色々とぶっ飛びな作品でした。だいたいこんな感じ、という説明も難しいほどジャンル不詳です。ひたすらおバカなことを恥ずかしげもなく全力でやる、熱い作品です。とにかくこういうノリです、で突っ走るので脱落する人も少なくはないのかな…と。唐突にエヴァのゼーレみたいなのが出てきたりするかと思えば、いきなり腐要素もあり、誰でも共感できる家族エピソードもありの、常に闇鍋状態です。
この手の作品だとだいたいが恋愛に重きを置いて来ますが、この作品は主にキャラの家族エピソードで話が進行していきます。各キャラによって背景も両親や兄弟の雰囲気も違って、妙にリアルさを感じさせる設定も見え、とても共感できました。
映像的な見どころはやはりダンスシーンでしょうか。MMDをさらに進化させて実写のMVのような仕上がりになっています。動きを見ているだけでも満足でき、珍妙なセンスの衣装や演出を見ても笑えて楽しめます。そして歌もとても良かったです。特に歌詞は誰が聞いても響くところがあるんじゃないかなと思います。
これからもっとジワジワ効いてくる予感のある作品、かなり満足です。ただ明るい気分になりたい時にはもってこい。おすすめです。
海外でも賛否両論が極端だったという作品でしたが、日本人である私の目から見るならとても良かったです。まずは映像、日本画風のタッチが流れつつ、CGキャラがぬるっと動くのは新感覚で面白いです。しかけ絵本のように、目を使って観る楽しさを全面に推した映像に仕上がっています。文字をババンと画面に出す、絵巻風に時間が流れるなどなど。キャラクターも非常にわかりやすい、そこはアメコミテイスト。
しかしストーリーは分かりやすい、とは言えません。むしろわからないのが正解。辻褄や整合性とは無縁ですので、ノリについていけなくなると途端に退屈になってしまうかもしれません。終始わからない、という場合もなきにしもあらず。でも、例えばディズニーのような起承転結パターンに飽きたなら、この作品はおすすめです。ひたすらノリで押し切る、いわば物語が混入した観る祭りです。
中国から来た漫画家原作のアニメ。制作チームにも中国の方の名前が多数入っていました。なので日本人では思いつかないであろうテイストがしっかり入っていて面白いです。
ストーリーは全体的には小学校高学年から中学生くらいまでは楽しめるかと思えますが、内容は中々ビターなテイスト。
他の中華アニメも同じですが、優しいご都合主義がありません。善人キャラでも平気で殺されます。ここまで台詞喋ってるし、まだ子供キャラなんだから酷いことにはならないだろう、という予想を打ち砕いてくるので、そういう意味では新鮮。利益の前では他人の尊厳を考えない、弱いものが先に死ぬ、というあまりにリアリティのある展開が頻発するので、だんだん慣れてクセになりました。主人公の因又は非情な面のある少年。悟りでも開いてますか、と聞きたくなる個性的なキャラです。
映像の動きはあまり良くはありません。シーン展開も少しおかしいところがあり、4コマ漫画を無理やり連続で繋げた、という感じでした。台詞にしても、日本語から考えているとは思いますが、文章回しが多少おかしく感じるところがありました。キャラデザは良いですが、漫画の絵の方が味わいがあって上手いので、気に入った方は漫画を読んだほうがいいかも。音楽はさすがの高梨さん、中国アジア音楽を取り入れていてクオリティは高いです。
声優は主要キャストでは無いものの、三上哲さんと家中宏さんがほぼレギュラー脇役として出演しています。主演の河西さんもクールなキャラによく合っていました。
倍速で所々飛ばして視聴。いかにも続きがありそう、途中で時間切れ、のような終わり方だったので、きっと二期の配信はすでに決定されているのでしょうか。
まず絵に関しては動きは悪いです。描いた枚数が少ないような、かくかくした動きのところが結構あります。キャラデザや色彩は好みではありますが、物や顔の形が崩れるシーンが多いので、好みだけではカバーし切れないクオリティ。背景もCGで描いたフリー素材のような絵が多いです。お金をかけたようには……という感じ。
話の展開は他の作品と比べるなら早い方ですが、絵が切り替わった瞬間、時間も飛ぶので、滑らかな展開とは言い難いです。イラッとするキャラも少々、妊娠や殺人など海外ドラマのような要素もてんこ盛りです。サバイバル生活のシーンが大半ですが、個人エピソード、昔を懐かしむ回想シーンなどが突然盛り込まれます。正直そんなこと考えてる場合ではないだろうと思ってしまい、うまく話に入り込めません。設定からしてもリアリティは無いので、ファンタジーとして楽しめばいいですが……とにかくすべての話が唐突に始まります。
途中でもはや物語として楽しむのは諦め、声優の演技を楽しむものになっていました。演技の方はもちろん満足できると思います。ベテランも多く、達者な方しかいません。特に佐々木望さん、津田健次郎さん、小野賢章さん、日笠陽子さんは台詞も多く、演技の見せ場も多いので、ファンの方は楽しめるかと。個人的には、興津和幸さんの関西弁の腹話術師役が切なく面白く、なかなか味わいがありました。
