以前から良いという噂を聞いていた作品。pixiv初の漫画が原作らしい。銀行の融資に関する描写の荒唐無稽さと、編集でジーンが画面を見ずに高速でカタカタする状況を無視したステレオタイプ的描写はいかがなものかと思ったが、ジーンの物語としてとても良くまとまっており楽しめた。ただ、ポンポに関する描写はもう少しだけ深堀りがあっても良かったかも?なぜジーンが撮る映画だけが自分を感動させられると思ったか、うまく汲み取ることができなかった。この描写でも90分を若干オーバーしているので、そういう意味でも尺はなかったのかもしれない。もしくは、連作で群像劇的にシリーズを構成する原作の制約なのかもしれず、ジーン視点としてはこれで良かったという見方もあり、難しいところ。
ポンポ、ジーン、アラン、マーティンの主要キャラクターは魅力的で、演出、音楽、アニメーションともに非常に良いが、ナタリーだけは棒読みで浮いているので、そこは厳しかったかな…。いくつか気になる部分はあるものの、総合的には面白い映画であった。