前回、女と女として愛を巡る対立構造となったグレーテとオリヴィア
けれど、それぞれの師であるローランドとクラウスの意図が示された事で、二人が鏡合わせの存在であると見えたのは面白いね
愛の為に身を砕いた。でも肝心なのは相手から何を与えられたか
オリヴィアが魅了されたローランドは綺麗な存在ではないからオリヴィアは自ら汚れる事で彼の寵愛を得る資格を得た
偶然と努力、そこに籠められたものを思えば、オリヴィアは前回語った程に軽い女性でないと判るね
でも、そもそもで言えば愛されようとする女性が汚れるのを良しとしている時点でローランドは良い男ではない
グレーテがクラウスに魅了されたのは逆の構図と言えるね
痣により汚れた存在として扱われていたグレーテをクラウスは「美しい」と形容した
これまでの任務でクラウスばかり無理をしていたのもグレーテ達を過度に危険に晒さないようにしていたとも解釈できる
だからグレーテが背負うのも汚れ役とならない。あくまでも彼の負担と覚悟
そのような支えが有るからグレーテは自身の汚れを武器と出来る
また、その手段を採れるのもこれにより彼の愛が変わらないと信じているから
愛が自身を救ってくれなかったオリヴィア
愛が自身を救ってくれたグレーテ
二人の構図はどちらの愛が正しかったかを示唆しているね
それでもグレーテはまだ明確に愛を受け取ったと言えるわけではなかった。またクラウスも自身を求め続ける美しい少女に誠実に向き合う必要がある
欲した性愛ではなくても家族愛を得られたグレーテは一つの幸福を手にしたと言えるのだろうね