TSモノなので鑑賞。
とはいうものの、この作品における救いの本質は、女の子になることではなく幼児退行の方だと思います。
確かに、女体化によって男性性に紐付けられた社会貢献への責任、及びそこに裏付けられた優秀な妹への劣等感からは解放されていますが、本作ではその結果妹がヤングケアラーの重荷を背負う結果になっているので、あまり美談とは思えません。
まあ、いい歳こいて相応の社会性を得られない人間は女子供になった方がマシだ、ということでしょう。大阪大学卒の人間が言うんだから間違いありません。
実際、私も彼の抱える劣等感には大変覚えがあるので、まひろちゃんになれるならなりたいものですが、下の兄妹に劣等感を抱き社会から逃げる自分のような人間を、高野麻里佳は嗤いながら演じていたことでしょう。
OPと作画はほんといいです。