Annictサポーターになると広告を非表示にできます。
とても良い

アラビアンナイトの舞台を演じるここなだけど、その手応えと一致しない現実。それは、ここなが主役であるのに八恵を引き立てるための演技をしてしまっていることと、でも憧れの八恵と同じ舞台に立てていることがすごく楽しいという気持ちそのもののように映る。

結局、ここなは演者としてではなく、観客としての憧れしか持てていなかったのだ。だから、主役なのに一歩引いた無難な演技で、同じ舞台の上の役者を羨望の眼差しでしか捉えられない。役者のくせに観客気分。ふと観客席を見渡した時、ここなは「誰も私を見ていない」と固まってしまっていたけれど、それがまさしく彼女が役者になりきれていないことを象徴する瞬間だった。

そして、ここなにそんな気の迷いをもたらしたのは、主役としての自信のなさを見て見ぬフリをする逃げの心だったように思う。役者として自信がないから、目指すべき八恵という役者もただ憧れの眼差しで見てしまうし、いざ観客に注目されていないとどうしていいか分からなくなってしまう。

でも、そんな時だからこそ、カトリナと静香が教えてくれたように、ここなが本当に目指すべき憧れはワールドダイスターであると思い出さなければいけない。ここなの本当の目標を改めて自分に問い直す必要があった。

そして、そんな自分の心を見失っていたからこそ、自身の心の現れでもある静香が一時の間消えてしまっていたし、再びその心を取り戻すと静香もまた現れたのだと思う。



Loading...