真犯人クリス・オブライエンが目論んだのは、差別を生んできた社会への復讐のために「終末救済者プラン」、入国者への国の犯罪の告発の計画の利用だった。
しかし、それもまたさらなる存在に利用されていた。教祖代行のトーリはオブライエンの計画を通して、都知事を消すことでコングレスマンとなってビフロストの席を得ようとしていた。
しかし、シビュラの裏をかいて盾突こうとするそのビフロストに遂にシビュラは手を下すことを決めた。そして、執行される教団への強制捜査。トーリの陰謀は潰えた。
しかし、母・裁園寺に最終的に切り捨てられたトーリの最後の悪あがきで、裁園寺はビフロストでの席を失ってしまう。ただ、それも指金は同じビフロストの男によるもの。そして、その指金自体ももう一人のビフロストのコングレスマン・法斑静火の誘導によるもの。
無限に思惑が入れ子式に重なり合い、利用され続ける不気味なインスペクターやビフロストの闇の深さをまざまざと見せつけられた。
そこに思うのは、やはり自分の意思決定というのは真に自分のものなのかという疑念だった。知らずのうちに誰かの犬となり、そして利用され、勝手に使いつぶされていく。一体誰のために生きている人生なのかという問いすら浮かんでくる。
オブライトは最期にトーリに病気にされたことで、自分の思いを果たす決心がついたと言っていた。一見、それはオブライト自身の決意のようであるが、それすらトーリの織り込み済み、さらにその上に繋がる者たちの操作結果に過ぎなかったのではないかと考えてしまう。