビ版にも今回の映画にも通じている部分だった。恋愛の面でも、友情の面でも、3人の青春模様をこうして映画で見届けることができて本当に良かった。

全体
とても良い
映像
良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
とても良い
音楽
良い

辛い展開だったけど、最後は"特別"を見つけられてよかった。最高の作品だった。

全体
普通
映像
普通
キャラクター
良い
ストーリー
良い
音楽
普通

TVシリーズにてまことの話がある程度の決着を見ていたとはいえ、ここまでガッツリと咲の話になるとは少し驚き
まこととは違う方向性から自分だけの特別を求めた彼女、そこに至る足掻きは彼女自身の問題に留まらず家族との深い繋がりすら左右するものだから容易な判断を許してくれない。また、そこに咲自身の望みを言えない傾向が拍車を掛けて迷いの打破を難しくしていたね

咲に訪れた難しい進路選択はどちらが正しいという趣旨で選べないもの。父か母か、咲の意志を尊重しているようでいて実態はほぼ無視している二者択一は自分の意志で選ぶ事を不得手とする彼女にとってあまりに難しいもの
また、その選択を容易とさせない要素が彼女は両親の全てを知っている訳では無いという点でもあるね。本当の鯨を知らなかったように、時には父だって仕事よりも自分を優先してくれると知らなかった。母の家を訪れた事が無かったように、現在の母がどのような暮らしをしているかを知らなかった
自分が無知であり、特別と思っていたものが特別ではないと突きつけて来る真実は余計に選択を難しくさせる

そんな咲に対して、これまで寄り添ってきたまことや竜二に何を出来るかと云うと、過度に踏み込んだりしなかったのは印象的。というか、ここでも咲の自分の意志を発揮し辛い素質が助けを求められない状態へと押し固めてしまう
打開策は咲自身が見出すしか無いのか、と危惧していた辺りで彼女の友人である佳奈子や美代が咲の悩みを引き出す展開は想像の外からやって来るような展開だったかも。あの二人って咲の友人として前々から登場していたけど、まことや竜二との接点が無いから物語への絡みがなかった。マイノリティを扱う本作にて、そういった要素も接点もない彼女らがこれまで重要な役どころを担う事もなかっただけに私の中での印象も薄かったのだけど、彼女らって実は咲の祖母に次ぐくらいの距離感で咲を見続けてきた人間と言えるんだよね
だから咲から本心を引き出すには強引にでも踏み込まなければならないと判っていたんだろうなぁ…。ただ、その後の解決策まで強引だったのはすげぇ…となってしまったが

こう書くと、自力で決断できなかった咲に落ち度が有ったように思えてしまうけれど、そもそも体調面に不安のある祖母と二人暮らしをしている少女に突然、父か母か?なんて選択を突きつける周囲の大人の方が可怪しい
母親の無理解に直面していたまことが、親と向き合い直す事で事態打開を図れたのが珍しいくらいの話で
けど、まことだって最初からそのような力が有ったわけじゃなくて、咲と接する中で又は竜二と衝突する中で身につけた力。ならば咲だってまことや竜二と接する中で手に入るかもしれない
その為に必要だったのが恋敵のような竜二と何でもない時間を過ごす事で、まことの告白を受け止める事で。彼女にとって家族の問題を乗り越える事とまことや竜二とどのような関係を築きたいかという将来は繋がった進路選択だったと言えるのだろうね

二者択一の選択肢から自分が望んだ道を選び取った咲の笑顔はとても朗らかなものでしたよ
また、星を見上げに行ったのに曇り空でも何だかんだ楽しい思い出になるし、その後に続く晴れの日を期待できる恋人や友人が隣に居る3人の様子にはこちらまで温かな気持ちとなれるラストでしたよ

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