一言で言えば、1クールでやってほしかった作品。
「TVシリーズ+ADPの振り返り」+「新作映像」で構成されていて、
ただでさえ短い映画の尺を振り返りに取られているのが
残念だと思うぐらい新作映像部分の尺が足りていない。
正直に言えば、映画のあの尺で扱うにはキャラが多すぎる。
新要素も多すぎる。だから1クールは必要だったと思う。
結果として、今回の敵の魅力を味わう前に
映画が終わるような感じなのでとても残念に思う。
TVシリーズ→ADP→STAのトリロジー的な感じなので
出来ればその順番で見て欲しいが、
最悪ADPを抜かしても
一応は内容が分かるようになっているので、
TVシリーズは完走してから見て欲しい。
新作映像部分は、序盤は別アニメが始まったのかと思うほど
これまでと違う要素が登場する。
中盤から「これだよこれ」と思わせる要素が出てきて、
クライマックスに向けて盛り上がっていく。
ただし、序盤のアレもそれはそれで面白かったし
見ごたえはある要素なので、
あの方向性でスピンオフやってほしい。
ゼーガペインでちょっとモヤっとするあの問題が、
ついに良い感じになって終結したのは喜ばしいことだし、
シズノ先輩ファンなら見た方が良い作品であるのは確か。
遊技機が基になっているせいか、
ゼーガペインっぽくない演出が出てくる。
尺が足りてないせいもあるのかもしれない。
遊技機を再構成したこの映画だが、
出来ることなら1クールのテレビアニメ相当の作品に
再々構成してほしいところ。
そうしてくれれば今よりもさらに評価されると思う。
色々言ったもののTVシリーズをリアルタイムで見て
18年越しに見たゼーガペインだったが、
期待を裏切らない面白さだったことは確かである。
ラストバトルは燃えた。
前半の総集編「レミニセンス編」はすごくよかった。
知っている話のはずなのに、どこか新鮮で、
構成もテンポよく、非常に上手くて引き込まれた。
大量の新作カットも素晴らしく、特に戦闘シーンがすごい。
お世辞にもスピード感があるとは言えなかったTVシリーズの戦闘シーンを思うと隔世の感が……
オルタモーダ編、
なんとなく違和感があるなあ、と思ったら、
パチスロ用のストーリー、映像の再構成だそう。
どこかゼーガっぽくないキャラだったし、唐突にボスが出てきたしなあ。
でも、とりあえずカミナギがガンナー!?と驚いたし、
二人のキョウによる共闘なんて予想できるはずがない。
ガンナーもウィザードもキョウとか面白すぎた。
しかし、ソゴル・キョウという人間は、
どこまで行っても困難がつきまとうなあ、と。
どのバージョンのキョウなのかと思ったら、まさか「残りかす」とは……
そんなつらすぎる現実を知ってもなお、前向きなキョウがカッコいいのだけれど。
「冬」にいるキョウのもとをシズノが訪ねる、ラストシーンもよかった。
まさにVer.1のキョウに決着をつけるエピソードだったように思う。
何だかゲームのプレイ動画を見ているかのような気分になってしまった…
あと、事前にADPを見ておけば良かったとか、設定周りの再確認とかしておけば良かったとか少し後悔
ADPの発表等は有ったけど、TVシリーズの後日譚ともなると本映画までに存在する現実時間の乖離をどう整理するかと気になっていたけど、まさか冒頭部分に振り返り総集編を入れてくるとは思わなかったな
それによって内容や物語のキーとなる部分については思い出せたけど、劇場作品でそれをやるって凄い判断…
けれど、そうして物語を時系列で整理する事で見えてくるのは主人公ソゴル・キョウにとって月面基地での死が彼という存在の分かれ目であり、物語としてもそこが分岐点となっている点
そのように印象付けられていたから、本作本編のオルタモーダ編においてキョウの死と云う要素が前面に出てくるのは驚きと共に納得感が有ったよ
というか、ここに来て失われた筈の旧ソゴル・キョウを拾い上げてくるとは思わなかった
