☆☆☆☆(4)
宮沢賢治の逆襲。前回あんなことを書いたけど、晶馬が苹果ちゃんに「愛してる」って言ったところとてもよくて「うわあ」ってなって身体が熱くなってしまった。最後まで荻野目さんって呼んでいたところもよかった。輪るピングドラムはボーイミーツガールだったんだ……。
男の子二人が身を挺して二人の女の子を助けたあとの世界は、たしかに穏やかで幸福だろうけど、でもたくさんの悲しみのなかにあったほんのかすかな幸せを三人で分け合っていたあのころのほうが、何があったとしても兄弟妹三人で過ごしていた日々のほうが幸せだったんじゃないかって思ってしまうんだ。
ところで、陽毬が晶ちゃんを運命の人だと思ったエピソードと、冠葉が陽毬を大切に思ったエピソードを比べると、陽毬のほうが時間をかけていて、冠葉は瞬間的なものだから、そのへんの違いがおもしろいな~と。断じて冠葉さん重いな、とか思っていたわけではないから悪しからず! 過ごした時間が愛になる。あと箱のアレは一体何だったんだ。果実を分け合ったのは晶馬と陽毬だけじゃなかったってことはわかった。なんとなくツバサ・クロニクルのことを思い出した。
冠葉と陽毬の兄妹を見ていて、なんとなく冬芽と七実の雰囲気があるな~と思っていた。赤毛の兄貴、お嬢様言葉の妹、兄に執着する妹、妹ではない女の子に執着する兄、みたいな。幾原監督の好みなのか。あと最後に主人公が消えてしまうっていうので思い出したことがあるので、これからもそうだったらどうしよう! と思わなくもない。