原作はいずれのメディアも未読。7人の少年少女の悩み、葛藤、交流を描いた作品で、設定はかなり現実離れしたもの。プロットとしてはシンプルなのだが、こころのいじめ描写は丁寧で、不登校児たちが集った先で隠し事をしながら屯する様は意外とリアリティがあった。
反面、リオンと姉が設定的には非常に特別・特殊なはずなのに大して触れられず、他の7人もアキ以外は最後に少しだけ回想が入るくらいで大した掘り下げがなく、これなら3人ぐらいで良かったのでは?と思わされる。原作ではもっと個々に掘り下げがあったのだろうか?孤城の設定や制約がふわっとしすぎている点も含め、こころとアキにフォーカスして他の描写を捨てた結果、この物語の根幹を成す孤城の奇跡を受け入れるに足るだけの積み重ねの描写が不足してしまい、ご都合主義感が出てしまったのは残念だ。
ミステリー的な部分は若干の既視感もあってわかりやすく、会えなかった時点でほぼ全容の予想はついてしまった。エンディングへの展開は先述のとおり若干ご都合主義で、それを是とするに足るほどの積み上げはないように感じた。ハッピーエンドにつなげるためとはいえ、終盤の唐突な設定破棄はよろしくないと思う。
キャラクターデザインは一般ウケを狙ってあえてだと思うがシンプルすぎてやや魅力が不足。クライマックス付近の演出も全体的に微妙で、カタルシスを絵的に補強しようとして無駄な演出が加えられた結果没入を阻害する部分があった。
全体的に感情を動かすシーンはあちこちにあり、及第点で楽しめはするのだが、あちこちの粗は目について手放しで素晴らしいとはなりにくい、あと一歩感のある作品だった。