新キョウは実体化した為にセレブラントとして以前のように戦う事は出来ない。それは主人公性の喪失かもしれない。そこを埋めるように旧キョウが戦うなんてね。でも、旧キョウとてデータ欠損が多く満足に戦えやしない
オルタモーダ編においてどちらも不完全な存在。だからこそ、補完存在が必要になるわけだ。という理屈は判るものの、まさか新キョウと旧キョウが共にゼーガペインに乗る瞬間が見られるなんてなぁ。流石にあのシーンは胸が熱くなってしまったよ。てか、普通は自分のドッペルゲンガーを見たらもっとパニックになったって可怪しくないだろうにあんまり慌てずに対応できる辺り、やはりソゴル・キョウと云う人間は地頭が良いというか
そういった部分を他にも感じられるシーンとして、旧キョウが自分はサルベージデータの残り滓に過ぎないと知った後のリアクションにも現れているね
今の自分は忘れ去られていた存在であり、ソゴル・キョウを継承した存在は全てを掬い上げる活躍を見せた。また、欠損の多い自分には活動限界が存在している
通常であれば悲観せずに居られない状況。だと云うのに、TVシリーズにおいてデータでしか無い自分をそれでも生きていると定義したように、あの状態の自分を前向きに捉えられる彼は強い人間だと思えたよ
そのような人物だからこそ、旧キョウと新キョウが限られた会話の中で判り合って共に戦う姿は熱く感じられる
その後に不完全なキョウを補完する存在としてヒロイン格であるリョーコとシズノがそれぞれ当て嵌まる流れも良かったなぁ
TVシリーズの不満とまでは行かないけど、何とかして欲しかったなと思ってしまった点は想い人を喪いそれでもキョウの傍で戦い続けたシズノについて万全な救いが有ったとは言い切れない印象が有っただけにソゴル・キョウの分離…というか旧キョウのサルベージによって報われたのは本当に良かったと思えるよ
本作の敵として登場したオルタモーダについては、あまり飲み込めなかったと云うか自分の読解力が不足していたと云うか…
何となくの理解は出来るのだけど、つまりオルタモーダはあの戦いを通して自分達の存在をどうしたかったのか、またキョウに敗れた後の心境はどのようなものだったのかという点があまり飲み込めなかった…
これは他の方の感想やら解説やらを見れば、判る部分があるのだろうか?
特に???な気分になってしまったのがキービジュアルのど真ん中に居て序盤にてキョウに対し匂わせぶりな発言をするツクルナって結局何だったの…?ハル・ヴェルトのコピーだけど、バグ的な存在としてオルタモーダに反発してたみたいな感じなの……?
不満点として触れずに居られない点はカットの使い回しが目立ってしまった点かな…
ゼーガペインの戦闘描写について不満は全く無いのだけど、その代わりとしてオルタモーダの描写を中心として使い回しがはっきり判るレベルで幾つも散見されたのは流石に気になってしまった……
また、唐突な展開や繋がらない場面の多さも気になってしまった
物語が記憶喪失になった旧キョウと突如襲いかかるオルタモーダという構図から始まっているから仕方ないのかも知れないが、話の大部分に唐突感というか手順を踏んだ構成となっていない印象を覚えてしまった
というより、情報開示→イベントバトル→情報開示→イベントバトル……みたいな構成だったような…。それに類する点として、Aというキャラはつい先程までX地点に居た筈なのに何の繋ぎもなくY地点へと立っている、みたいな描写も見られたからなぁ……
元となった作品がパチスロとの話だけど、もしかしてそちらの映像を再利用しているとかそういう事情なんだろうか…?
ファンとしては再びあの物語を見られた事は嬉しく、またシズノの救済が行われたのも好印象なのだけど、粗がかなり目立つ作品と感じられてしまったよ…
実体キョウ×幻体キョウの共闘も、幻体キョウ×シズノの共闘も良かった
あまり需要が無さそうなのにまた新作作ってくれて感謝