途中19話あたりで一気に最終話まで飛ばして見ました。それ以外のエピソードも二倍速で再生して、恋愛シーンなどはスキップしましたが、最後まで全話をしっかり見れなかったのは自分でも驚きです。まさに驚きの退屈さ。
どこから見ても話が進みません。逆に言えばどこからでも初見で見れます。
基本はバーチャル世界で主人公が強くなる。そしてヒロインなど女子キャラに惚れられて纏わりつかれる。という二つのシーンで構成されています。
ここまではよくあるラノベの話だし、主人公がイケメンじゃないからモテるなんておかしい、という無粋なことは言いません。
にしても、主人公は本当に陰キャですが、突然黒雪姫さんに見初められて現実世界でリア充を達成してしまいます。その時点で、すでにバーチャル世界でそれ以上強くなる必要がないのではないでしょうか。現実でリア充だったら、ゲームに引きこもってはいられないでしょうから。
この物語は、ほとんどがバーチャルでの努力や友情や勝利が描かれます。私にはそれが非常に無駄なことに思えたので、物語全部がとにかく無駄なことに時間を使っているようにしか見えませんでした。どういう人を視聴ターゲットにしているか分かりませんでした。
概ねどこのサイトでも超高評価は見かけませんが、個人的には満足できる作品でした。
映像やキャラデザは突出したものはなく、色使いものっぺり、顔ものっぺり。作画も、顔だけでなく顔に対して体のパーツが小さかったり、崩れるところがやや。
音楽はEvan callさんという海外の方で、ヴァイオレット・エヴァーガーデンでは西洋クラシックで印象的でしたが、今回はジャズ調の曲が多めで、作画の動かない分を、音楽のお洒落さと臨場感でなんとか良い水準にまで引き上げていた、という感じです。
ストーリーは、テーマだけを掬い取るなら、よくある悪魔退治モノです。よくある設定で、出てくる妖怪なども実際に世界各地にある伝説のキャラばかり。
そんな人でないモノ達と交流するドタバタな日常+民放の刑事ドラマを、笑うせぇるすまんのような不条理劇で覆ったようなものが、この物語のテイストです。好きな人は好きだと思いますが、ちぐはぐとも取れちゃいますね。
人でないモノは、気まぐれだったり傲慢だったり哀れだったりと、人である視聴者からしてみればまさしく浮世離れに映りますので、人でないモノを忠実に描けていると言えばそうですが、腹立たしい部分も。そこが面白いと思えれば、この作品は受け入れられると思います。
以前一話だけを視聴して好みに合わないと放置していた作品。
改めて全話視聴し、印象が変わりました。
個々のキャラのエピソードがこの作品の一番の魅力かなと思えました。基本的にやっていることに正義はありませんが、キャラ個人にはそれなりの正義がちゃんとありますし、それがとても分かりやすく描かれています。そしてなんと言っても全員散り際が美しいです。劇中、こいつ面倒くさいな…と思っても散り際を見てみると、なんか良いやつだったな…と思えてきます。結局、誰もが幸せにはならない物語です。薄々それに気づきつつ、殺しはやめることができない業に囚われています。
そういう展開がクセにもなるので、最後まで飽きが来ずに見ることができました。
映像的に光るものはあまり見られませんでしたが、キャラデザは嫌いじゃないです。
個人的に岩崎琢さんが好きという贔屓目も多少ありますが、音楽はカッコよく決まってて、聞いていて気持ちが良かったです。どことなく中東的、アジア的な雰囲気。キャラの服装や小物にもアジア的なものが取り入れられていました。
台湾生まれのアニメ。
日本人にとっては不自然だと思えるストーリー展開も多かったですが、個人的にはそこまで違和感なく見れました。でも中華的ストーリーに慣れていなかったら無理だったかも…。
キャラクターの書き込み度合いは、ちょっと崩れるところが多かったです。日本のアニメは本当にクオリティが高いと実感しました。背景は新海監督の作品を勉強して取り入れたような雰囲気で綺麗でした。音楽もピアノや柔らかい弦楽器の音が背景とよく合っていました。
ストーリーは何とも突飛なところもあって、ついていけなくなる方が多いのは納得できますが、家族愛を全体的なテーマに持ってきていますので、そういう部分は共感しやすいかな、と思います。しかし、え、こんなとこで終わり?というとっても尻切れトンボな最終回ですので、そこはもったいなかったなぁ、と。
キャラの個性は植物だったり蜘蛛だったり犬だったり、とても可愛らしいですが、突然にグロいデザインになったりするのは、中華のなせるワザですかね笑
全体的にはしっちゃかめっちゃかですが、個人的には良かった、楽しめたなと感じました。
放送当時からずっと見たいと思っていて、今やっとすべて見ることができました。
ストーリーは、とってもベタなのについつい泣かされてしまいます。
作画はちょこちょこ崩れるものの、キャラクターデザインは愛らしく、背景は仄暗い西洋的な雰囲気で、原作者さんの描く色彩を上手に表現できていたと思います。
サウンドトラックも、古いヨーロッパらしい旋律が幻想的で、ノスタルジックで物悲しい気分を誘います。
子供向けでもあるアニメとして作ったのでしょうが、大人も充分に楽しめる、素晴らしい作品でした。