いや、今回もけいおんはすごい!
まず冒頭で先輩たちのテープを聞き、焦る澪のシーンからスタート。
ここで今回の課題が『先輩たちを超える』ことであることが明示されます。
でそのまま合宿が始まるわけですが、ここは美少女アニメのお約束ですよね。
水着シーンやお風呂など、深夜アニメ故のサービス回というか。
でもそういったノルマとして存在するサービスシーンを使って、各キャラの紹介を改めてしていくところが凄いんですよね。
唯と律はアホなコンビって感じで、澪は怖がり、紬は普通に憧れるお嬢様と、どのシーンも上手く各キャラの魅力を引き出しています。
このあたりのセンスの良さが、けいおんのいいところですよね。
澪視点で見ると、なかなか練習ができなくてもどかしい=先輩たちを超えられなくて悔しいという構図になっています。
そのあたりのもどかしさに、紬は『大丈夫だ』と声をかける。
そして花火をバックに唯がギターを弾くシーン。
あそこで澪は唯のスター性や天性の資質、なにより青春のキラメキのようなものを感じたのではないでしょうか。
そこへ先輩たちのテープを聞いたことで、唯はそれを軽々再現してしまう。
つまり唯はちゃんと練習していたし、才能もあり、先輩たちを超えるものを持っていたことがわかり、最初に明示された目標をクリアできたわけです。
このあたりの物語構成が本当に上手で、量産型萌えアニメとは格が違うことがよくわかります。
さらに武道館を目指す意気込みの書かれた掲示板に、澪は最後『軽音部』の名前を書き加えました。
つまり先輩たちを超えてやると、改めて宣戦布告したわけですね。
当初は遥か上だと思っていた先輩たちに宣戦布告する――これは立派な成長の物語です。
感想をまとめると『けいおんはただの緩い萌えアニメじゃないぞ!』と言ったところでしょうか。
物語作りのプロが丹精込めて作った『普通の萌えアニメに見せかけた傑作』というのが、自分の中でのけいおんの評価になりました。