つい二人のデートの話題に意識が向きがちだけれど、
やはりフリーレンがヒンメルたちとの旅を“今”に重ねて語る場面のセリフは、
どれも強く印象に残る。
危険な場所であっても、そこは誰かの故郷であるということ。
猫探しのエピソードも含めて、
フリーレンの視点があるからこそ、世界が一段深く見えてくる。
――さて、デートの話。
着飾ったフェルンの服装を、シュタルクは褒めなかった。
けれど、もしここで褒めていたらどうなっていただろう。
フェルンは
「その言葉も、フリーレン様に言われたことなのでは?」
と、疑いを持ったかもしれない。
だからこそ
「何だか、いつもと違うな」
と、思ったことをそのまま、真っ直ぐに口にしたのは、
とてもシュタルクらしくて良かったと思う。
デート中の話題は、結局フリーレンのことばかり。
不器用というか、無関心というか……
でも、この二人ならそうなるよね、という納得感がある。
距離が縮みすぎても、離れすぎてもいけない。
その不安定さが、なぜか安定している。
言葉にすると少し不思議だけれど、
この二人の関係は、きっとそういうものなのだと思う。
デートコースをフリーレンに相談していたことも、
シュタルクは素直にフェルンへ打ち明けた。
そして
「フェルンに喜んでほしかったから」
という、一番大事な気持ちも、ちゃんと伝えられていた。
何か欲しいものを探す楽しさよりも、
美味しいものを一緒に食べることよりも、
綺麗な景色を並んで見ることよりも――
きっと、あの言葉が一番嬉しかったのだと思う。
温泉と、二種類の三つ編みのくだりは、思わずクスっとしてしまった。