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とても良い

この武神祭において、アイリス・ミドガルには強さを証明することが求められていた。王女として応援してくれる人のため、王国を守り、民を守るための力の証明こそが、彼女自身の証明でもあり、使命だった。

でも、対するはジミナ・セーネンが放つ秘めたる力の畏怖は圧倒的で、剣を握らずとも、ただ恐怖感のみでアイリスをへし折ろうとする。アイリスとて一度も剣を交らわすことなく負けるわけにはいかないと、使命感と責任感のままにジミナに挑むも、彼はただ素手でいなし倒すのみ。結局、彼がその剣でアイリスを斬ることはなく、いくら信念を燃え滾らせようともあっけなく吹き消されてしまう光景に、物質的な力だけでない心の強さ、思いの強さというものの無常さを刻み付けられてしまった。


一方で、舞い戻ったローズが見せたのも、アイリスと同じ信念と思いの強さだった。

彼女はオリアナ王国王女として、ドエム・ケツハットの陰謀を打ち倒すため、彼女はもう迷わない、自分の信じた正義を貫くために、操られの父・オリアナ国王を剣で貫く。涙も血も滲むようなその一閃には、確かな本物の強さを感じた。

アイリスと違うのは、懸けるものの重さだったように思う。ローズは肉親の命と、そして弱さ故の逃避といえど自らの命まで断つ覚悟だった。なんでもかんでも命を懸ければ良いとは言わないが、それでもそんな破滅的な後の無さ、一撃に込める信念の重さが、シドーの前に敗れたアイリスと、シドーに救われたローズの違いのように映った。



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