原作既読。もともと原作が大好きな作品であり、その分かなりの好意的補正が入っている点は否めないが、それを差し引いても完成度は非常に高い。主人公カップルが交際に至るまでのテンポの良さや、不快感のあるキャラクターが一切登場しない点など、終始安心して楽しめる“令和型ラブコメ”で、自然と頬が緩み続ける作品だった。原作に忠実でありながら、アニメならではの演出が丁寧に積み重ねられており、制作陣の作品への愛情が随所に感じられる。観終えた後に心が満たされる、非常に幸福度の高いアニメ化である。制作を手がけたラパントラックは、「小市民」の印象が強く残っていたが、本作のような方向性の作品でも高いクオリティを発揮しており、安心して作品を任せられる制作会社として強く印象に残った。第2期の制作も決定しており、個人的に特に楽しみにしている三組目のカップルは、同作者の「氷の城壁」の要素を取り入れた魅力的な関係性である。この先の展開を映像で観られることに、期待と感謝しかない。総じて、欠点らしい欠点が見当たらない理想的なアニメ化であり、アニメとはこうあってほしいと思わせてくれる一作だった。非常に素晴らしい。