自ら新たな技術の発展を止めることのできない人間はそれを活用して新しい生活を作り上げるけれど、その生活に身を置く私たちは以前のような人間なのか。
人類が劇中の世界のようにロボットやインターネットと融合するようになった時、どこからどこまでを人間と言うのかという問いを投げ掛けられた。
そして、人とロボットやインターネットが融合するその時というのは、もう訪れていると思う。常にスマートフォンという携帯デバイスはもはやあなたの身体の一部と言えないのではないか。インターネットを介してコミュニケーションを行う私を20世紀前半の人々が見たら、それは人間ではなく超音波でコミュニケーションを行うイルカのように感じるかもしれない。
26年前の本作公開当時の人からだって、2021年の社会はGHOST IN THE SHELLの世界のように見えているかもしれない。
例えば、SNS上でのみ振る舞われる人格も一つのインターネットの中に発生したゴーストなのではないか。
得るものがある一方で、きっと失うものもある。少なくとも自分は今存在する人類の形を留めていたいと思った。