嵐子を失って吹っ切れたなごみ。闘争と復讐に駆り立てられた末に辿り着いたのは原点回帰、冥道《メイド》としてみんなを笑わせて、お客様をもてなすことだった。
だから、トントコトンに乗り込んでくるケダモノランドのメイドたちのことも、メイドとして迎え撃つ、否おもてなすのだと思う。
「和平なごみ、命をかけて歌います!」と踊る姿は、何よりも嵐子が、そして昔のうず子が目指していたメイド姿であったし、それにケダモノランドのメイドたちも魅了されていた。なごみが命を賭して貫く冥道《メイド》は間違ってなかったんだと感じさせるようだった。
でも、だからこそ、うず子はそれが受け入れられないのだと思う。あまりにも正しすぎて、闘争の果てに居場所を失い続けてきた自分を刺すようであり、かつて誤ちの末に失ってしまったメイド像を思い起こすものだから。そして、なごみにチャカを乱射し、自分もチャカに散っていった。
そして、時を経て、現在の秋葉原。今のようなメイド喫茶が栄えているのは、確かにそんな冥道を貫いたなごみの生き様を映し出した街のように見えていた。