初回視聴時は期待が高かっただけにこれで終わり?と狐に摘まれたような気分に。時間をおいて改めて観直していくうちに、生々しさと視聴者への投げかけ、というこれまでの本編の特徴を体現したような、実にこの作品らしい終わり方ではなかろうかと感じるようになりました。
クリアして大切な人は生き返ったけれどその人を”失った”という現実は変わらず。エッグを通してかけがえの無い時間と共に心の傷も負い。辛い記憶を避けるように友情が自然消滅したり、居づらくなって転校したり。この灰色の結末のリアルさは、生々しい感覚が特徴的な如何にも本作らしいなと。
そして4人の誰もがすっきりした形で物語の終えず心に残る強いモヤモヤ感。観終わった後、良かった感動したで一晩寝たらすっかり忘れてしまう、という事を許さない、何処か心に引っ掛かり考え続ける事を促すような結末。本編の6話のアイの笑顔、9話のファンタジーがそうであったように、視聴者に何かを投げかけ自由な思索や議論を促す、という意味でこのラストはとてもワンエグらしいなと感じます。最後のアイのピースは、ここからはあなたが考えてみてという作者からの挑戦状のようにも思えました。そして、そう感じるようになってからこの終わり方が結構気に入っています。