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とても良い

「世界はどうせ変えられない」
以前と変わらぬ灰色の日常が描かれ意外にも嬉しかった。奇跡やハッピーで終わるなら綺麗でスッキリするのかもしれない。けど現実の僕には今日も何気ない一日がやってきて人生は続きいつまでも割り切れはしない。いや割り切れてはいけないものなのだから。

変わらぬ灰色の日常の中で鳥の雛を気にかけるという長良の小さな変化。物語を通して遥かな長い旅路を経てたったそれだけの小さな変化。けどそれがたまらなく愛おしい。彼が生きる世界を自ら選び取り、その場所で自分から世界に関わろうとしている確かな証、漂流の全てが詰まっていると、そう思えたから。

製作側としてもドラマチックに綺麗に終わらせたい、のような誘惑もあったのではないかと思います。けど「どうせ世界は変えられない」というある意味セカイ系のアンチテーゼとしての命題から始まったテーマを誠実に描いてくれたことが嬉しいし、制作者の皆さんに感謝と敬意を表したいです。



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