ローブが欲しいロゼの様子から、紅や頬紅を用意するティエンには、世話焼きな親戚のおばちゃん味を感じる。
ロゼの恋心を察しているのか、単純にロゼの変化を面白がっているのかは分からないが、無理に事情を聞き出そうとせず、そっと支えようとする姿が好印象だった。
夜にしか来なかったハリージュが昼間にロゼのもとを訪れることで、二人の関係にも少しずつ変化が出始めていた。
これまでハリージュに対するロゼの口調は、感情を表に出さず、悪態をつくのも心の声だけだった。しかし、終盤では「これだからお貴族様は」と軽口を叩くようになっていた。
ハリージュに対して、少しずつ素の自分を見せられるようになっているのが興味深かった。
ハリージュが持ってきたパンを幸せそうに食べるロゼ。好きな人が目の前にいて、自分を気にかけてくれるのだから、うれしくなるのも当然だろう。
一方のハリージュは、ロゼの食生活を知り、放っておけずに世話を焼いているように見える。生真面目な彼らしい行動で、恋愛感情からくるものとは感じられなかった。
二人の距離は縮まったように見えるが、恋愛の面では温度差があるように感じる。
そんな二人の温度差が、甘酸っぱさを連想させるリンゴのバターに表れていたのかもしれない。