人間とドラゴンの力関係を、大人と子供、そして長い川を交えて描く巧みな構成に脱帽
人間は強大なドラゴンに勝りたいと思う。けれどドラゴンだって人間の影響で自身の在り方を変えることが有る。そうした果てに共生の道がある。
そういった部分が見える内容だったね
翔太はルコアに負けっぱなしだから認められていないと感じる。でも、小林やトールが言うように必ずしも勝ちが認められるという話に繋がるわけではない
ルコアが語るように翔太の何気ない一言が今のルコアにとって大切な居場所となっている。それだけで翔太はルコアに負けていないと言える
一方でルコアは自分が翔太より劣っているとは言わない。劣る勝るという関係性を持ち出さず、翔太の頑張りを取り上げて偉いと認めている
また、自分の弱みを正直に話し、翔太の迷いを受け止められる
二人は互いに心の居場所を提供することで共生の道を選べている
滝谷はファフニールを家から退かす為に四苦八苦。滝谷もファフニールもあの場所を譲りたくない
滝谷は力ではなく交渉によって対処しようとする。これは大人流の遣り方だね
翔太に契約の話を教わっても、それを実行すること無く、むしろ貰った魔力の玉を対価にファフニールの真意を聞き出すことを優先している
トールを始めとして人間のように大人・子供として振る舞うドラゴン達。それを愚かしい人間ごっこと唾棄するファフニールも結局は人のようにゲームをしている
興味に負けて滝谷の隣を選んだ彼は人間とドラゴンの力関係を廃すゲームによってケリをつけようとする。これは大人の遣り方であり、同時に子供らしさに溢れたもの
二人は同じレベルで共生している
大きくて長い川。けれど話を聞いてみれば昔の人間が川の流れを変えたという。それは無力な人間でも川に負けておらず、また川との共生が出来る事を示しているかのよう
自分は変われるかと気にするカンナは小さな嘘によってエルマを守った。それはドラゴンと人間の力関係によって場所を手にするのではなく、対等な言葉を用いて共生を選んだかのようだったね