何度も繰り返される「下から上へ、上から下へ」のパターン。人生の浮き沈みが波と重なる。
躓いたとき、倒れそうなとき、手を差し伸べ助け合うのは生きている者同士。死者は見守り励ますだけ。全て凝縮されたクライマックスでの大瀑布の滑走は、なかなかのカタルシスだった。
死別の苦悩のお話は、美しい思い出とクライマックスの別離、直後のセンチメンタルな描写、と成りがちで、だから死別後の依存と立ち直りまで描いた部分は興味深かった。コメディタッチじゃなかったら死別後のあの行動は深刻すぎてちょっとヤバいwアニメだからこそ出来た描写かもしれない。
「別れの思い出は振り返ってみると美しい」とか言うけど、死別はやはり心の傷で、その傷を只の傷で終わらせない為の生者の苦闘がその思い出を美しくしたのではないかしらと思う。身近な人を送った経験がある人は余計刺さるお話だろうな。