地球を汚染させてしまった人類が、宇宙に殖民して、それに十分になじむ時代となっていた。しかし人類は、この宇宙でも地球上と同じように戦争の歴史を繰り返していた--。
宇宙世紀153年、サイド2のほぼ全域を支配するザンスカール帝国は、長きにわたる統治の末、形骸化、腐敗した地球連邦政府に対し独立を宣言、宇宙における新たな秩序づくりの名の下に地球への武力侵攻を開始する。それはウッソ・エヴィンとシャクティ・カリンの住む東欧の不法居住区ポイント・カサレリアもまた例外ではなく、ザンスカールとそれに対抗するレジスタンス組織リガ・ミリティアの戦闘に遭遇したウッソたちは、運命に導かれるがごとく戦いに巻き込まれて行く。
周囲の人々を守りたい一心でヴィクトリーガンダムのパイロットとなったウッソは、戦争と言う不条理な現実の中で様々な経験を重ねて行くのだった…。
今まで見たアニメの中で一二を争うくらい面白かった作品。
カテジナ・ルースを筆頭に狂気が偏在するキャラクターたち、女や子どもに老人ばかりの戦場、人死にが多く出る、など暗い作品と呼ばれるに足る要素は持っていながらも、Zガンダムのような悲劇としての作りではない。
根底に大きな愛がある、温かい作品だと思う。
むしろ中盤までは(死者の数はともかく)牧歌的で明るい作風だと思ったくらいである。それでいて、緊張と緩和もうまくつけているので見ていて飽きない。
MSの戦闘も面白い。本作は影をあまり描写しない独特な画風で、一見作画ではこれ以前のガンダムに及ばないように見えるが、とにかく動く!主人公ウッソ・エヴィンの戦闘センスの高さも相まって見ごたえがある。
身構えていたのもあって鬱展開は想定内。
対立構造がハッキリしているから見やすかった。
オカルトも控えめで個人的にかなり好きなテイストだった。
ガンダムのアニメを観終わったのはこれで12作目だった。終始暗い雰囲気に凄惨な描写であったが、終わりよければ全て良し、リーンホースJr.の特攻のところは50話分の思い入れがあったからか不覚にも泣いてしまった。ラストシーンも寂しさを残す綺麗な終わり方だった。
黒富野が溢れ出してる。
死人が出すぎ。
ただし、ジジイはかっこいい。