Lercheって『クズの本懐』のときもそうだったけど、登場人物の色合いがめっちゃ綺麗だな。
#1話感想
『氷菓』折木奉太郎の要素を持つ、やれやれ系キレ者主人公、そして『バカとテストと召喚獣』をよりシリアスにしたような世界観を持った作品。
個人的に『氷菓』は好きだったので、今後の展開も含めて楽しみ(学園祭のドタバタ群像劇みたいな展開も希望)。
冒頭の「突然だが考えてみてほしい。人は平等であるか否か」という綾小路君のナレーションと、バス車内でのお婆さんへの席譲る問題で抵抗感を募らせた人は多そう。
はじめましての自己紹介、部活動、勉強、友人関係……などなど、育成高等学校といっても、普通の学校とスクールカーストを構築する要素は変わらない。それがポイント(月に一度支給される生活資金)に反映されるということ以外は。
このポイントを競っていろいろ知略・奇策・戦術を練ったりしていくんだろうなぁ。その中に恋愛要素も入ってきて……楽しみすぎる。
主人公の声も最初は「きもちわるっ! もっとハキハキ喋ったらどうなのよ」と思ったけど聞いているうちに馴染んでいった。
懸念点は他の人もおっしゃっている通り、「実力主義」と「クラスの連帯責任」のギャップ。そして、Dクラスの連中があまりに馬鹿過ぎるということ。
前者は個人の能力(テスト点数や部活動での活躍、人脈、カリスマ性)とかでポイントを決めるようにしなければ「実力至上主義」とは言えないのでは……という疑問点が付きまとう。クラスで頑張りましょうって、なんか普通。タイトルだけ煽ってきている印象を受けてまう。
後者は、高額ポイント支給と誰にも指導されない空間において惰性の限りを尽くすDクラスのメンバーへのイライラ。これじゃ感情移入できん。とっとと退学してまえ! とまで思った。
とりあえず最初の盛り上がりまでは見てみたい。これからキャラも魅力的になっていって、個人の実力が面白く発揮されていくことを期待してる。
原作・横槍メンゴ
(月刊「ビッグガンガン」スクウェア・エニックス刊)
#OP曲「嘘の花火」
疾走感があって、耳に残りやすいリズムだった。歌詞はよくわからん。
#ED曲「平行線」
さユりさんの声って何度も聞いているうちに癖になっていくなぁ。この作品、気持ち悪さもあるけど、このEDとともにハマっていく気がする。セックスをコンセプトにしているだけあってインパクト大。
#ここから1話内容の感想
「お互いがお互いの掛け替えのある恋人」
「悔しい。こんな些細なことで救われた気持ちになるなんて。救われないのになぁ」
「ビリビリした」
・他にもたくさんあるし、これからも数多く出てくるだろうけれど、ここまで心の声にフォーカスして、演出を加えている作品も珍しい。
・花火ちゃんの落ち込んだときにみせるテンションが、可愛らしい。
・「同族」「同類」「好きな人」「嫌いな人」など、いろんな感情のベクトルがあるけど、わかりやすい構造になってる。
・好きな人が自分とは関係のないところで幸せになることへの仕返しが、共依存につながる。今回のテーマである「クズ」の第一歩はこれなのかな。
・花火と麦が初めてキスするシーンで、花火が良かったこれなら顔見られない(私代わりになれてるかな。声を出しちゃダメとか思ってるところ)って思いながら涙目になってるところが、とんでもないエロスだった。
・本音が必ずしも負の感情であるとは限らないけど、触れにくい本音の部分に向き合ってる内容。
・「興味のない人から向けられる好意ほど、気持ちの悪いものってないでしょう」ってこれ一話からインパクトのある言葉だなー。ブーメランっていうか、もはや自分に銃口向けて放ったようなもの。
・「ひとりが寂しいなら、寄り添ったって良いじゃないか。遂げてみせるよクズの本懐」っていう花火の最後の言葉を聞いて"本懐"という意味を調べてみた。
本懐→もとから抱いている本来の願い
これは本当にひっくるめてクズだな。