そういえば、戦前ぐらいまでは大阪市中に狸がいたと聞いたことがある。大大阪と言われたこの時代、市内の急速な工業化に伴って工場労働者が流入し、田畑も宅地化されていった。田畑の名残りで宅地の中に井路という用水路が網の目のように残っていた。今は普通の小道路だったりする。
その関係で、狸などの小動物も市街地にまだ居たのだと考えられる。尚、旧市街地では今でもイタチが多い。
あのクソ社長、文狐さんにも恨みがあったのか。
芸術や娯楽、エンタメはいつの世も必要。民衆の人生につらい仕事や戦争しかなかったら地獄だから。あのクソ社長も、楽しみが宴会で金をばら撒くことしかなかったら詰まらない人生になる。産業は大切だけれど、止められない資本主義の歯車でもある。その中に資本家も民衆も巻き込まれ始めた時代でもある。当時の財閥が美術品を蒐集したのは、コレクターでもあっただろうけど、文化の社会的価値が分かっていたからでもあると思う。豊かさに必要なものとして。
町奉行の裁きが出てくる落語は「佐々木裁き」の他に「天狗差し」なども。米朝師匠の名演は何度聴いても笑える。
良い最終回だった。
大正期の大阪の風土と上方落語、寄席、狸と狐というファンタジー要素、百合風味の師弟愛、街の人情、全てのバランスが良かった。何より僕の愛する地元ばかりが出て来て、大好きな上方落語を取り上げてくれたことに感謝したい。
まめだが狸の里の長老から託された用がまだ残っているので、物語はまだ続くのかな。
天神ちゃんももっと見たいし、2期を切望する。