日々消費されていく下着を補充するためにランジェリーショップへ行き、
主人公に下着を選ばせる――そんな展開があった。
最初は、
羞恥を煽るためなのか、
彼の好みを知りたいだけなのか、
それとも“恋人っぽい関係”を演出したかったのか、
そんな風に考えていた。
でも、違った。
いろんな色の下着を身に着けた鷹峰さんを想像しながら選ぶ蒼。
理由を語る主人公。
それを聞いた鷹峰さんが選んだのは――
「付けない」。
付ければ能力が使えなくなる、と彼女は言った。
それはつまり、
使いたくても使えないという選択。
使えば消えてしまうから、使わないという選択。
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下着を選ばせた理由は、
彼の性的嗜好を試すためでも、
からかうためでもなかった。
「彼なら、自分をどう見ているかで選んでくれる」
そう信じていたから。
本当は完璧ではない自分を、唯一知っている存在。
その彼に、自分がどう映っているのかを知りたかった。
そして、理由も聞けた。
単純な場面じゃなかった。
思っていたより、ずっと深い。
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具合を悪くした主人公を送り届け、
冗談めかしながらも献身的に看病してくれる鷹峰さん。
それに対して主人公が口にした、
「飴と鞭の、飴ですか?」
という言葉。
明らかに行き過ぎた看病に気づけない、
その鈍さゆえの一言だ。
でも、きっとだからこそ、
鷹峰さんは彼を選んだのだろう。
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拾った時の回想で、
牛乳を差し出していた主人公。
そこでようやく、過去の繋がりが少し見えてきた。
帰宅すると寄ってくる飼い猫のクロ。
クロに向けて呟いたあのセリフ。
……もどかしいね。