「前編と後編のキャラクターが集まって、正体を表した巨悪を討つ」という展開は王道ながらグッとくる。
Selector勢は前作を踏まえての成長が感じられてそれだけで嬉しいし、『destructed』以降の彼女たちの日常が見れたのも良かった。何より、「『Selector』では潰し合うしかなかった彼女たちが、カーニバル打倒のために力を合わせる」というシチュエーションそのものが燃える。
そしてLostorage勢と力を合わせてのカーニバルの打倒とセレクターバトルの破壊を目指す展開は、今までの彼女たちの悲しみ、苦しみ、不和を見てきただけに格別のカタルシス。
(そしてそんな中でもブレないアキラッキー、いいと思います)
最後、夢幻を倒すために白窓の部屋に降りたピルルクをルリグたちが援護するシーンには涙腺が緩んだし、そのあとセレクターバトルから解き放たれ、日常に戻っていったルリグの描写で涙腺に追い討ちをかけられた。こういうの弱いのよ…。
清衣に主人公の座こそ譲ったものの、るう子&タマ、すず子&リルの旧主人公にもちゃんと見せ場を作っていたのもグッド。
バトルは相変わらずの淡白さではあるが、清衣の「Selector組はレベル5グロウを知っている」という設定をきっちり活かしたカーニバルへの対策はおおっ、と思った。
清衣に再びのセレクターバトルを決意させた新キャラクター・レイラはひとえ・遊月を倒した序盤こそ良かったものの、その後は若干存在感が薄味になってしまったのが、鬼頭明里氏のクレイジーな演技が素晴らしかっただけに残念。
気になったところもあるものの、シリーズの大団円には十分すぎるクオリティの一作。
アニメだけでなく、カードゲームの方にもそれなりに付き合ってきただけに感動もひとしお。