和奏の話
今は亡き母の一緒に歌いたいという願いを叶えてあげられなかった思い出。その歌は和奏に伝えたい想いを込めた歌で、だからこそ一緒に歌いたかった歌だった。
そういう後悔に和奏は耐えられなかったのか、ピアノを始めとする母親との思い出の品を片付けてしまう。だけど、机があった所の日に焼けていない畳の青い部分がどうしても切なく寂しいものに思えてしまう。
「言えなかった、行ってきますも、ごめんなさいも、ありがとうも」
こんな切なさと寂しさとやるせなさ、涙しながら見るしかなかった。反抗期と親の死、切ないつらい。