フラクタルにどっぷり使ったクレインが, 最初は「テロリスト」と呼んでいたロストミレニアムの人達の考えを次第に自分に取り込んでいっているのは, 人間は人間らしい生活を無意識的に求めてしまうのかなと思った。
クレインはエッチなことはしていないのに, エッチ呼ばわりされていたのがめちゃくちゃ好き。
特に「エッチなことはほどほどにな」とか「お前もエッチ入門か?」みたいなセリフが狂おしいほど好きだった。
むしろエッチなことをしていたのはバローの方だよね?
山本寛の評価を一切知らずにどころかハルヒもらきすたも見てない状態で視聴。
ストーリーが正直よくわからんかった。
『フラクタルシステム』によって人間が働かなくてもよくなった世界の話。
ジャンルとしては社会・システムからの脱却、主人公の成長。
まず、システムの是非を主軸とした物語を作るためにはそのシステムがどういった物なのか描く必要がある。
同じノイタミナ作品のサイコパスでは、シビュラシステムの異常性をはっきりと示し、システムの是非を問う物語として成立していた。
そして、本作のフラクタルシステム。働く必要がなくなるこのシステムは、視聴者からしても魅力的で興味深いもの。この甘いシステムの裏に一体どんな真実が隠されているのか。序盤はそんな期待を抱かせてくれる。
しかし、この作品はそれ以降フラクタルシステムについて一切描かず、あろうことか残りの話数を全く興味の惹かれない一話完結や僧院とのドンパチ、そしてシステムとは特に関係のない世界の秘密の種明かしに費やしてしまう。
フラクタルシステム自体がそもそもよくわからないため、システムを守る、あるいは破壊しようとする登場人物の行動に視聴者は全くもって共感することができない。
その上主人公の成長も描けておらず、物語を構成する要素が破綻してしまっている。
他にも、作品の至る所にジブリやエヴァの影響を露骨に感じてしまい、オリジナルの強さを全く感じられなかったのもマイナスポイント。
序盤は期待できたものの、それ以降はひたすら下がる一方。
ちゃんと作れば面白くなったはずなのに……。