武神ベアトリスでも及ばないシャドウ相手にアーティファクトを手にしたとはいえアイリスが太刀打ちできるはずもなく…。騒動後にベアトリスとアイリスが魔神シャドウを撃破したという表向きのニュースがただ空虚に響き渡る中で、ただ絶望的な無力感とやるせなさがアイリスを慟哭の底へ沈める。
そして、ローズに差し伸べられたアルファからの手には、このまま一人で戦い続けるか、あるいはシャドウガーデンと共に戦うかという二つの選択肢が。「ごめんなさい、お父様」と小さく呟く彼女はまた間違う。ローズは彼女自身が信じる道のため、オリアナの王女の地位を捨て、闇の組織に身を落とす。
アイリスではなく、ローズが見出されたのは、ローズの言わば盲目的で何も顧みないただ自分のだけの信念の追駆が理由なのかもしれない。アイリスがあくまで王女として王国を守護しようというのに対して、ローズは正も負もなく闇にさえ紛れる。アイリスがシャドウに「王国軍がいるこの国にもう逃げ場はないッ!!」と言い放った姿が逆に印象的だった。その反面、ローズは誰の威を借ることもない、ただ一筋の強固な信念にシャドウガーデンは価値を見出したのかもしれない。