馬に爆弾括りつけて突撃させるシーンを見た際はちょっと悲鳴を上げてしまったよ……。こういった戦法を見ると、非情になったように見える多宝丸はまだまだ甘ちゃんだったのだなと思い知らされる
どろろを失う事になったかもしれない事態への苦しみから、自分の体を取り戻すために醍醐の里へ向かった百鬼丸
この行動によって百鬼丸と醍醐の関係性が逆転するのは面白い
醍醐景光は平和を手に入れるために百鬼丸を生贄にした。醍醐は奪った側で百鬼丸は奪われた側
それが今度は逆の立場となる。百鬼丸は体を手に入れるために景光も多宝丸も切る気で居る。百鬼丸は奪う側で醍醐は今にも奪われそうな側
この逆転現象は百鬼丸と醍醐だけに留まらない。
本来であれば領民の平和を守る役目の景光は流行り病が伝染した村は焼き払い、戦乱に備えるために無理やり徴兵する。景光が領民を苦しめる側に回ってしまう
多宝丸は里を、そして領民を守るために百鬼丸を倒そうとする。しかし、彼こそ守られる側で父親から密かに忍びを付けられていた。最後は多宝丸の意志を無視するように眠らされてしまう
ただ、一方で逆転する流れに逆らおうとする者が居ることも事実
縫の方は百鬼丸をもう守りはしないが多宝丸の味方をすることもない。己の無力を呪うことで流れに乗ることも逆らうこともしない
どろろは百鬼丸の体が戻ることを喜んできたが人から奪うことまでは望まない。それにより今回は百鬼丸を諌めるが、動かない指先でどろろの頬を撫でながらどろろと同じように感じたいと訴える百鬼丸を前にして畜生と言うしかなくなる。どろろは百鬼丸が作る流れに乗ることも逆らうこともできず、ただ涙を流すしか無い
多宝丸の宿願を叶えるため、陸奥は右腕に、兵庫は左腕になることを誓った。しかし、二人は程なくしてその腕を百鬼丸に切られてしまう。奪われてしまう
一方の百鬼丸も多宝丸との戦いの中で作り物の腕は壊れ、刀が剥き出しになってしまった
この因果は次回、どのような意味を持ってくるのだろうか?