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とても良い

欲を夢を、仕舞っておいた思いの箱

ここなが舞台に立つ原点。それはワールドダイスターになりたいという思いだった。

でも、そんな高すぎる憧れは、夢見るだけでも怖いくらいに眩しい。夢と現実の差、憧れと自分のギャップを自覚せざるを得ないから、夢を口にするのには恐怖が付き纏うのだ。だから、ここなはその夢を直視することすらできず、舞台へのエゴや渇望も心の奥底に封じ込めてしまっていたのだと思う。

だけど、それでも願わずにはいられないここなの欲求の具現化が静香だったように見えた。そして、その静香はここなの押し殺したエゴと欲望を引き受けて、大事に取っておいてくれた。また、「舞台に立てない私の分も…」というここな自身では言い逃れのできない、夢へ進み出すための理由を作ってくれた。

あの子の先に夢を追いかける

そんな静香が去ってしまうことに最初は喪失感と孤独に泣き伏せていたここなだったけれど、静香と対話して、自分自身と対話する中で、一つの気付きを得たように思う。それは、今こうして描かれたように、静香はここな自身の「役者としての欲望」であるということ。

だから、存在としていなくなってしまっても、静香はここなの中に居続けるし、夢のままな「役者としての欲望」を追いかけることこそが静香の存在証明にもなっていく。

今まで一歩先からここなを導いてくれたように、静香はこれからもここなの一歩先で待っている。そして、その先のワールドダイスターを追いかけ続けることが、ここながいつまでも静香と共にいるためにできることなんだと思う。



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