今回は異種族やら大人と子供やらの大きな括りではなく、異なる素性を持つ相手の立場になり考える事で成長を促す、満足を得るというとても素直な話になっているね
それだけに見終わった後の気分が心地良い話
父に実力を見せたいとの翔太の主張はつまり、大人から見て納得の出来の品にしたいとの欲求が有るから。だから大人と認める滝谷に相談している
でも、大人に認められる出来の物をいきなり作るなんて無理な話。だから滝谷の助言はタリスマンの作り方ではなく、翔太に成長を促すもの
教科書どおりに作るだけでなく、教科書に無い部分、製作者の気持ちにも想像を働かせろという助言
これを受けて作られたタリスマンを父が褒めてくれたというのは、単純に贈り物が嬉しかったというだけでなく、そこに翔太の成長を感じられたからだろうね
また、父の反応を受けて、「もっと頑張らないと」と気張る翔太の姿は気持ちいいね
トールから見ればいつもしっかりしている小林がダウンする様子は否応なく不安になってしまうもの
看病が必要な小林の姿はまるで退化したかのように見え、滅んだ村や国を思い浮かべてしまう。それが小林にも当て嵌まると思ってしまう
一方でトールが不死の薬を求めない点には成長を感じられるね。不安で仕方なくても小林が嫌がる物は避けようと慮っている
でも、小林は文明社会に生きてるから薬を飲んで寝れば風邪くらい普通に治る。だからトールが入手した薬は完全に蛇足
けれど、不安で一杯なトールの心を癒やす為には小林による治療が必要。それは小林がトールの薬を飲む行為に繋がる
トールが見つけた薬は小林やトールの病を吹き飛ばすものになったようだね
置き去られた人形の持ち主を探すイルル。でも、探し方なんて交番に届けるとか、ネットに上げるとか遣り方は他にもある
でも、あのシーンにおいてはイルル自身が持ち主を探すという点が最も大事だったのだろうね。自分で見つけたいとのイルルの気持ちを尊重しているから、タケも小林も探す主体をイルルから奪おうとしない
イルルは自身の経験と人形の綺麗さから持ち主が望んで捨てたとは思わない。持ち主の立場になり、後悔があるのでは?と考える
大切な人形を捨てて、ずっと後悔しているイルルの言葉だからこそ、人形の持ち主に深く響き、一度捨てた人形にお帰りと言える
持ち主と一緒に涙を浮かべるイルルも大切な何かを拾い直せたかのようだったね
それはそれとして、男女の違いに全く気付け無いイルルに向き合うタケは色々と大変そうだ(笑)