田中の虚ろな目が気になる。
そして、ブギーポップはやはり全てを最初から見通してはいないが、今起きていることを的確に捉えているように思える。優しさゆえに過ちを悔やみ罪の意識に苦しむ、それも人の性質の一面。
寺月恭一郎は統和機構のメンバーで、消される前に統和機構に対抗し得る人材を見出して自覚させるための仕掛けを作ったと。しかし、ダーウィンの進化論と呼ばれるものは自然選択説であって、生物の進化に最初からある方向付けが成されているという理論ではない。たまたま環境に適応できた種のDNAが保存され更新されるというものだ。進化に方向付けが成されているという考え方は運命論的、神学的だと思う。統和機構はシステムであって特定の権力者による意志によるものではないという風なことを寺月恭一郎は言ったけれど、それと生物の進化とはロジックが違うと思う。
歪曲王と寺月恭一郎は別の存在で、このムーンテンプルという装置によって歪曲王が引き寄せられたのではと推測してみる。違うかもだけど。