ど迫力。めちゃくちゃすごい映像だった。
死から解放された結果、生を奪われたディストピアが怖くもあり魅力的だった。
冒頭のシーンは終わりを示しているのかと思ってたがむしろその反対で、救済はなかったが後味悪くもなかった。
ナノマシンとすごい医療が支えるディストピアで死んだように生きていた主人公が異形のヒーローとして覚醒するSFアクション。
違和感のない3DCG、格好いいエフェクト、疾走感あふれるバイクシーン、迫力のあるアクションに実力のある声優陣の熱演。
いびつな社会の構造、主人公とヒロインの関係性、彼らの選択と結末。
ヒロインが無垢に信じた未来のために死に続け戦い続けることを選ぶ主人公。
間違いなく面白い作品ではあるんだけど、『人間失格』が題材になっているという点がずっと引っかかってしまう。
近未来ディストピアSFであるという時点で原作とはかけ離れたものになるであろうということは予想していたがあまりにも予想外な作品だったのでびっくりしてしまった。原作をなぞっているような、いないような、名前だけ借りてきたようなキャラクターが不思議で、正直シンプルに楽しむのが難しかった気がする。面白い作品であるだけに複雑な気分。
人間失格というタイトルから人間の弱さを赤裸々に抉る感じや、SFというジャンルを期待してみていたので、中盤あたりから呆然とした。
君の名はで有名になったメソッドに倣ってハイスピードで細部を省略ぼかしながら話が進んで行く。何度も見返して色々解釈してほしいって意図かと思うのだけど、説明するところとしないところのバランスが悪いなと思った。
まぁ、あと、全然関係ないけど、エヴァンゲリオンって作品が後続作品に与えた影響は大きいなぁと思った。