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とても良い

ブリジットに半ば攫われるようにして去ってしまったシャルを追って、ペイジ工房へ乗り込んだアン。そこで、ペイジ工房の長は銀砂糖師として職人頭の役割を果たせたら、シャルのことを解放してくれるとアンに約束してくれた。

容易ではないものの、なんだかあっけない展開の影には、シャルを奪ったブリジットの抱えるものが見えてくるようだった。ペイジ工房の長の娘として、彼女は家を存続させるという役割に縛られていたのだ。だから、彼女自身は職人になりたくてもなれないし、エリオットとの婚約も取り決められたもの。そんな反動が、自由のままに生きて輝くアンからシャルを奪ってしまうということだったのかもしれない。

そんな心中を慮ると、女の敵は女かもしれないが、どちらの女も悲劇のヒロインであることに変わりはないこともまた事実なのかもしれないと複雑な感情が残るようだった。

そんな中でも、隙を見たシャルがアンのもとに再びの対面しに現れて。そして、「シャルと一緒にいたいから、ただ待ってて」というアンの言葉に、シャルがアンの身体を引き寄せて「待ってる」と静かに呟く夜……。アンがシャルのことを守っているようで守られているようなそんな感覚の中に、アンにしてみれば、やっぱりシャルがいなきゃダメなんだということを改めて感じているようだった。



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