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全体
とても良い
映像
とても良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
とても良い
音楽
とても良い

名作のキャラの魅力と設定の活かし方はさすがと言うほかないかと。ストーリーテリングも起承転結がしっかりしていて申し分ないし、歴代のテーマ曲がふんだんに使われていて懐かしさに悶えた人も多いのでは。
本作のTVアニメが1987年に放送開始されたことを考えると、歴代テーマ曲の幾つかの古いものはマスター音源の音圧が低く、音響担当者は今の劇判と繋げるのに苦労したのではと感じた。また、音圧云々とは別に、もっと美味しい楽曲の使い方があるのではと思わせる箇所も散見された。例えば、岡村靖幸の「Super Girl」はモデル撮影現場のシーンで使用されており、歌詞の内容とマッチしていて使い所としては絶妙なのだけど、現場の室内BGMという演出にしたせいか、小音量でかつ篭った残響(リヴァーブ)成分を足した明瞭感に欠けるサウンドになっていた。僕なら、敢えてそのような演出は控えてMV並みに映像表現として楽曲の良さを前面に出したいところ。
また、現代にマッチさせた要素もあって、お色気が控え目なのは元より、原作では今の基準ではセクハラや痴漢行為に当たる表現が多々あったのを(これでも)極めて薄めてあるのは良かった。敵が強力なドローン兵器を使用してくるのは、ルパン三世の近作にも見られるところで、今のアクション作品のトレンドかと。
また、ガンアクションでありながら敵を極力殺さない表現は、原作でも途中から採られた手法で、シティーハンターのお約束でもあって安心して見られるのだけど、少し物足りなさも感じる。
お約束といえば、原作アニメでも途中から定番化したストップモーションからのGetWildは今作でも素晴らしい。これが無ければ原作ファンは納得しないはずで。
コメディ要素は様式美のお約束が漏れなく盛り込まれているし、しっかり感動できてしっかりかっこいい。また、例の「もっこり」というワードは頻繁に出てくるけど、ファミリーで何とか安心して見られる配慮が為されていると感じられた。今作の白眉はやはり、冴羽獠と槙村香の変わらない不器用な関係性と絆の強さかと。野上冴子や海坊主といった名物キャラクターもしっかり絡んでくるし、何も心配は要らない。



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