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全体
とても良い
映像
とても良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
とても良い
音楽
とても良い

一つの事件で生じた恐れと猜疑心は過剰な防衛行動を生み、それが更なる恐れと猜疑心を生む。そうやって気付いた時には事態は取り返しのつかないところまで来てしまっている。

本作品はそのような負が負を生んでゆく連鎖をアニメとは思えないほど見事な演出で描き出している。

特に、静と動のシーン対比が印象的で、動の展開なら演出や音楽でゾクゾクするような緊張感と共に事態の進行が描き出され、静なら静寂の演出やシーンの中で思考や感情の海に沈んで事態の全貌に迫ってゆく。

そうやって、静と動の展開を繰り返してゆく中で、平和ボケした社会は徐々に緊迫感が高まっていき、それと同時に事態の全貌が見えてゆき、クライマックスに突入してゆく展開は実に見事だった。

一方で、セリフ等がやや難解なこともあり、一度の視聴では内容をきちんと理解するのが難しかった点は少し残念。竹中直人さんの声は雰囲気があって作品によく合っていたと思うが、やや聞き取りづらくもありお経のように眠気を呼び出す効果もあった。

また、一番残念なのは、本作品はSFミステリーとしては素晴らしい作品なのだが、それがパトレイバーである必然性があまり感じられないところだ。旧特車二課第二小隊だけでなく、レイバーそのものがそれがなくても物語に支障がないように思えてしまうのはパトレイバー好きとしては少し悲しいところだ。



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