「かわいそうなラインハルト。もう失うべきものを何も持たなくなってしまったのね。そう、私たちはお互いの他に何も持たなくなってしまった。」
「姉上はキルヒアイスを愛していらしたのですか?」
「そう、宇宙を手に入れるのだ。失ったものの大きさを思えば、せめてそれぐらい手に入れなくてどうするのか。」
「もはや失うものは何もない。だが、なればこそ俺は闘う。お前との誓約を守るため、そして、この胸の渇きを癒す何かを得るため。それは良き友か、それとも強き敵か。ヤン・ウェンリー、お前ならそれに応えてくれるのか。」