「最高」の二文字以外に言うことはないです。
真面目な話「メディアミックス作品」の評価って、基本的には媒体は違えど原作と大筋は同じなので「原作愛が伝わってくる!すげ~!!」で終わりがちである。
最初こそ違和感があったアニメ版キャストもアニメを経てすっかり馴染んだし(細谷佳正氏の翔太郎、たまに桐山氏の声と聞き分けがつかない時があるの、ホント声優ってすごいと思った)、ツダケンのおやっさんも彼のハードボイルドさをしっかりと表現していて大ハマリ。
アニメーションも高品質で、特にアクションシーンは白眉。スカルのちゃんと特撮を意識した地に足のついたアクションの再現度もさることながら、原典ではワイヤーやCGでふわふわしているだけだったタブー・ドーパントの「パイプに巻き付きながら移動」「スカルを下半身で締め上げる」などのアニメだからこそできる動きにも「スーツの制約がなければきっとそう動くよな」と納得させる説得力があった。
本作オリジナルの、身も蓋もない事を言えば映画向けのアクションシーンのために作られたキャラ・大嶋(オーシャン・ドーパント)にも、一瞬「この人原作にもいなかった?」と錯覚してしまうほどに馴染んでいたし、原作にないラストバトルは良いサプライズだった。「霧彦以前に冴子が見込んでいた男」って立ち位置、よく考えたなあ。