ああ、「世界で一番馬鹿な旅人」の話って何となく覚えてるなぁ。
周りから見れば滑稽なほど哀れで「何もそこまでしなくて良いだろう」と言いたくなるんだけど、その旅人の側に立って考えてみると紅葉が言うように途端に愛おしく思えるようになってしまう不思議
その旅人の姿勢はどこか透に通じるものが在る。草摩家に居候し始めた頃は申し訳無さからか、由希達に遠慮し相手に尽くし過ぎているような印象が少し有った。
けれど、今は違う。修学旅行の積み立てを難しくしてもチョコを渡したのも、8話で由希達を宴に参加させる為に寂しさを隠して送り出したことも、9話でマラソン大会よりも由希の看病を優先したのも相手の為を想ってのこと。それはきっと自己犠牲的であることは変えられないのだけど、相手を立てるための優しさに溢れた尊い自己犠牲なのだろうなと思う
透がそんな姿勢をしていると知れば、夾だって我慢せざるを得なくなる。それは自分が我慢すれば周りは楽しめるだろうというよりも、自分が我慢して参加することで透を喜ばせたいという自己犠牲
夾の行動によって、透は涙を流して喜ぶ。夾としてはその表情が見れただけで我慢する対価として充分だろうね
だから今回の旅行は紅葉が企画したものだけど、メインとなるのは普段自分たちに温かい想いを提供してくれる透を饗すことであって。
由希も旅行を優先するために一旦は用意していたプレゼントを引っ込める。バレンタインのお返しであるそれを渡すのは透が旅行をきちんと楽しんでから。
それにしても、あの渡し方は幾ら何でもイケメン過ぎると言うか何と言うか。あんなことして恋人ではないということが信じられないくらいの距離感と雰囲気だったよ?
あと、自宅に居候している女子高生にメイド服着せようと考える紫呉は一回くらい逮捕されたほうが良いと思う