1~2話視聴後、原作購入・読破したうえでの感想。
基本的には原作準拠の、意地悪な言い方をすれば「無難」なアニメ化で解釈違いはない。ファイルーズあい女史の菫子さんは見事にハマっているし、その他の配役も自分のイメージ通り。ビジュアルも原作のぬじま氏の画風に寄せており、ちょっと作画が怪しい回もあったもののこの点に関しても不満はない。
原作最大の特徴である、作者のフェチ丸出しのエロティックなアングル・カメラワーク・演出なども地上波の限界に阻まれつつ頑張って再現しており、特にOPのアダルトアニメかと錯覚するほどの菫子さんの脱ぎっぷりや1話の菫子さんの肉体が縮小する様子には原作のエロスを再現しようというスタッフの心意気が見て取れた。
ただ、原作のもう一つの特徴であり、怪異の恐ろしさを表現していた「ゴア」的な表現については、地上波という媒体を採った時点で覚悟はしていた(原作の「猫の王」の強襲とか、地上波じゃ絶対にできない)がかなりナーフされており、この点は残念。
アニオリの結末は、エピソードごとの感想でも述べた通り「猫の王を出す意味がない」「猫の王に狙われている状況で乙ちゃんを無防備なまま外出させる蓮」などツッコミどころもあるものの「蓮が『乙の願いに反応して賽の河原(?)から生まれた』ことを示してからの、あえてこの世に未練を残し菫子さんの願いに反応して復活する」というクライマックスには(余韻に欠けるという問題はあるものの)膝を打った。原作が未完で勝手にオチをつけられない状況下においてかなり最善手に近いと思う結末であった。
総合すると、不満点もあるものの「原作への動線」というアニメ化最大の役割は十二分に果たしたアニメ化。